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2012年1月29日 (日)

勝間和代さんの『まじめの罠』を読んでみた

勝間さんの『まじめの罠』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、まじめに生きてきた人のための本である。

「ふまじめ」な人がいくら読んでもまったく意味がない。

また、まじめな人がこの本を読んだだけで、突然に

まじめの罠から抜け出せるようになるわけでもない。

勝間さんも「はじめに」の中で次のように書いている。

『これまでまじめだった人に、いきなり「まじめに
なるな」と言っても、それは無理な話です。また、
まじめと一口に言っても、まじめの中にも残さな
ければならない大事なものはあります。
私たちは、ついつい「まじめの罠」に陥ってしまい
ます。私もそうです。でも、そんな自分も認めつつ、
同じようなことに悩んでいる方の一助になればと
思ってこの本を綴ります』

では、まじめな人がどのように「まじめの罠」から

抜け出すようにしていけばよいのか。

そもそも、どのようなものが「まじめの罠」であり、

どのような危険があり、どんな害毒を撒き散らして

いるのか、勝間さんなりの解釈でいろいろな事例

が紹介されている。

正直なところ、この事例の部分は異論なしとしない

けれど、まあ読んでみていろいろと感じられれば

それで良いと思う。

勝間さん本人について書かれた部分は、これはもう

お決まりのサービスだと思って、ファンやアンチ以外

は特に気にしなくてもよいだろう。

それでは、「まじめ」にやってきた人が、ただ単に

「ふまじめ」になれば問題は解決かといえば、

もちろんそんなことはない。

勝間さんもその点は注意深く次のように書いている。

『でも、勘違いしないでください。では、ただ単に
「ふまじめ」でいいのかというと、それは間違いです。
「ふまじめ」と「努力しない」というのはまた別の話
です。また、怠惰であることを「ふまじめ」だと勝手に
解釈する人も多いのですが、それも間違いです。
この場合の「ふまじめ」というのは、「非まじめ」と
表現したほうが正確かもしれません』

勝間さんは、分かりやすく物事の本質をつかむため

この本の中でさえも「ふまじめ」を目指してほしいと

書いているが、正しくは「非まじめ」である。

「ふまじめ」になれと言われると抵抗がある人は

ぜひ「非まじめ」と読み替えてみてもらいたい。

では、どうすれば「まじめの罠」に陥らずに

「非まじめ」というものを目指せるのかという

解決策は、第4章に 「まじめの罠」に対する処方箋

として、以下のようにまとめられている。

①失敗を恐れるな
②問題設定そのものを疑え
③動物的な勘、身体感覚を養え
④独立した経済力を持て
⑤自分のまじめさや常識を疑え
⑥正しい自己認識を持て

この中で多くの人にとって最も難しいのが④である。

ポータブルスキルを磨くことと、いつでも同じ生活が

できるように勇気とスキルを身につけ、それが難しく

ても常にそういう意識を持ち続けることが重要だと

勝間さんは書いている。

この点は勝間さんのほかの本にもいろいろと書かれ

ているので、そちらも参考にしたい。

蛇足、P169のL9の「訓練機関」は「訓練期間」の

誤り。(こんな細かい指摘は「まじめ」すぎるけど、

「どうでもいいじゃん」という本に誤字がないほうが

カッコイイ!けど、これも「まじめの罠」か?)

最後にもう一つだけ、この本の現在における価値に

ついて述べておきたい。

それは日本が20年もの長きにわたって不況の中に

あることで、ただまじめなだけでは生きにくくなって

しまったということである。

高度経済成長時には、たとえ間違った努力でも、

まじめにさえやっていれば、多少のマイナス幅を

景気のプラス分が埋めてくれるだけでなく、おつりが

来たため、誰であれそれなりに報われたのだ。

もちろん統計的にはこの20年の中にも、戦後最長の

好景気が含まれているが、実感なき好景気は、

まじめなだけの人までも救うには至らなかった。

そうであれば、現在まじめに頑張っても報われずに

悩んでいる人は多いのではないかと思われる。

そんな人は、この本を読んでみることをオススメする。

それでもなお、まじめに生きていきたいというのも

1つの考え方であるが、少し肩の力が抜ければ、

それもまたこの本の効用ではないだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「まじめの罠」とは何か、そして、なぜ「まじめの罠」はあなたにとって危険なのか(「まじめの罠」とは何か/「まじめに生きる人生」は「幸せな人生」か?)/第2章 あなたが「まじめの罠」にハマってしまうメカニズムを理解しよう(「まじめの罠」を生む外部要因ー日本社会式エコシステムの存在/「まじめの罠」を生む内部要因ー「まじめ」に特化したことによる大局観不足)/第3章 「まじめの罠」の害毒(「まじめの罠」が当事者に与える害毒/「まじめの罠」が社会に与える害毒)/第4章 「まじめの罠」に対する処方箋(失敗を恐れるな/問題設定そのものを疑え ほか)

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