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2012年1月31日 (火)

高野登さんの『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』を読んでみた

高野さんの『リッツ・カールトンが大切にする
サービスを超える瞬間』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、世界のホテルランキングで絶えずトップ

グループを保ち続けるリッツ・カールトンの秘訣を

日本支社長の高野さんが公開してくれている。

特に、お客様にリピーターになっていただくために

会社の信念(クレド)を具体的な仕事やサービスに

結びつけるさまざまな仕組みを紹介しながら

「おもてなし」ということを考えさせる構成は、

とても分かりやすくていい本だと思う。

以下に、リッツカールトンの基本的な考えを

抜粋させてもらうと次のとおり。

【クレド】
リッツ・カールトン・ホテルは
お客様への心のこもったおもてなしと
快適さを提供することを
もっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ
そして洗練された雰囲気を
常にお楽しみいただくために
最高のパーソナル・サービスと施設を
提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、
それは、感覚を満たすここちよさ、
満ち足りた幸福感
そしてお客様が言葉にされない
願望やニーズをも先読みしておこたえする
サービスの心です。

【従業員への約束】
リッツ・カールトンでは
お客様へお約束したサービスを
提供する上で、紳士・淑女こそが
もっとも大切な資源です。
信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を
原則とし、私たちは、個人と会社の
ためになるよう、持てる才能を育成し、
最大限にのばします。
多様性を尊重し、充実した生活を深め、
個人のこころざしを実現し、
リッツ・カールトン・ミスティーク
(神秘性)を高め・・・
リッツ・カールトンは、このような
職場環境をはぐくみます。

【サービスの3ステップ】
1 あたたかい、心からのごあいさつを。
  お客様をお名前でお呼びするよう
  心がけます。
2 お客様のニーズを先読みし
  おこたえします。
3 感じのよいお見送りを。
  さようならのごあいさつは心をこめて。
  できるだけお客様のお名前をそえるよう
  心がけます。

印象に残った話は、入社面接にドアマンが

二人立って応募者を出迎えるだけでなく、

プロのミュージシャンの演奏にコーヒーや

ジュースまで運んできてくれるサービスを

行い、応募者にリッツカールトンのやり方を

入社前にきちんと伝えてという話。

会社経営に際して誰をバスに乗せるかという

採用の部分というのは非常に重要である。

ここでお互いに間違いのないように、

ある意味対等に相手を評価し、価値観を

確かめ合う作業は、人が財産である

サービス業にとっては、なくてはならない

プロセスなのだろう。

ほかにも、どのような接客が感動を呼ぶか

ということを詳しく伝えてくれていて、

高級ホテルに泊まることのない私でも

充分に楽しめる内容であった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 感謝されながら、成長できる仕事術/第2章 感動を生み出す「クレド」とは/第3章 リッツ・カールトンを支える七つの仕事の基本/第4章 サービスは科学だ/第5章 リッツ・カールトン流「人材の育て方」/第6章 リピーターをつくるリッツ・カールトンのブランド戦略/第7章 いますぐ実践したい“本当のサービス”とは?

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2012年1月30日 (月)

竹森俊平さんの『日本経済復活まで』を読んでみた

竹森さんの『日本経済復活まで
大震災からの実感と提言』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、経済学者が今回の東日本大震災をどのように

受け止め、何を感じたかということを克明に伝えていて

ともすれば風化しがちな非日常の出来事の記憶を呼び

覚ましてくれる。

まず第1部は、動揺や手探りの様子をそのまま記した日記

スタイルをとっている。

次に第2部は、震災を受けての、より標準的な経済書の

スタイルをとっている。

そして、この異なる2つのスタイルが問題のありかを

浮かび上がらせるのにとても効果的に機能している。

内容としては、東日本大震災による地震及び津波による

被害部分を「天災」、東京電力の福島原子力発電所の

放射能漏れによる被災部分を「人災」として別々にとらえ

それぞれに竹森さんなりの論考を加えている。

首都圏をどう守るかという部分に関しては、地方を軽視

していないという注釈はあるが、それでもなお違和感を

覚えずにはいられなかった。

守るべきは首都圏のみではないだろうというのが

率直な感想である。

当然、竹森さんは経済的な首都圏の重要性を主張して

いるのであって、それ以上の意味を持たせてはいないが

何となく経済学の嫌な部分が見え隠れしている気がした。

そして、今回最も気になったのは以下の文章。

『福島第一原発で最初に水素爆発を起こした一号機は
一九七一年に生産されたもので、導入されてからすでに
四〇年が経過している。とっくに寿命が来ていたのだ。
それなのに日本の「原子力安全・保安院」は、大震災
発生の一ヵ月前、非常用ディーゼル発電設備の亀裂
などいくつもの問題を発見しながら、さらに一〇年間の
寿命延長を認めていたというのである(『ニューヨーク・
タイムズ』三月二十一日の記事)。
 この話からも分かるように、必要な投資までも怠る
という今の日本企業に染みついた習慣は、日本人の
生命を脅かすほどの問題を生み出している。企業の
考えに従えば、投資をするのは危険で、現金を抱え
込むほうが安全ということになるのだろう。しかし、
原子力発電といった、複雑で、しかも問題が起こった
場合の被害が桁違いに大きい設備をたくさん抱える
国で、投資を怠ることほど「危険」な行為は存在しない。
それが今回はっきりしたのである』

私のいる会社でも、リストラと称して人件費を削減した

管理部門の経理屋が評価され、売上が目標を達成

しなかった営業部門はコスト削減を迫られているが、

この経理屋の言いなりに投資を絞ってしまったら

さらに売上が減って再びリストラが必要になることは

目に見えている。

経理屋が経済学を理解しないのは仕方がないとしても

経営者がこれを理解しないのは致命的だ。

投資意欲の萎えている中小企業の経営者にこそ、

ぜひ読んでもらいたい1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 震災発生/第2部 この国の未来

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2012年1月29日 (日)

勝間和代さんの『まじめの罠』を読んでみた

勝間さんの『まじめの罠』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、まじめに生きてきた人のための本である。

「ふまじめ」な人がいくら読んでもまったく意味がない。

また、まじめな人がこの本を読んだだけで、突然に

まじめの罠から抜け出せるようになるわけでもない。

勝間さんも「はじめに」の中で次のように書いている。

『これまでまじめだった人に、いきなり「まじめに
なるな」と言っても、それは無理な話です。また、
まじめと一口に言っても、まじめの中にも残さな
ければならない大事なものはあります。
私たちは、ついつい「まじめの罠」に陥ってしまい
ます。私もそうです。でも、そんな自分も認めつつ、
同じようなことに悩んでいる方の一助になればと
思ってこの本を綴ります』

では、まじめな人がどのように「まじめの罠」から

抜け出すようにしていけばよいのか。

そもそも、どのようなものが「まじめの罠」であり、

どのような危険があり、どんな害毒を撒き散らして

いるのか、勝間さんなりの解釈でいろいろな事例

が紹介されている。

正直なところ、この事例の部分は異論なしとしない

けれど、まあ読んでみていろいろと感じられれば

それで良いと思う。

勝間さん本人について書かれた部分は、これはもう

お決まりのサービスだと思って、ファンやアンチ以外

は特に気にしなくてもよいだろう。

それでは、「まじめ」にやってきた人が、ただ単に

「ふまじめ」になれば問題は解決かといえば、

もちろんそんなことはない。

勝間さんもその点は注意深く次のように書いている。

『でも、勘違いしないでください。では、ただ単に
「ふまじめ」でいいのかというと、それは間違いです。
「ふまじめ」と「努力しない」というのはまた別の話
です。また、怠惰であることを「ふまじめ」だと勝手に
解釈する人も多いのですが、それも間違いです。
この場合の「ふまじめ」というのは、「非まじめ」と
表現したほうが正確かもしれません』

勝間さんは、分かりやすく物事の本質をつかむため

この本の中でさえも「ふまじめ」を目指してほしいと

書いているが、正しくは「非まじめ」である。

「ふまじめ」になれと言われると抵抗がある人は

ぜひ「非まじめ」と読み替えてみてもらいたい。

では、どうすれば「まじめの罠」に陥らずに

「非まじめ」というものを目指せるのかという

解決策は、第4章に 「まじめの罠」に対する処方箋

として、以下のようにまとめられている。

①失敗を恐れるな
②問題設定そのものを疑え
③動物的な勘、身体感覚を養え
④独立した経済力を持て
⑤自分のまじめさや常識を疑え
⑥正しい自己認識を持て

この中で多くの人にとって最も難しいのが④である。

ポータブルスキルを磨くことと、いつでも同じ生活が

できるように勇気とスキルを身につけ、それが難しく

ても常にそういう意識を持ち続けることが重要だと

勝間さんは書いている。

この点は勝間さんのほかの本にもいろいろと書かれ

ているので、そちらも参考にしたい。

蛇足、P169のL9の「訓練機関」は「訓練期間」の

誤り。(こんな細かい指摘は「まじめ」すぎるけど、

「どうでもいいじゃん」という本に誤字がないほうが

カッコイイ!けど、これも「まじめの罠」か?)

最後にもう一つだけ、この本の現在における価値に

ついて述べておきたい。

それは日本が20年もの長きにわたって不況の中に

あることで、ただまじめなだけでは生きにくくなって

しまったということである。

高度経済成長時には、たとえ間違った努力でも、

まじめにさえやっていれば、多少のマイナス幅を

景気のプラス分が埋めてくれるだけでなく、おつりが

来たため、誰であれそれなりに報われたのだ。

もちろん統計的にはこの20年の中にも、戦後最長の

好景気が含まれているが、実感なき好景気は、

まじめなだけの人までも救うには至らなかった。

そうであれば、現在まじめに頑張っても報われずに

悩んでいる人は多いのではないかと思われる。

そんな人は、この本を読んでみることをオススメする。

それでもなお、まじめに生きていきたいというのも

1つの考え方であるが、少し肩の力が抜ければ、

それもまたこの本の効用ではないだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「まじめの罠」とは何か、そして、なぜ「まじめの罠」はあなたにとって危険なのか(「まじめの罠」とは何か/「まじめに生きる人生」は「幸せな人生」か?)/第2章 あなたが「まじめの罠」にハマってしまうメカニズムを理解しよう(「まじめの罠」を生む外部要因ー日本社会式エコシステムの存在/「まじめの罠」を生む内部要因ー「まじめ」に特化したことによる大局観不足)/第3章 「まじめの罠」の害毒(「まじめの罠」が当事者に与える害毒/「まじめの罠」が社会に与える害毒)/第4章 「まじめの罠」に対する処方箋(失敗を恐れるな/問題設定そのものを疑え ほか)

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2012年1月28日 (土)

川上徹也さんの『あの演説はなぜ人を動かしたのか』を読んでみた

川上さんの『あの演説はなぜ人を動かしたのか』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、直近の小泉・オバマ演説や、有名なケネディ

演説など7人の演説がなぜ人々を動かしたのかを

「ストーリーの黄金律」に従っていたためと分析し、

その構成要素を分かりやすく提示している本である。

具体的な3つの要素は次のとおり。

①何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公
②主人公が何としてもやり遂げようとする
 遠く険しい目標・ゴール
③乗り越えなければならない数多くの
 葛藤・障害・敵対するもの

多くの演説が満足のいかない状況からの叫びを

力としていることは、この本でも紹介されている

キング牧師の名演説を読むと、一目瞭然だ。

小泉純一郎が総理大臣でありながらなお

抵抗勢力の存在を強調した理由も明らかだろう。

英語の苦手な私でも、実際の英語の文章を

読んでみたいと思わせられる3章から7章だった。

具体的な7人の演説は次のとおり。

第1章「小泉純一郎 郵政解散演説」
第2章「田中角栄 ロッキード選挙演説」
第3章「バラク・オバマ 2004年民主党全国大会基調演説」
第4章「ジョージ・W・ブュシュ 9・11直後の演後の演説」
第5章「ジョン・F・ケネディ 大統領就任演説」
第6章「フランクリン・ル―ズベルト 大統領就任演説」
第7章「マーティン・ルーサー・キング 私には夢がある演説」

プレゼンの上手い企業の経営者が注目される時代に

あっては、ビジネスマンにも興味をもって読んでもらえる

1冊であると思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめにー人を動かした演説には共通の法則がある/第1章 小泉純一郎郵政解散演説ーその後四年間の日本を変えた歴史的演説/第2章 田中角栄ロッキード選挙演説ー逆境の時にこそ底力を発揮する角栄節/第3章 バラク・オバマ二〇〇四年民主党全国大会基調演説ー演説の力で一夜にしてライジング・スターに/第4章 ジョージ・W.ブッシュ9・11直後の演説ー低支持率から一気に支持率九〇%へ/第5章 ジョン・F.ケネディ大統領就任演説ー名演説はリンカーンを徹底的に研究して生まれた/第6章 フランクリン・ルーズベルト大統領就任演説ーたった十数分の演説で絶望していた国民に希望の灯を/第7章 マーティン・ルーサー・キング,ジュニア「私には夢がある」演説ーオバマも真似た二十世紀を代表する名演説

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2012年1月27日 (金)

シャーリーン・リーさんの『グランズウェル』を読んでみた

シャーリーン・リー/ジョシュ・バーノフさんの『グランズウェル
ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、現代の消費者がブログやSNSといった

ソーシャルテクノロジーを使って、企業や製品を

語り合い、格付けし、選択している状況について、

世界規模で起きている変化であり、その影響は

すべての産業に及んでいるとしている。

そして、このような状況を形作っている社会現象を

大きなうねりとして「グランズウェル」と呼んでいる。

グランズウェルは人々の生活だけでなく、ビジネスの

あり方にも影響を及ぼしており、企業はその対応

方法を模索している。

では、これからの企業はどのようなグランズウェル

戦略が必要なのだろうか。

1.耳を傾ける(傾聴戦略)
  リサーチや顧客理解を深めるために
  グランズウェルを使う
2.話をする(会話戦略)
  自社のメッセージを広めるために
  グランズウェルを使う
3.活気づける(活性化戦略)
  熱心な顧客を見つけ、彼らの影響力
  (クチコミの力)を最大化するために
  グランズウェルを使う
4.支援する(支援戦略)
  グランズウェル的なツールを用意し、
  顧客が助け合えるようにする
5.統合する(統合戦略)
  顧客をビジネスプロセスに統合する

これからの企業はグランズウェルを使うことによって

顧客との良好な関係を築き、収益を上げ、コスト削減を

実現するのが得策であることがとてもよく分かる。

企業戦略に関わる人は、今でもおススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 グランズウェルを理解する(なぜ今、グランズウェルに注目すべきなのか/柔術とグランズウェルのテクノロジー/ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィール)/第2部 グランズウェルを活用する(グランズウェル戦略を立てる/グランズウェルに耳を傾ける/グランズウェルと話をする/グランズウェルを活気づける/グランズウェルの助け合いを支援する/グランズウェルを統合する)/第3部 グランズウェルで変革を促す(グランズウェルが企業を変える/グランズウェルを社内で活用する/グランズウェルの未来)

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2012年1月26日 (木)

金菱清さんの『体感する社会学』を読んでみた

金菱さんの『体感する社会学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、社会学という学問を通して世の中のウソ・

ホントを疑うことを身につけようという新感覚テキスト。

基本的には社会学者の難しい理論などの紹介はせず

常識から入って、その裏の意味を探ることによって、

社会の姿をもう一度見直すという造りになっている。

細かな問題に対する答えを、すぐには提示せずに

読み進めていかないと、どこに答えが書いてあるか

分からないという構造は悪くないと思うが、欄外の

イラストに答えがあると勘違いしていろいろと探した

挙げ句、答えが見つからないままに消化不良気味で

読み進めた私としては、事前にもう少し説明があっても

良いように感じた。

私は社会学系の本をかなり読んできているので、

すでに知っている考え方もあったが、常識を疑うという

姿勢は、日常を抜け出す感覚があってとても面白い。

これが学問として誰でも触れることができる形である

とするなら、もっと幅広い世界が形成されるのでは

ないかと思う。

自殺者が毎年3万人以上というこの日本の現状は

明らかに異常だと思えるが、それを社会学的に

「社会的事実としての自殺」として捉える視点は

とても貴重なものである。

そして、社会的に解決が図られれば、なお良い。

就職できない若者の多くが能力不足でないように

自殺する人々の多くが能力不足なのではない。

社会が病んでいるときに人々は何をすべきなのか。

常識を疑う社会学とは、実は厳しい問を私たちに

問い続けるものなのかもしれない。

それは他の人もそうしているからというような、

怠惰な姿勢を許さない本当の問題との向き合い方を

私たちに考えさせるものでもある。

面白いだけの入門書ではない、体感することを強いる

興味深い1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
脱常識-社会学って何?/性-男と女の解剖学/悪夢-意図せざる結果/予言-予言の自己実現/魔力-ラベリング/葛藤-ダブル・バインド/演技-役割演技/家-食・結婚・家族/受苦-環境問題と公共性/倫理-自己決定性/法-国・ことば・貨幣/生-死んだつもりせ本気に生きてみる

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2012年1月25日 (水)

ジェイ・エリオットさんの『ジョブズ・ウェイ』を読んでみた

ジェイ・エリオット/ウィリアム・L・サイモンさんの
『ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ジョブズをアップル社内で支え続けた

ジェイ・エリオットさんによって書かれており、

ジョブズを知るうえでは貴重な証言となっている。

ジェイ・エリオットさんは、大学卒業後にプログラマー

としてIBMに入社し、その後、インテルへ移籍。

アップル時代は上級副社長として、人事、施設、

教育などを担当するとともに、ジョブズの直属の

部下として経営計画に参与している。

技術者としてジョブズと対立する立場になかったため

とても冷静にジョブズを眺めることができていて

変にジョブズを奇才として描いていない点がいい。

そして、ジョブズの事業哲学を詳細に分析し、

その生き様を余すところなく活字にしてくれている。

ジョブズ関連の本は、すでに何冊も読んだが、

その中ではジョブズの良い面が描かれていて

読み物としては最も好感が持てた。

ジェイ・エリオットさんの見たジョブズの貫く原則。

・技術的問題点なら、きっと解決できる。
・取り組む以上、どのプロジェクトにも情熱をそそげ。
・チャンスに気づいたら、それを原動力にして、
 そのチャンスを活かす製品をつくれ。
・役に立つ人材をいつでも受け入れられる態勢をとれ。
・直感的な製品に仕上がるように最善を尽くし、
 ユーザーマニュアルが必要なくなるぐらいにせよ。
・自分の製品については、心から正直に向き合え。
・製品が、一個人としての自分や、自分の特徴を
 あらわすように心がけよ。
・部下たちの働きぶりに気を配り、何か一つ
 成し遂げるたびに担当チームを祝福せよ。
・いま実現可能なレベルを超えて、完璧な未来の姿を
 思い浮かべ、その理想に一歩一歩近づくように、
 新しいアイデアを積み重ねよ。
・「それはできない」と言い張る人間に耳を貸すな。

やっぱりジョブズ本は、刺激を受けるし、面白い。

1冊しか読めないと言われたら、今のところはこれ。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 皇帝(製品にかける情熱/成功は細部に宿る)/第2部 人材を活かす術(チームづくりー「海賊になろう!海軍に入るな」/人材の活用/海賊に与える報酬)/第3部 チーム・スポーツ(製品を軸とした組織/勢いを保つ/復活/全体的な視野からの製品開発/新しいアイデアの伝道)/第4部 「しゃれている」を売りにする(気をひくための工夫ーブランドの確立/直販ルートの開拓/「そういうアプリ、あります」)/第5部 ジョブズ・ウェイの学びかた(スティーブに続け)

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2012年1月24日 (火)

勝間和代さんの『つながる力』を読んでみた

勝間和代/広瀬香味さんの『つながる力
ツイッターは「つながり」の何を変えるのか?』を読んでみた

 (5つが最高)

勝間ファンの私でもさすがにこの本を買うことはないと

思っていたけど、遅ればせながらツイッターを始めて

みて壁にぶつかり、この本のお世話になることに。

インターネットで人生を変えるというコンセプトは、

もともと勝間さんの本から得たものだが、それにしても

リターンを得るまでにはなかなか大変なのだという

ことが分かってきた。

この本にもあるとおり、ツイッターをずっと避けてきた

理由は単純に、情報の性質がブログはストックなのに

対して、ツイッターはフローで流れてしまうため。

追っている時間がサラリーマンの自分にはないと考え、

ブログも自分の情報整理の場としてきた。

けれど、意外なところで状況が変わることに。

3.11の震災の際にメールがまったくつながらず、

家族とも連絡が取れないときに、ネットはつながって

いたということを聞いて、SNSもありなのかもと考え始め

実名で登録することが一般的なフェイスブックよりは

匿名でも構わないツイッターでもやってみるかと。

気になる人のツイッターのタイムラインを眺めているうち

自分も話しかけてみたいと、ついに参加を決意。

ところが、話しかけることはあっても、発信する情報が

まったく思いつかない。

しかも、勝間さんがこの本で指摘しているとおり、

次のような課題にぶつかる。

①楽しむにはある程度のITリテラシーが必要
②意外と難しいコミュニケーション

そして何よりも、フォローされないので、つまらない。

対応策もこの本に書かれてはいるが、すぐに効果が

得られるものでは当然ないらしい。

けれど、広瀬さんのゆるーい解説にもあるとおり、

「自分のタイムラインは自分の責任」というのは納得。

誰をフォローするかや、どんな発言をするかで、

フォローしてくれる人も決まってくる。

エロと商品の売込みくらいしかフォローワーがいない

現状だけど、もう少し続けてみるかと思わせてくれる

という意味では、読んで良かった1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1時間目 広瀬香美が教える!ツイッターをはじめよう!/2時間目 勝間和代のソーシャルコミュニケーション論 ツイッターは「つながり」の何を変えるのか?/3時間目 勝間和代が教える!ツイッター・使いこなしの10ステップ 初級編/4時間目 勝間和代が教える!ツイッター・使いこなしの10ステップ 中級編/5時間目 対談:広瀬香美×勝間和代 ツイッター、いったいどこが面白いの!?/6時間目 特別対談:ビズ・ストーン×勝間和代 創業者にツイッターの展望をきく&サンフランシスコ本社訪問レポート

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2012年1月23日 (月)

アラン・ケン・トーマスさんの『スティーブ・ジョブズ世界を変えた言葉』を読んでみた

アラン・ケン・トーマスさんの『スティーブ・ジョブズ世界を変えた言葉』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ジョブズの言葉が各ページに

散りばめられているだけの本だ。

たとえば、次のような言葉たちだ。

『「シンプル」が、私のモットーだ。
それは、「複雑」より難しい。
考えを研ぎ澄ますという
大変な努力を要するからだ。
だが、そうするだけの価値はある。
そこに至りさえすれば、
山をも動かせるのだから。』

『最初に抱く志がいかに結果にとって
重要かが歳を重ねる度にわかってくる。』

『基盤の配列にだって、
企業の美学はあらわれる。
そして優れた企業ほど
美しさについて注意を払っている。』

『ノーと言うことによってのみ、
本当に重要な物事に集中できるのだ。』

『著作権が死に、
特許権が死に、
知的所有権保護が腐ってしまえば、
人びとは投資しなくなる。
そうなった時、得する者は一人もいない。』

最後の章の「競合」の中に出てくる言葉は

とてもスリリングで面白い。

特にマイクロソフトに向けられた辛らつな

言葉の数々は、その後に手を組むことに

なることなんてまったく想像させないほどの

ものだ。

やっぱりジョブズはスマートだったんだと思わせ

られる1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
ビジネス/始まり/イノベーション/競合

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2012年1月22日 (日)

アラン・ケン・トーマスさんの『スティーブ・ジョブズ自分を貫く言葉』を読んでみた

アラン・ケン・トーマスさんの『スティーブ・ジョブズ自分を貫く言葉』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、とても読みごたえがある本である。

と言っても、別に分厚いわけでもなければ、

1ページに細かい字がびっしりと書き込まれて

いるわけでもない。

1行から多くても10行もないジョブズの言葉が

各ページに散りばめられているだけの本だ。

しかし、これが実に心打たれる言葉なのだ。

まさに本物の経営者という感じがする。

たとえば、次のような言葉はなかなか言える

ものではない。

『23歳のときに100万ドル、
24歳で1000万ドル、
25歳で1億ドルの資産を手にしたが、
たいして気にとめたことはない。
金のためにやってきたわけじゃないから。』

日本には金のためだけに会社を経営し、

今では刑事施設に入れられている心貧しき

元経営者もいるが、それに比べると

志(こころざし)の違いが明らかだ。

ジョブズが何を目指したかは、この本を読むと

よく分かる。

要求を突きつけられる技術者は大変だった

だろうが、それに応えてできた製品は素晴らしい。

そして、その製品が支持されたからこそ、

アップルの時価総額は世界一となったのだ。

『誰だって死にたくありません。
天国に行きたいとは思っても、
そのために死のうとは思いません。
それでも、死は私たち全員が共有する
行き先です。誰も逃れられませんし、
それでいいのです。死はおそらく、
生命にとって最高の発明です。』

ジョブズのご冥福を祈るとともに、ジョブズのような

経営者が、また再び現れることを願いたい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
情熱/リーダーシップ/技術/伝説/人生

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2012年1月21日 (土)

池上彰さんの『高校生からわかる「資本論」』を読んでみた

池上さんの『高校生からわかる「資本論」
池上彰の講義の時間』を読んでみた

 (5つが最高)

その昔、吉本隆明や柄谷行人に夢中だったころは

岩波文庫で出ていたマルクスの著作は全て読んだ。

そしてその頃の記憶を頼りに、かつてこのブログでも

『資本論』が一番面白いが、その次はなんと言っても

『ユダヤ人問題によせて ヘーゲル法哲学批判序説』で

三番目が『経済学批判』という順番になるであろうか

などと書いたりしている。

しかし、時は流れて、いつしか生活に追われるだけの

40代になってみると、あの頃の感覚が懐かしい。

私の学生時代には、周囲にマルクスなど読む者はなく

「左翼」も「サヨク」として、活字の中にしかなかった。

大江健三郎を読み解くために、いろいろと本は読んだが

その主張するところに、全面的に共感するまでには至ら

なかった。

吉本隆明や柄谷行人の著作に関しても、なぜマルクス

から語り始めなければならないのかを本当には理解

していなかったと思う。

何か重要なことを言っているのだろうということは

感じるが、マルクスの主張する資本主義の問題点の

多くが現実には克服されつつあるように見えた。

その克服の過程には当然マルクスの指摘を受けての

共産主義の影響があったことだろう。

しかし、もっとも成功した共産主義的資本主義国の

日本にあっては、マルクスの問題提起はすでに

解決されたものとみなされてきた。

けれどもここに来て、再び資本主義に多くの問題が

あることが分かってくると、マルクスを見直す機運が

出てきた。

そこで分かりやすい解説で定評のある池上彰さんの

『資本論』の解説本の登場ということなのだろう。

高校生から分かるというシリーズの趣旨もあり、

語り口も具体例もとにかく分かりやすい。

たとえば、『資本論』の要約は次のとおり。

『人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、
労働力を買い入れて労働者を働かせ、新たな価値が
付加された商品を販売することによって利益を上げ、
資本を拡大する。資本家の激しい競争により無秩序な
生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。
労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の
仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、やがて
革命を起こして資本主義を転覆させる。』

では、マルクスが考えていた革命とはどういうものかと

いうと、マルクスが書いた『共産党宣言』を読むと、

共産党が革命を起こしてまず一番最初に獲得すべき

ことは、それは民主主義だ、と書いてあるという。

当時の社会主義革命とは、自分たちが選挙で代表を

選ぶ民主主義を獲得することだったのである。

今なら、この解説は受け入れられやすいと思う。

そして、『資本論』は、資本主義のマイナス面の指摘

だけではなく、資本主義そのものの分析としても優れて

いたことを池上さんは解説している。

商品に価値を付加するのは労働であり、労働には

必要労働と剰余労働がある。

その剰余労働が資本家に搾取されているわけだが、

この剰余労働こそが社会を豊かにしてきたことを

考えると、この富は誰のものかと考えることが必要だ。

また、剰余労働が剰余価値を生み出すのだが、

剰余価値には絶対的剰余価値と相対的剰余価値が

ある。

絶対的剰余価値は労働時間を延ばすことによって増え、

相対的剰余価値は生産力を高めることによって増える。

だから資本家はより多くの剰余価値を得るために

労働者のことなんか考えずに、とにかく労働時間を延ばし

生産力を高めようとする。

このことが資本主義の問題なのだということを池上さんは

上手く説明している。

そして、残念ながらマルクスは上手く説明し切れていない。

とにかくマルクスの書く文章が分かりにくい。

昔はこれがありがたかったのかもしれないが、今では

何のためにこのような分かりにくい文章なのか理解でき

ない。

いろいろな必要があってマルクスを読み返さなければ

ならなくなった私にとっては1冊目としては、とても参考

になった。

また分からなくなったらこの本に返ってこようと思うほど

の良書である。

その昔マルクスに挫折してしまった人も、これから

新たにマルクスを読もうとしている人にも、ぜひ

オススメの1冊です。

【目次】(「BOOK」データベースより)
『資本論』が見直された/マルクスとその時代/世の中は商品だらけ/商品の価値はどうやって測る?/商品から貨幣が生まれた/貨幣が資本に転化した/労働力も商品だ/労働力と労働の差で搾取する/労働者はこき使われる/大規模工場が形成された/大規模な機械が導入された/労働賃金とは何か/資本が蓄積される/失業者を作り出す/資本の独占が労働者の革命をもたらす/社会主義の失敗と資本主義

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2012年1月20日 (金)

チャールズ・エリスさんの『敗者のゲーム』を読んでみた

チャールズ・エリスさんの『敗者のゲーム
原著第5版 金融危機を超えて』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、これから投資を始めようとしている人の

ための本です。

『長期投資の明確な目的を設定し、その目的を
実現するために合理的かつ現実的な投資政策を
選択したうえで、その政策を自己規律を持って、
忍耐強く、しっかり貫いていくことである』

個人投資家のための十戒
①貯蓄すること。そして貯蓄したものを、将来の幸せ
 と安定、子供の教育のために投資をすること。
②相場の先行きに賭けてはいけない。どうしても
 相場を見ながら売買しようというなら、プロを相手
 にしていることを自覚すべきだ。
③税務上有利という理由で動いてはいけない。
④自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。
⑤商品取引は考えものである。
 コモディティ取引は、価格変動の投機にすぎない。
⑥証券会社の担当の人に気をつけなさい。
 彼らの仕事はあなたを儲けさせることではなく、
 あなたから儲けることなのだ。
⑦いわゆる新金融商品に投資してはならない。
⑧元本、利息が安全だとか、リスクが少ないという
 理由だけで、債券に投資してはいけない。
 債券は、長期投資にとって真のリスクである
 インフレに弱い。
⑨長期の投資目的と投資方針、資産計画を文書に
 して書き出し、それに沿って行動すること。
⑩直感を信じて投資してはいけない。

今回は第5版であるが、第1版のときからとても

参考になる良書である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 まず資産運用で押さえるべきこと(敗者にならないゲーム/それでも市場に勝ちたいのなら ほか)/第2部 運用を少し理論的に見てみよう(「時間」が教える投資の魅力/収益率の特徴と中身 ほか)/第3部 個人投資家への助言(市場予測の難しさ/個人投資家にとっての課題 ほか)/敗者のゲームに勝つために/付録 運用機関との上手な付き合い方

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2012年1月19日 (木)

佐藤孝幸さんの『出世するなら会社法』を読んでみた

佐藤さんの『出世するなら会社法』を読んでみた

 (5つが最高)

出世するのに会社法が必要だなんて私は思わないが

出世した人が会社法について、ちょっと学んでみようと

いうときには、このような本が興味深く読めるのかも

しれないとは思う。

また、会社を自分のものだと勘違いしている経営者や

株主のものだと主張して強引なリストラを正当化する

頭の弱い人には、本書にあるような「株主」の理解は

きわめて有用だと思う。

この本では、「株主」とは、株式会社の所有者ではなく、

「株式」の所有者であって、株主が会社に対して持って

いる権利は所有権ではなく、株主権という特別な権利

であるとしている。

そして、株主平等の原則に触れた後、示される例外は

この本らしい明快さで、特に参考になる。

『株主平等の原則の例外が許されるケース
 ・株主優待制度
 ・敵対的買収によって会社の企業価値が毀損され、
  会社の利益・株主の共同の利益が害されることに
  なるような場合に、その防止のために特定の株主を
  差別的に取り扱う場合』

また、少数株主の権利に触れた後、その保護の限界と

して示される方法は、最近多くなったMBOなどでも利用

されるようになる方法なのかもしれない。

『少数株主保護の限界
 TOBなどにより3分の2以上の株式を取得した
 多数株主による以下のケース
 ・株式交換の際、交換比率を調整することで少数
  株主には親会社株式の端数を現金で交付する
  ことで締め出す
 ・普通株式を全部取得条項付種類株式にしたうえで、
  株式の取得に際し、少数株主に対価として交付する
  株式が1株未満となるように調整することで、少数
  株主には現金を交付することで締め出す』

とにかく薄いので、会社法に興味がある人には、

どこからでも気軽に読み始められるので楽しいだろう。

ただ、細かな条文を知りたい人向けではない。

【目次】
第1章 役員になることは会社人生のゴール?
第2章 なぜ株主総会では社長が株主に叱られるのか?
第3章 一寸の虫にも五分の魂
第4章 ワンコイン起業の行く末
第5章 親はなくとも子は育つ
第6章 ブルドックソース事件の謎
第7章 新株発行と株価の怪しい関係
第8章 会社の命が尽きるとき

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2012年1月18日 (水)

久米信行さんの『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』を読んでみた

久米さんの『考えすぎて動けない人のための
「すぐやる!」技術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、とにかく「すぐやる」ための行動を促す

本である。

ひとつひとつの細かなテクニックやノウハウは

実際に本を読んでもらうとして、まず雑感から。

久米さんは結局、「見る前に跳ぶ人」が勝っている

ということを書いているが、私はこのことにずっと

抵抗があった。

「あれこれと考えて悩む前に行動するタイプ」が

決して良いとばかりは思えなかったからだ。

ただ、考えすぎてしまう人へのアドバイスである

ときのみ、効力を発揮すると私などは限定的に

この言葉を解釈してきた。

しかし、時は流れて、多くの人が行動しなくなって

しまってみると、見る前に跳ぶというのは、また

違った意味を持ってくるのかもしれない。

私がこの言葉に初めて出合ったのは若い頃に

読んだ大江健三郎さんの小説のタイトルで、

『見るまえに跳べ』というものだった。

自分はそのような無鉄砲さとは無縁だったけれど

仕事において「すぐやる」ということだけは先輩から

何度となく教えられたおかげで、今に至るまで

あまり苦労することがない。

ただ、最近少し思うことは、歳のせいか新しいことに

取り組むことが面倒になってしまっている自分がいる。

何かを新たに始めるとき、もし大物に会わなければ

いけない場面が来たら、次のことを思い出したい。

「本物の大物が持つ7つ資質」
1.年齢・性別・地位・役職を気にせず、
  その人の本質を評価する
2.しっかり事前準備をしていて、
  結論や論旨が明快な人を評価する
3.自分の地位よりも、理念や本質を
  理解してくれる人を評価する
4.夢、理念、情熱を持って、
  熱く語れる挑戦者を評価する
5.どんな話であっても新味と誠意が
  あれば耳を傾けてくれる
6.取巻きの多さと比例して孤独で、
  心通う友や弟子を求めている
7.心に響くお礼ブログやお礼状を出せば、
  返信をいただける

本物の大物は実際にはあまり多く存在しないが、

そういう人でなければ会う価値もない。

いろいろと考えさせられる良い本である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 相手の懐にすぐ飛び込む!(自分から率先して声をかけられない/いきなり電話をかけられない ほか)/2 周りを気にせずにすぐやる!(真っ先に手を挙げられない/最前列に座れない ほか)/3 失敗を怖がらずにすぐやる!(一度失敗するとあきらめてしまう/一気に加速できない。ブレーキをかける ほか)/4 「自分」に負けずにすぐやる!(プレッシャーに負けてしまう/段取り通りに実行できない ほか)

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2012年1月17日 (火)

永守重信さんの『「人を動かす人」になれ!』を読んでみた

永守さんの『「人を動かす人」になれ!』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、日本電産の永守さんが1998年に出版した本

であるが、まったく古さを感じさせない名著である。

とにかく、激烈な人という印象で、リーダーとしては

スゴイ人だと思う反面、このような人の下では自分は

やっていかれないだろうと思う。

それでもなおこの本は、紹介せずに内緒にしておきたい

くらい良い本である。

このような本からある部分だけを取り出せば、当然ながら

印象が異なってしまうことを承知で、あえて抜き出すと

次のとおり。

『わが社では、勤務時間内は原則的にプライベートな
会話をすることを禁じている。減点主義ではないので
罰則は何もないが、普段から仕事のプラスになる話
以外は、休みの時間か仕事が終わってからにするよう
にと、口を酸っぱくしていっている。世間の人は奇異と
感じるかも知れないが、これは至極当然、当たり前の
ことである』

『私にとって二番というのは一番の次ではなく、ビリの
方に近く、三番ならビリと同じで、何の価値もないと
考えていた』

『人を動かす人間に土日も盆も正月もない』

『人望を得るために絶対必要な五つの条件
1.ギブアップしない
2.陰で人の悪口、特に部下の悪口はいわない、
  いわせない
3.ごまかさない
4.正論、すなわち理詰めで部下を追い込んでいかない
5.休まない』

『自信をつけた者は「踏みつけ、」
 自信のない者には「感動」を与えよ』

『求められる人材の五つの究極的条件
1.野心のある努力家
2.プライドのある情熱家
3.やり抜くネアカ
4.負けず嫌いの耐心家
5.経営感性を持つ細心家』

『叱る場合のルール
1.最低でも叱った三倍はアフターケアをすること
2.叱ったことはすぐに忘れること
3.「辞めてしまえ」「辞めます」という言葉だけは禁句』

『経営者は結果(数字)がすべてだし、ムリ、ムダ、
ムラは徹底的に取り除いていかねばならない。だが
人は違う。結果だけから正否は判断できないし、
人に関するかぎり「ムダ」という言葉はない。
たとえ100人のうち一人でも変わってくれる可能性が
あるのなら、その100人全員にやれることはすべて
やってみるというのがわたしの信念である。』

こうやって並べてみると、ただ猛烈社長という感じだが

本当の良さは実際に本を読んでもらえばスグ分かる。

そして、本を読んだ人なら、ここに抜き出したものが

どんな基準で選ばれているかも分かるはずである。

経営者や人を動かす立場にない人も、ぜひ1度は

読んでもらいたい1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 「一番以外はビリと同じ」と考えろ!/1章 「人を動かすのがうまい人」のこのやり方/2章 指示の出し方-何をどう話すか/3章 叱り方、褒め方1-人を動かすこのノウハウ/4章 可能性を秘めた人間を見抜く、育てる/5章 女性、中途採用-相手によって手法を変えろ!/6章 叱り方、褒め方2-“部下”を動かすこのルール/7章 理屈で人は動かない!だから-/8章 リーダーの敵は、妥協である/9章 組織を動かす人が絶対知らなければならない「考え方」/10章 1回でダメなら、20回続けよ

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2012年1月16日 (月)

北野充さんの『ビジネスパーソンのためのツイッター時代の個人「発信」力』を読んでみた

北野さんの『ビジネスパーソンのための
ツイッター時代の個人「発信」力』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、外務省アジア大洋州局審議官が提案する

個人による「発信」力強化のためのアドバイス集である。

パーソナル・ブランディングによって大きな差がつくと

言われる時代に生きるビジネスパーソンのために、

仕事・趣味両面に活かせる個人としての発信を考える

とても興味深い本である。

特に私のようにツイッターでつぶやいても誰も関心を

持ってくれないビジネスパーソンが、何を発信して

いけばよいのかを具体的に掘り下げてくれている。

まず、なぜ発信が必要なのか。

①発信で人生が変わる。
②発信は、仕事関連かプライベートかという軸と、
 発信する相手と自分との距離の軸によって、
 4つのタイプに分けられ、それぞれに特徴と
 意味がある。
③発信には「内的な意味」と「外的な意味」があり、
 「成長」と「自己アピール」のメリットがある。

次に、発信をする時に考えておくべきこと。

①読む人に何か役に立つ情報があるだろうか。
②読む人を元気にするだろうか。
③コミュニティの議論を深めるのに役立つだろうか。

そして、発信をするには自分のフレームワーク

(ものの見方)を持つことが大切になってくる。

そこで、フレームワークを作る5つのノウハウ。

①重要な事項を絞り込む
 何がもっとも重要なことかを絞り込むことで
 物事がシャープに見えてくる。
②分類する
 2×2マトリックスで分類し、自分の発信したい
 メッセージを明確にする。
③関係を整理する
 複数の要素をとり出し、その関係を整理する。
④時代区分をする
 変化したこと、変化していないことを明らかにする。
⑤因果関係を考える
 「なぜそうなったのか」「なぜそうなのか」を
 突き詰めて考える。

ブログは自分の備忘録的に使っているが、

ツイッターを始めてみると「発信」の難しさに

気付かされる。

この歳になって、人に無視されるのは辛いし、

新たな関係を結ぶのにも抵抗がある。

ツイッターの使い道に困っていた私にとっては

考え方の軸を提供してもらった1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ発信か?(発信で人生が変わる/発信の四つのタイプ/発信で何が得られるのか? ほか)/第2章 発信をどうやって始めるか?(発信に対する「ためらい」三つのタイプ/ためらい・1「自分の中には発信に値するものはない」?/ためらい・2「もっと準備をしてから」?/ためらい・3「今に満足しているので発信する必要はない」? ほか)/第3章 発信をどのように効果的に行うか?(ウッフィーを意識し、国際会議のノウハウを活用して発信する/フレッシュな情報を伝える/意見を述べてコミュニティに貢献する ほか)/第4章 発信の中身をどう充実させるか?(発信するとはどういうことか?/どこに、自分の「ステーション」を置くか?/関係性(レレバンシー)の高い情報をインプットする ほか)/第5章 発信を有効に活用する(発信をいかに活用するか?/発信でパーソナル・ブランディング/発信で世の中の新しい動きに参画する ほか)

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2012年1月15日 (日)

村田昭治さんの『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』を読んでみた

村田さんの『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1998年に発行された村田昭治さんの

慶應義塾大学での最終講義録である。

内容は非常に分かり易い言葉で書かれているが

とても深みのある話の数々で、マーケティング論

の基礎を習得することができるだけではなく

若い人に向けたメッセージが愛情にあふれている。

たとえば、話の展開はこんな感じ。

これからの企業にとって大切なことは3つある。

1つ目は「変革への意欲」。

2つ目は「市場志向」。

3つ目は「専門性」。

これに対して若者へのキーワードは3つ。

1つ目は「選択」。
 情報選択が自分でできるように。
 流される気持ちを自ら断ち切って、独立自尊。
 自分を見つめながら考えてみる。
 自分が変革に満ちる人間であり得るのかどうかと。

2つ目は「学遊」。
 学んで遊び問題意識を広げる。
 複雑系人間になれ、コンプレックス人間になれ。
 そうすればおのずからグローバル化する。

3つ目は「ブレーン・ワーク、ネットワーク、
フットワーク」。
 頭を働かせること。
 いろいろな人とつながりをつくること。
 自ら動いて現場をとらえること。

これらを実現するためには、お金も少しいる。

『ご両親が健在だったら、骨の髄までしゃぶり抜け。
学生時代はフットワークがある時期だから、
できるだけ自分で仕事しないで、それを使いまくれ。
もちろん、できる範囲ということです。そうすると、
問題意識は広がり、遊びは広がって、好奇心で
行動する。それで将来大きな花が咲きますね。
自分が儲けた金は使いにくいが、人が稼いだ金は
使いやすい。痛みがわかっていないからこそ
どんどん使える。それでいいんですよ。
 とにかく気取らない、建前で生きないということが
人生だろうと思います。そういう自由奔放な生き方を
君たちにしてもらいたい。そうしたら、将来、輝くような
まさに宝石人間になります。それが私のみなさまへの
お墨付きであります。お墨付きを与えたからには、
何かやってほしい。お墨付きを裏切らないでほしいと
思います。』

こんなことが言える人が、今の大学にどれくらい

いるんだろうか。

マーケティングのノウハウだけではない、ゼミの良さを

十分に伝えてくれる1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
ドリブン・マイセルフ/マーケティングの着想/二十一世紀のグランドデザイン/変革への意欲は価値創造/さわやかさ-若さ、知性、美を求める時/ソーシャル・マーケティング/シェア競争と「居心地」のライフスタイル/いま、人も企業もチャームの時代/クオリティーとは何か/企業経営に人間が問われている〔ほか〕

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2012年1月14日 (土)

神田昌典さんの『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』を読んでみた

神田さんの『60分間・企業ダントツ化プロジェクト
顧客感情をベ-スにした戦略構築法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、「スター戦略構築法」と呼ばれる独自の手法を

その6つの要素である「商品」「顧客」「競合」「収益シミュ

レーション」「タイミング」「メッセージ」を順番に解説して

いくというものである。

まず、戦略とは何なのかを明らかにするため4つの条件

について論じるところから始められている。

①戦略とは、順番である
②戦略は見えない。戦術は見える
③戦略とは予測力である
④戦略は圧倒的強さである

そして、「商品」についての章では、現在は事業及び

商品のライフサイクルが短命化している結果、どの企業も

成長カーブの上でどこにいるかを把握しなければならない。

もし、自分のビジネスが成熟してしまっているなら、

次のような対策が有効であるとされる。

①専門化する
②より速く商品(またはサービス)を提供する
③パッケージ商品を販売する
④成長している媒体に乗る
⑤ナマケものの欲求を満たす
⑥コストを大幅削減する
⑦こだわり商品に特化する
⑧社会的ミッションを持った会社を作る

2番目の「顧客」の章では、顧客が行列をなす秘訣として

次のことを挙げている。

・顧客を選ぶ会社は、顧客に選ばれる
・顧客を選ばない会社は、顧客にも選ばれない

3番目の「競合」の章では、最強の競合戦略とは

戦わずに済むようにすることであり、戦った場合にも

泥沼にはまらないように策を練ればよく、次の4つの

側面から戦略を考えることが必要である。

①市場攻略の難易度(とぼけた市場を探す)
②顧客視点から見た自社(または自社商品)の優位性
③価格コミュニケーション(価格の明朗性・妥当性)
④参入障壁と撤退障壁

4番目の「収益シミュレーション」の章では、

収益を上げるために粗利に注目している。

無借金経営をするための2つの目安は次のとおり。

①頻繁なリピート購買が期待される商品の場合、
 粗利率は7~8割以上なければならない。
②頻繁なリピート購買が期待されない商品の場合、
 初回購入の粗利額は10万円以上なければならない。

5番目の「タイミング」の章では、購買決定プロセスと

販売プロセスを一致させることによって成約率を

高める方法が紹介されており、

6番目の「メッセージ」の章では、行動するメリットを

感じさせる方法や行動しないデメリットを感じさせる

方法が紹介されている。

どちらかと言うとビジネスマン向けの戦略思考と

いうより、起業家向けの戦略思考という感じだが

とにかく読んで面白いし勉強になる。

起業家が考えるべきことが分かると、ビジネスマンも

何を考えるべきなのか分かるようになっているのが

この本が多くの人に支持されている理由なのでは

ないだろうか。

【目次】
第1章 戦略は足し算ではなく、掛け算から生まれる
第2章 未来を予測する経営者
第3章 「経営なんて簡単なのに、なんでみんな成功しないのかなぁ」
第4章 理想の顧客に出会う方法
第5章 愚者は俺ならできると考える。賢者は愚者でもできることをやる
第6章 ビジネスは大人が遊ぶ数字のゲーム
第7章 害虫になるか、それとも天使になるか?
第8章 購買意欲をシステマチックに高める方法
第9章 ヒラメキは、集中した思考の後に降ってくる

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2012年1月13日 (金)

神田昌典さんの『非常識な成功法則』を読んでみた

神田さんの『非常識な成功法則』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、お金と自由をもたらす8つの習慣について

一見すると非常識であっても、短期間で確実に成功

したいのであれば、取り入れるべきであるということを

明らかにしている実践するための本である

まず、初めにやることは、目標を紙に書くこと。

とにかく紙に書けば実現するというところから始まる。

そして、その目標を明確にするため、次にやることは

「やりたくないこと」を1枚の紙に書き出すこと。

これで逆に「やりたいことが」明確になり、

目標を紙に書けるようになる。

紙に書くことで、後は脳のメカニズムにより、

自動的に実現に近づく。

さらに効果的にするには、夜寝る前と朝起きたときに

目標を書いた紙をボヤ~っと眺めて自分を催眠術に

かけるということ。

ここでのポイントは、目標設定するときにポジティブな

表現で、「私は○○する」「私は○○なる」「私は○○

できる」というような現在形を使うこと。

そして、目標を眺めながら、ニタニタすること。

さらに、習慣化するには、書いた目標をいつでも

取り出しやすい形にまとめておくこと。

目標の形式は、SMARTの原則によること。

Sは、Specific 「具体的である」
Mは、Measurable 「計測ができる」
Aは、Agreed upon 「同意している」
Rは、Realistic 「現実的である」
Tは、Timely 「期日が明確」

このような目標を設定すると、途中で挫折する

ことがなく、達成しやすいとのこと。

目標を毎晩10個書くようにすると、目標の達成を

さらに確実・短期間化できる。

そのときには、どんな小さな行動でもいいから、

行動できることを書くことが重要である。

では、どのような行動から始めるかであるが、

まずは自分に都合のいい肩書きを持ったり

服装などの外見を変えてセルフイメージを変える

ことから始める。

次には、フォトリーディングなどでとにかく情報収集。

営業マンであれば、殿様セールスも参考になる。

そして、お金に対する罪悪感を失くすことから始める。

お金をコントロールするための原則は、次のとおり。

①お金に対する罪悪感を持たないこと
②自分の年収は、自分で決めること
③お金が入ってくる流れをつくること
 出て行く流れを作ってはならない

日本人は、まず①が難しいが、私は常に③の逆を

やってしまうので、注意が必要だ。

最後の「成功のダークサイドを知る」は、神田さんの

『成功者の告白』の方が詳しく書いてあり参考になる。

結局は、自分を信じて行動する以外にないという

ありふれた結論こそが、いつまでたっても何もしない

大勢の人への成功するためのメッセージなのかも

しれないと思わずにはいられなかった。

年収を10倍にするという勝間和代さんの原点は

神田さんのこの本にあるということがよく分かる

おススメの1冊である。

【参考文献】
『ロバート・アレンの実践!億万長者入門』 フォレスト出版
『頭脳の果て』 ウィン・ウェンガー&リチャード・ポー きこ書房

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 成功は「悪の感情」から始まる
第1の習慣 やりたくないことを見つける
第2の習慣 自分にかける催眠術
第3の習慣 自分に都合のいい肩書きを持つ
第4の習慣 非常識的情報獲得術
第5の習慣 殿様バッタのセールス
第6の習慣 お金を溺愛する
第7の習慣 決断は、思い切らない
第8の習慣 成功のダークサイドを知る

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2012年1月12日 (木)

神田昌典さんの『全脳思考』を読んでみた

神田さんの『全脳思考 結果と行動を生み出す
1枚のチャート』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、シンプルな1枚のチャートを使って全脳思考を

引き出すことにより「行動する思考」、「結果を出す思考」

が身につけられるように意図して作られている。

ただ、459ページにもなる神田さんのマッケターとしての

10年間の集大成らしく、チャート以外の記述も良かった。

具体的に参考になった点は次のとおり。

1.勝間和代さんはフレームワークを知っていると
  誰でも上手く仕事がこなせるように書いていたが
  神田さんはフレームワークについては否定的。

2.フレームワークは本来、経営者または経営幹部に
  向けて、学者やコンサルタントが戦略を提案する
  ためのもの。営業や社内での提案には問題がある。

3.知識社会においては、フレームワークによって
  情報が整理しやすい市場はそれだけで魅力に
  乏しいということ。また、フレームワークを使う
  分析により、発想に旧来の枠をはめてしまい
  かねない。

4.不況下の消費パターンは、進化している。
  生活付加価値型【「おいしい生活」消費】→
  自己顕示型消費(前期)【バブル消費】→
  自己顕示型消費(後期)【セレブ消費】→
  自己投影型消費【物語消費】

5.営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則
  ①指名検索
    購入を判断する真実の瞬間には検索がある
  ②検索を促すネーミング
    記憶に残るようなネーミングが必要
  ③自己投影型消費を支える物語
    商品が持つ物語は買い手が自己投影できる
  ④物語のスムーズに入り込める導線
    背景にある物語を「答え」として引き出す
    「問い」となるネーミング
  ⑤サブエピソードを共有する場
    「場」に触れた買い手は購入に向けて
    期が熟したときに衝動的に指名検索する

6.CPS(クリエイティブ・プロブレム・ソルビング)
  『頭脳の果て』の著者であるウィン・ウェンガー博士
  が考案した創造的問題解決手法
  CPSはコンセプトメイキングに使えるだけではなく、
  ビジネスにおけるあらゆる問題解決に有効。
  困難な問題に対する答えは考えられなくても、
  質問だけであれば、われわれはいくらでも思いつく。
  そして、とにかく質問さえ思いつけば、偶有性により
  脳は集中・フル回転し、解決への一歩を踏み出せる。

7.ロジカル思考は収束思考であり、様々なアイデアの
  中から、現実的な問題解決策を見出すのに有効。
  CPS(イメージ思考)は拡散思考であり、現実的か
  どうかを問わず、様々なアイデアを出す際に有効。
  ロジカル思考とイメージ思考を統合することにより
  問題解決はよりスムーズになる。

結局のところ、イメージ思考に良い点は多く、今後は

ますますイメージ思考の重要性が増していくと思うが

状況によってはロジカル思考が上手く機能することも

あるので、統合することが大切ということ。

クリエイティブでない仕事は、どんどん発展途上国の

低賃金労働者やコンピュータに代わられてしまう。

日本で今までのような高い賃金を維持しようと思う

ならば、自分の仕事をもっとクリエイティブに

変えていかなければならないということだろう。

管理部系の人間にとっては、難しい課題である。

今後の仕事に役立つエッセンスが満載の良書。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 見えない、触れられない、感じられない世界で/第2章 論理的に正しい提案は、なぜ実行されないのか?/第3章 営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則/第4章 全脳思考モデル─クイック・スタート/第5章 発想・行動・結果を生み出すストーリーの法則/第6章 行動するための、ロジカル思考とは?/第7章 行き詰まりを突破するCPS(クリエイティブ・プロブレム・ソルビング)/第8章 社会変革のためのマーケティング

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2012年1月11日 (水)

神田昌典さんの『成功者の告白』を読んでみた

神田さんの『成功者の告白 5年間の起業ノウハウを
3時間で学べる物語』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、起業によって成功した者も家庭で問題を抱えて

いることが多いのは企業の成長シナリオにはある一定の

展開パターンがあるからだということを小説形式で分かり

やすく伝えてくれている。

ここには通常の成功物語にはない裏側で起きる問題も

まとめて書かれていて、それが表裏一体であることが

示されている。

神田さんにも実際に起こった様々な問題がモデルとして

使われているが、最後はほっとする終わり方である。

内容は、神田さん自身のエピローグによると次のとおり。

第1章
成功に向かって、1歩を踏み出しはじめる。この時期は、
仕事は辛く、家庭は円満。
第2章
成功に向かって見事、離陸。この時期は仕事は好調、
家庭で歪みが出はじめる。歪みは家庭のいちばん弱い
ところ、とりわけ子供を通じて現れはじめる。
第3章
成功の最終目標への分かれ目。この時期は仕事は
好調だが、人間関係で問題が勃発。家庭は、お互い
期待をしないことでバランスをとる諦めムード。
第4章
仕事と家庭のバランスの回復。仕事においては人を
指導する立場への脱皮。家庭においては主導権争い
から相互依存への進歩。

物語のところどころにメンターの様々な理論が紹介されて

いるが、中でも桃太郎の鬼退治の物語を会社経営に

なぞらえた話はとても興味深かった。

そこでは、桃太郎が鬼退治というアイデアを思いつく

起業家であり、犬は主人に忠誠を尽くす実務家、

サルは知恵の象徴である管理者、キジは愛と勇気の

象徴であるまとめ役ということになる。

そのほかにも、役立つ考え方が満載である。

この本を読むと、それまで遠い存在であったカリスマ

コンサルタントが、少し身近に感じられる。

起業を目指している人だけでなく、仕事と家庭に

かかわる全ての人に読んでもらいたい良書である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 見せかけの成功物語
第2章 幸福と不幸の狭間で
第3章 優しさの罠
第4章 成功の果てに…

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2012年1月10日 (火)

神田昌典さんの『あなたの会社が90日で儲かる!』を読んでみた

神田さんの『あなたの会社が90日で儲かる!
感情マーケティングでお客をつかむ』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ショッキングピンクというドギツイ表紙だ。

神田さんの本でなければ、ちょっと手に取らなかった。

内容は、感情マーケティング(エモーショナル・

マーケティング)という魔法(ノウハウ)のような理論

を実際のダイレクトメールの文面などの事例を紹介

しながら分かりやすく解説してくれている。

広告の文面を変えることにより、追加費用をかけず

集客力をアップするということに始まり、

「いますぐ客」だけでなく「そのうち客」も集めて育てる

手法は営業マンであれば、試す価値大だと思う。

私も以前、広告の反応率というのを教えられ

本当にそのような反応率になるか分からないながらも

大量の広告を撒いては、お金をドブに捨てていた

経験を持っているので、通常の広告に関する記述には

とても納得させられた。

その上で、感情マーケティングというものを見てみると

試供品の無料提供など、とにかく反応率を上げる

まず初めの一歩を踏み出させる手法は合理的だ。

反応を誘発する2つのキーワードは、「認知的不協和」

と「緊急性」で、感情のバランスを崩し、今すぐの行動を

促す、実に上手いやり方だと思う。

そして、ニーズ(必要性)とウォンツ(欲求)による

分析法から売れる位置づけへと商品を引上げる。

いつまでも常識的な広告に頼っていては、

今の時代なかなか売り上げは上がらないということだ。

会計や経済を中心にビジネス系の自己啓発本を

読み漁ろうと考えていたが、マーケティングの本も

対象に入れて勉強してみたいと思い始めている。

そういう意味でも、きっかけを与えてくれるいい本だ。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なぜ悪徳業者が儲かり、正直者は失敗するのか?(悪徳業者が栄える時代なのか?/「真面目」と「儲かる」の相関関係はない ほか)/第2章 元エリートの告白─エリートは、こうしてあなたを罠にかける(エリートが、叩き上げ経営者をダメにする/一流コンサルタントの実力はお粗末 ほか)/第3章 エモーショナル・マーケティングの魔法(奇跡は、こうして起った/広告宣伝の反応を飛躍させるカギとは? ほか)/第4章 お客が自動的に生み出されるシステム(お客を、あなたに引き寄せる設計図とは?/お客を導くための、設計図の三大ポイント ほか)/第5章 あなたの会社を高収益企業に変える九〇日(あなたとの対話─いますぐできること/なぜ、あなたの業界にも、当てはまるのか? ほか)

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2012年1月 9日 (月)

小宮一慶さんの『ぶれない人』を読んでみた

小宮さんの『ぶれない人』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ぶれない人として、信念を貫く人を挙げている。

ビジネスの世界では、私利私欲を求める人ではなく、

まずはお客さまを第一に考え、本当にお客様にとって

良い商品やサービスを提供し続ける人のことである。

けれど、多くの人は、目先の利益にとらわれてしまい、

その信念が簡単に揺らいでしまうのが普通である。

長年コンサルタントとして経験を重ねてきた小宮さんは、

信念を貫く人ほど長期的には成功を収めていると言う。

では、どうしたら、ぶれない人になれるのだろうか。

小山さんはヒントは歴史上における偉大な人物の

生き様や、論語、仏教聖典、聖書をはじめとする

優れた書物にあるのではないかと言っている。

そして、この本の中で小山さんが紹介している人物は

歴史上の人物に限定せず多岐にわたっていて面白い。

たとえば、小宮さんが人生の師と仰ぐ長野県篠ノ井に

ある曹洞宗の円福寺の故・藤本幸邦老師や、

渋沢栄一、松下幸之助、西郷隆盛、上杉鷹山、

森信三、安岡正篤、なんとウォーレン・バフェットまで。

それぞれ参考になるが、印象に残った言葉は次のとおり。

『欲は、エンジン。理性は、ハンドルとブレーキ』

『利をもって利とせず、義をもって利とす』

『私利私欲をなくせ』

『信念を持たなければ成し遂げられないことがある』

『為せば成る 為せねば成らぬ 何事も
 成らぬは人の 為さぬなりけり』

企業の事例から論語まで、幅広い例をとりながら

ぶれない信念を貫く大切さ、正しい考えをもつことの

大切さを伝えてくれている。

「このままでいいのだろうか」と自分の道に迷っている

私のような人にオススメの一冊であった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 ぶれないための正しい考え方(正しい生き方、正しい考え方/正しい考え方があれば強く生きていける ほか)/第2章 信念のある人になるために(正しい考え方は、信念へと高まる/信念のある人は、行動に移す ほか)/第3章 会社として、社員としての正しい考え方(会社にとって、社員にとっての正しい考え方/原点に立ち返れば見えてくる ほか)/第4章 正しく生きるために(目の前のことに全力を尽くす/基本をおろそかにしない ほか)

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2012年1月 8日 (日)

見城徹さんの『憂鬱でなければ、仕事じゃない』を読んでみた

見城徹/藤田晋さんの『憂鬱でなければ、仕事じゃない』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、新入社員というよりは、私のように中年になり

仕事よりも家庭が大事とたるんできた人間にとってこそ、

面白くかつ刺激的な1冊である。

特に「仕事は楽しくやりたい」ということがモットーの

私には、見城さんの仕事への取り組みは古臭く感じ

られる一方で、本物の仕事をしている人の厳しさが

伝わってきて、読み物としては良かった。

ただ、こんな人が自分の上司だったら仕事は憂鬱だろうな

とも思った(笑)。

けれど、よく考えれば私もその昔、このような上司に

1つ1つ仕事を教わったからこそ、たるんでしまった今でも

それなりに仕事がこなせてしまっているのも事実なのだ。

そう考えると若くして会社を上場させた藤田さんは

見城さんのような上司を持たなかった分、苦労した面も

あったのだろうということが容易に想像がつく。

今では美男美女の新卒者しか採用しないことで話題の

サイバーエージェントだが、若い力だけでやっていける

であろう分野に業態を転換したことは、ある意味賢い

選択なのだと思う。

この本でも、明らかに見城さんより見劣りする立ち位置

であることが分かっていながら、実体験を交えた解釈を

若い人向けに書き添えるという難しい仕事を引き受ける

あたり、藤田さんもやはりただ者ではない。

あえて言えば、新旧の名物経営者の言葉に触れられる

貴重な1冊というところか。

特に気に入った言葉を最後に記載させていただく。

・「極端」こそわが命

・良薬になるな。劇薬になれ

・顰蹙は金を出してでも買え

・無謀を演出して、鮮烈に変えよ

・勝者には何もやるな

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 人としての基本/第2章 自分を鍛える/
第3章 人心を掴む/第4章 人を動かす/
第5章 勝ちに行く/第6章 成功への動機付け

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2012年1月 7日 (土)

勢古浩爾(セココウジ)さんの『ビジネス書大バカ事典』を読んでみた

勢古さんの『ビジネス書大バカ事典』を読んでみた

 (5つが最高)

基本的に、この手の本は、嫌いではないが、批判が

論理的ではないところも多く、言いたいことは分かるが

これほど厚い本として出す必要があったのかと思う。

ただ、考え方は明確で最近のビジネス書の作家を

どう捉えたらよいのかを上手く表現しているとは思う。

「だれでも」「すぐに」「楽に」「シンプルに」「必ず」

「成功する」なんていうのは大ウソだという基準は

よくぞ言ってくれましたという感じである。

他にも「引き寄せ」とか「絶対」なんていうのは、

もうそれだけで話にならないという態度はスッキリする。

私が最近熱心に読んでいる勝間さんや神田さんも

ボロクソに言われていて、「まあ駄目な本もあるけど

いい本もあるのになあ」なんて思いながら読んでいたが

勢古さんも全てが悪いと言っているわけではない。

中にはすべてを完全に否定されている人もいるが

それはこの本を実際に読んで楽しんでもらいたい。

第9章の「読むなら、経営者の自伝」で紹介されている

本がとにかく読んでみたくなるのは、勢古さんの

それまでのビジネス書への批判に納得がいったという

ことなのだろう。

ビジネス書の森で迷ってしまっている人には、

頭を整理するのにおススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 なんでビジネス書を読むの?/第2章 恐るべき三人のつわもの/第3章 三冊の元祖本と成功法則/第4章 本を読んで金が儲かるってホント?/第5章 不当表示?誇大広告?めくるめく書籍タイトルの世界/第6章 胡散くさい二人の導師/第7章 その場しのぎの一姫二太郎/第8章 「成功」することと人生/第9章 読むなら、経営者の自伝/第10章 仕事とは全人的作業である/付録 あのベストセラービジネス書を採点する

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2012年1月 6日 (金)

カーマイン・ガロさんの『スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション』を読んでみた

カーマイン・ガロさんの『スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション
人生・仕事・世界を変える7つの法則』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、スティーブ・ジョブズのイノベーションに

ついて解説してくれているが、テクニック的なことが

書かれているわけではない。

同じ著者の『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン

人々を惹きつける18の法則』に比べると、ジョブズ

以外の話が多く取り入れられていて、ジョブズに

ついて興味がある人には、少し物足りないかも

しれない。

「こんなとき、ジョブズならどうするか?」を考える

ことは楽しいが、それがすぐ自分の人生や仕事に

活かせるものではないことは、多くの人が知って

いることだろう。

ただ、あきらめる必要もない。

この本を丁寧に読めば、必ず誰にでも取り入れ

られることが必ずあるはずである。

それを探しながら読むことも、この本の楽しみ方の

1つだと思う。

ジョブズ流 人生・仕事・世界を変える7つの法則
法則1:大好きなことをする(キャリア)
法則2:宇宙に衝撃を与える(ビジョン)
法則3:頭に活を入れる(考え方)
法則4:製品を売るな。夢を売れ。(顧客)
法則5:1000ものことにノーと言う(デザイン)
法則6:めちゃくちゃすごい体験をつくる(体験)
法則7:メッセージの名人になる(ストーリー)

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめに 世界は多くのジョブズースティーブ・ジョブズを必要としている/法則1 大好きなことをする/法則2 宇宙に衝撃を与える/法則3 頭に活を入れる/法則4 製品を売るな。夢を売れ。/法則5 1000ものことにノーと言う/法則6 めちゃくちゃすごい体験をつくる/法則7 メッセージの名人になる

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2012年1月 5日 (木)

カーマイン・ガロさんの『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』を読んでみた

カーマイン・ガロさんの『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン
人々を惹きつける18の法則』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを

分析し、テクニックの数々を明らかにしてくれている。

たとえば、iPhone発表時などスティーブ・ジョブズの

伝説のプレゼンを様々な角度から分析しながら紹介し、

その秘密を詳しく解説してくれている。

また、スティーブ・ジョブズの名文句やスライドの数々を

表の形でいくつも紹介してくれているので、実際に

どのようにプレゼン資料を作ればいいかの参考になる。

そして、スティーブ・ジョブズが繰り出した言葉の数々を

楽しむこともできる。

「今日、アップルは電話を再発明する」
「iPodはガムより小さくて軽いんだ」
「iPhone 3G。速度は2倍、価格は半分」
「マイクロソフトが抱えている問題はただひとつ。
美的感覚がないことだ。足りないんじゃない。ないんだ」
「今までに売れたiPhoneは400万台。うれしいねえ。
1日平均2万台のiPhoneが売れたことになる」

さらに、著者の解説も工夫されていて面白い。

『スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、
大昔にアリストテレスが考案した、
人を説得する5ステップを満足している。

1 聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを
 提出する。
2 解決あるいは回答が必要な問題あるいは疑問を
 提出する。
3 提出した問題に対する解答を提出する。
4 提出した解答で得られるメリットを、具体的に
 記述する。
5 行動を呼びかける。ジョブズの場合は「今すぐ
 ここを出て買ってくれ」といったところだろう。』

また、18の法則それぞれの紹介の後に「ディレクターズ

・ノート」というまとめが置かれているのも便利だ。

『ディレクターズ・ノート(シーン1)
①プレゼンテーションソフトを開く前によく考えて流れを
 作ること。アイデアは紙やホワイトボードに書く。
②生き生きとしたプレゼンテーションとするため、以下の
 9要素からなるべく多くを取り入れる
 ヘッドライン、パッションステートメント、3つのキー
 メッセージ、アナロジー、デモ、パートナー、実例、
 ビデオクリップ、小道具。
③ジョブズのように話せるかどうかは、どのプレゼン
 テーションソフト(パワーポイント、キーノートなど)
 を使うかではなく、どのようにストーリーを作り、
 発表するかにかかっている。

ディレクターズ・ノート(シーン8)一部抜粋
①箇条書きは避けること。必ず。いや、なるべく、か。
②1枚のスライドはひとつのテーマに絞り、それを
 写真や画像で補強する。
③見た目が美しいスライドを作れるように努力する。
 アーティストでなくてもイメージ豊富なスライドは
 作れる。』

そして、これらのことをこの本から学んだら、

後はとにかく練習あるのみである。

パワポ作りを高尚な仕事と勘違いしている人に

ぜひ読んでもらいたい一冊である。

【目次】
第1幕 ストーリーを作る
1.構想はアナログでまとめる/2.一番大事な問いに答える/3.救世主的な目的意識を持つ /4.ツイッターのようなヘッドラインを作る/5.ロードマップを描く/6.敵役を導入する/7.正義の味方を登場させる
第2幕 体験を提供する
8.禅の心で伝える/9.数字をドレスアップする/10.「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う11.ステージを共有する/12.小道具を使う/13.「うっそー!」な瞬間を演出する
第3幕 仕上げと練習を行う
14.存在感の出し方を身につける/15.簡単そうに見せる/16.目的に合った服装をする/17.台本を捨てる/18.楽しむ

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2012年1月 4日 (水)

小宮一慶さんの『ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。』を読んでみた

小宮さんの『ドラッカーが『マネジメント』でいちばん
伝えたかったこと。』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、20年以上もドラッカーの本を読み続けている

というコンサルタントの小宮さんが、『マネジメント

[エッセンシャル版]』でドラッカーがいちばん読者に

伝えたかったことは何かということを分かりやすく

解説してくれている。

まず、マネジメントにおけるキーワードは2つ。

それは「マーケティング」と「イノベーション」。

また、マネジメントの3つの役割は次のとおり。

1.自らの組織に特有の使命を果たす
2.仕事を通じて働く人たちを生かす
3.自らが社会に与える影響を処理するとともに
  社会の問題について貢献する

そして、この役割を担うためにやらなければ

ならないことは次の3つ。

1.事業を定義する
2.目標を設定する
3.人を動かす

全体として経営者へ向けた本であると小宮さんも

書いているとおり、この3つは経営者の仕事である。

しかし、ここでは特に「人を動かす」というところから、

動かされる私たち多くの一般社員もどのようなことを

考えて行動しなければならないかを考えてみると

いいだろう。

たとえば、ドラッカーの次のような言葉。

『目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりを
マネジメントできるようになることにある』

そのためには、目標は自分で立てる必要がある。

他人の立てた目標をやらされるのでは駄目で、

自分たちで目標を立てる仕組みを作ることが

マネジャーの大切な仕事になるということ。

もし、目標を会社に勝手に決められてしまうなら、

私がオススメするのは、その目標を超えるために

自分なりの目標を作ってしまうこと。

もっと余裕があるなら、与えられた目標以外に

自分なりの目標も作ること。

こうすると、シンドイながらも自分の能力が高まる。

また、組織についてのドラッカーの次のような言葉。

『組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせる
ことにある』

ようするに、誰がやってもできる仕組みを作ることが

マネジャーの大切な仕事になるということ。

では、私たちは何をすればよいかといえば、まず

自らが凡人であるということを知ること。

そして次に、その凡人でも非凡なことができるような

仕組みを利用すること。

できれば、その非凡なことができるような仕組みを

自分の中に取り込んでしまうこと。

たとえば大企業の役職という肩書きは、凡人にも

非凡な仕事をさせてくれるだろう。

そのときに肩書きがなくても通用するところまで

自分を持っていけるかどうかが勝負である。

最後に、組織の4つの役目と資質について。

1.組織の焦点は、成果に合わせなければならない。
2.組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせ
  なければならない。
3.配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる
  意思決定は、組織の信条と価値観に沿って行わ
  なければならない。これらの決定こそ真の管理
  手段となる。
4.これら人事に関わる決定は、真摯さこそ唯一絶対
  の条件であり、すでに身につけていなければなら
  ない資質であることを明らかにするものでなければ
  ならない。

『学ぶことのできない資質、後天的に獲得することの
できない資質、始めから身についていなければなら
ない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さ
である。』

私たち組織に属する人間にとって、自分自身に問わ

なければならない質問は、たった一つしかないという

ことだ。

それは真摯さを身につけているかどうかということ。

ドラッカーの重要性には、何となく気付いているが、

それ以上前に進めない人にも、オススメの1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 外部からの視点を徹底する(企業の使命は「社会が関心をもっていること」をまっとうすること(自らの組織に特有の使命を果たす/仕事を通じて働く人たちを生かす/社会に与える影響を処理し、社会の問題について貢献する) ほか)/第2章 自らの事業を定義する(事業の三つの定義/事業の目的 ほか)/第3章 目標を設定する(マネジャーの二つの役割/目標設定の考え方 ほか)/第4章 人を生かす(仕事と労働/仕事を生産的なものにする四つのポイント ほか)

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2012年1月 3日 (火)

神田昌典さんの『カネをかけずにお客をつかむ!』を読んでみた

神田さんの『カネをかけずにお客をつかむ!
小さく始めてデッカク儲ける秘密』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、神田さんの処女作である『小予算で優良顧客

をつかむ方法』の文庫版ということで、一見すると古臭い

感じがするが、「起爆剤」としての価値は薄れていない。

内容的にも神田さんのお得意のダイレクト・レスポンス・

マーケティングと呼ばれる手法や神田さん自身の成功

体験から構築したノウハウなどが詰まっている。

また、小さく始めてデッカク儲ける方法というところが

資本のないサラリーマンには受け入れやすくていい。

さらに、マーケティングの素人の私には次のような

「マーケティングの真実」などは、とても参考になった。

①儲かる広告は、不況になってもカットする必要はない。
 むしろ広告費が安くなるから、もっとやった方がいい。
②一度でお客を引っ張ってこられない広告は、
 何度やっても引っ張ってこられない。
 どこが悪いのか調べ、すぐに工夫をすべき。
③認知度が低いことを気にする必要はない。
 真面目にやっている会社であれば、
 規模が小さいことは、今の時代、むしろ有利である。
④写真やイラストを優先してはならない。
 イメージにこだわらず、知恵を使って売る工夫を。
⑤簡潔な文章は、会社のなかだけで通用する。
 ダイレクトメールの文章は、簡潔さよりも、
 行動させられるかどうかを基準とする。
⑥価格以外の判断基準を教えないと、お客は価格だけを
 求めてくる。お客は価値を求めている。お客は、
 判断基準を持つことにより、価値を認識できるようになる。
⑦お客は常に移動するから、頭の中だけでターゲットを
 想定することはできない。市場の情報を、販売テストを
 通じて常に把握すべき。
⑧購買は「感情」で決まり、「理屈」で正当化される。
 そのため、商品説明は、欲しいという感情を持っている
 見込客に対してのみ、効果を上げる。
⑨「お客様へ奉仕をすれば、自然と売れていく」という
 のは、現実的なアドバイスとしては、全く無力。
 可能性の低い見込客にはこだわらず、次の見込客を
 探すことが重要。
⑩「商品品質」「顧客サービス」が優れているから、お客が
 集まってくるわけではない。しかしその向上は、既存顧客
 の流出を避けるために必要である。
 これに加えて、新規顧客を低価格で引っ張ってこられる
 能力を持つことが、これからの成功のカギ。
⑪人間関係は、目的ではなく、結果である。目的は、
 成約することであり、成約率を上げていくためには、
 営業の流れ作業化、システム化が必要。

確実に成功したいのであれば、取り入れるべきことが

多い実践向きの本である

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 お客が来なけりゃ、会社は潰れる/第2章 なぜあなたは、お客をつかむことができないのか/第3章 ナマケモノのための顧客獲得法が生まれるまで/第4章 マーケティング常識11のウソ/第5章 小予算で優良顧客をつかむ方法/第6章 あなたの会社で、どのように使えばいいのか

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2012年1月 2日 (月)

古賀茂明さんの『官僚の責任』を読んでみた

古賀さんの『官僚の責任』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、「霞が関は人材の墓場」と言ってはばから

ない改革派の急先鋒であった古賀さんの本である。

企業の法務担当者としては、真面目に働く法務局の

職員や労働局の職員くらいしか、役所の人が頭に

浮かばないため、官僚の実態というものがどんな

ものなのか、この本を読むまでは、ほとんど分から

なかったというのが実際のところである。

中でも、最もショックだったのが、P137にあった、

『「不夜城」と呼ばれるほんとうの理由』のくだり。

官僚の仕事は成果が測りにくいため、それを評価

する基準の一つが「省のために副産物をつくる」

という天下り先の団体作りであることはよく耳に

することである。

しかし、もう一つの目に見える基準が「労働時間」で

あり、この実態が実は外部との打ち合わせと称して、

酒を飲みに出かけ、夜9時か10時頃にまた戻って

効率の悪い仕事をしているということは、まったく

知らなかった。

公務員といえば、何かと悪口を言われ、優秀な人に

仕事が偏る傾向にあるので、どうしても仕事ができる

人ほど、残業続きで大変なんだろうと思っていた私と

しては、何だか騙されたような気分。

他にも、次から次に官僚の悪いところが書き連ねられ

ており、これがこの国のことではなく、ある大企業の話

なら、どれだけ面白いかと思いながらも、これが官僚の

実態なのかと、あきれ果ててしまった。

この本の「著者略歴」だけしか著者について知識がない

人がいたとするなら、このような真っ当なことを言って

しまって官僚を辞めさせられないのかと、とにかく心配に

なる内容である。

ただ、最後のページに「あとがきを書き終えたあとで」

という記載があり、そこには退職勧奨の通告を受け、

2011年の7月15日が退職期日であるとなっている。

ご存知の人も多いと思うが、このあともいろいろとあり、

実際には9月26日に依願退官となったようである。

私が思うに、日本の不幸は、このような人を官僚に

残せないことではない。

もし残したとしても、仕事を与えないのであれば、

それも税金の無駄遣いであるからだ。

日本のほんとうの不幸は、このような人が本を書き

自分が属してきた官僚という制度を批判しなければ

ならないことであり、その批判される側に自浄能力が

まったくないことである。

とにかく、この本を読むと、他人事みたいに言って

ないで、自分も行動しなければならないと思うはず

である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「政治主導」が招いた未曾有の危機(早まった日本崩壊のカウントダウン/テレビドラマ程度の対応策すら実行できなかった政府 ほか)/第2章 官僚たちよ、いいかげんにしろ(発送電の分離は十五年前からの課題だった/原発事故の一因は経産省の不作為にあり ほか)/第3章 官僚はなぜ堕落するのか(改革派から守旧派へ転じた経産省/規制を守ることが使命という「気分」 ほか)/第4章 待ったなしの公務員制度改革(増税しなければ国は破綻するという脅し/官僚一人のリストラで失業者五人が救われる ほか)/第5章 バラマキはやめ、増税ではなく成長に命を賭けよ(ちょっとかわいそうな人は救わない/年金支給は八十歳から? ほか)

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2012年1月 1日 (日)

古賀茂明さんの『日本中枢の崩壊』を読んでみた

古賀さんの『日本中枢の崩壊』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、自らも官僚でありながら行政改革を行おうと

真剣に取り組んだ古賀さんの本である。

あまりにも有名になってしまったため、古賀さんに対し

批判的なことを言う人も出てきたが、そんな中でなお

この本は読むべき価値があると思う。

なぜなら、批判者のほとんどが傍観者であるのに対し

古賀さんは職を辞してまで、改革に実際に取り組んで

いるからである。

この本にあるようなことは、官僚批判を繰り返すマス

コミの文章に接したことがある人には想定の範囲内

ではあるのかもしれないが、経験談としてや資料と

しての価値は、今なお高いと思う。

また、改革が進まないこと自体は古賀さん一人のせい

では当然なく、民主党に投票したかどうかに関わらず

このような政治体制を容認してきたのが私たち有権者

であることを考えれば、改革のための提言としては、

まだこれからその成否が試されるというところだろう。

確かに、この本を読むかぎり官僚の腐敗ぶりはひどく

改革は困難であるという印象を受ける。

そんな中でも、私がこの本で最も官僚の怖い点として

読んだのは、P196からの民主党の長妻氏を邪魔者に

する財務省の考え方である。

財務省が長妻氏を邪魔者と考えた理由が、国税庁と

社会保険庁を統合し「歳入庁」を設置するという案を

長妻氏が持っていたからというもの。

財務省が絶対に受け入れられない改革というのが

国税庁を切り離されてしまうことだというのである。

理由は簡単で、国税庁はその気になれば、普通に

暮らしている人を脱税で摘発し、刑事被告人として

告訴できるだけでなく、査察でさまざまな資料を得る

ことができるだけでなく、後々の脅しの材料に使う

ことまでできるためらしい。

私はこの本を読むまでは、長妻氏のことをマスコミが

書くように、批判は上手いが実際に自分がやるとなる

と意外に下手な人なのかと単純に思っていたが、

ここに書かれたことを読むかぎり、そう単純な話では

ないようである。

政治に再び関心を持つようになるという意味でも

とてもいい本である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 福島原発事故の裏で/第1章 暗転した官僚人生/第2章 公務員制度改革の大逆流/第3章 霞が関の過ちを知った出張/第4章 役人たちが暴走する仕組み/第5章 民主党政権が躓いた場所/第6章 政治主導を実現する三つの組織/第7章 役人ーその困った生態/第8章 官僚の政策が壊す日本/終章 起死回生の策

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