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2011年12月27日 (火)

山田昌弘さんの『結婚の社会学』を読んでみた

山田さんの『結婚の社会学
未婚化・晩婚化はつづくのか』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1996年8月に発行されたものである。

もちろん古くなっていることは確かである。

けれども、問題意識を持っている人には、読んで

損のない内容である。

冒頭に「結婚しない『いい女』の四条件」が出てくる。

①専門職
 キャリアを積まなければならない専門職には
 家事負担を背負うことは不利である
②自宅――母は専業主婦
 家事を母親にやらせている独身女性は
 この「天国」の地位をなかなか手放さない
③男女交際に寛容な親
 結婚によって行動の自由を手に入れたい
 という動機がない
④恋人がいる、もしくはいつでもできると思っている
 「結婚なんていつでもできる」「もっといい人が
 現れるかも知れない」という意識が働いて
 結婚が遠のく

著者も、これら全てがそろっている人はめったに

いないかもしれないとしつつも、これらの条件を

備えている人を「恵まれた」シングルとしている。

では、2011年現在、これらの条件は変わったと

言えるだろうか。

個人的には①と③は、あまり関係がなくなった

ような気がする。

そして、結婚難の誤りと思われる俗説について。

①男余り説のウソ
 女性も結婚していないのだから誤りだと
 すぐに分かるが、なんと中年男性は若い
 女性と結婚するので、若い男性は余って
 いると、信じられない分析結果も。
②「結婚したくない人が増えた」説のウソ
 30歳以上の結婚願望はむしろ上昇しており
 結婚したくてもできずに30を越してしまった
 女性が多いとの結論。
③男女交際が下手になったのウソ
 実際には男女交際の機会が増え、
 テクニックが上手くなるがゆえに
 結婚できなくなっているらしい。
④わがままな若者が増えた説のウソ
 女性の社会進出が増え、自活できるように
 なったとはいえ、働く女性の結婚願望は
 低くないらしい。
 「女性の高望み」や「弱くなった男」は
 「昔はよかった」式のノスタルジーに
 すぎないとしている。
⑤時代に遅れた男性説のウソ
 これに対しては、家事分担に関する意識は
 保守的で男女のギャップはあまりないとしている。

では、結婚難の本当の理由は何か。

①経済の低成長を直接の原因とする「女子上昇婚」
 の機会の減少
②男女交際の活発化を直接の原因とする
 「恋愛結婚システム」の変化

簡単に要約してしまうと、①は高度経済成長下では

自分の父親より経済的に裕福になる可能性のある

男を捕まえられたが、低成長になりそのような機会が

減ったということであり、②は男女交際が活発化した

がゆえに、恋愛と結婚が分離し、もっといい人がいる

かもしれないという幻想が拡がったということである。

このことは、私の周りを見るかぎり現在でもあまり

変化が見られない。

だとすると今後も日本では未婚化・晩婚化が着実に

進行していくだろう。

結婚が男性にとってはイベント、女性にとっては生まれ

変わりと表現されてもいるが、そうであるならなおさら

今後の日本での結婚は難しくなるだろう。

未婚化・晩婚化を考えるとき、いまだなおこの本は

多くの材料を提供してくれると思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 結婚論の現在/2章 結婚難の虚実/3章 結婚意識の男女差-生まれ変わりとしての結婚/4章 低成長期の結婚難-国際結婚という帰結/5章 恋愛の変化と結婚難/6章 もっといい人がいるかもしれないシンドローム/7章 結婚のゆくえ

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