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2012年1月15日 (日)

村田昭治さんの『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』を読んでみた

村田さんの『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1998年に発行された村田昭治さんの

慶應義塾大学での最終講義録である。

内容は非常に分かり易い言葉で書かれているが

とても深みのある話の数々で、マーケティング論

の基礎を習得することができるだけではなく

若い人に向けたメッセージが愛情にあふれている。

たとえば、話の展開はこんな感じ。

これからの企業にとって大切なことは3つある。

1つ目は「変革への意欲」。

2つ目は「市場志向」。

3つ目は「専門性」。

これに対して若者へのキーワードは3つ。

1つ目は「選択」。
 情報選択が自分でできるように。
 流される気持ちを自ら断ち切って、独立自尊。
 自分を見つめながら考えてみる。
 自分が変革に満ちる人間であり得るのかどうかと。

2つ目は「学遊」。
 学んで遊び問題意識を広げる。
 複雑系人間になれ、コンプレックス人間になれ。
 そうすればおのずからグローバル化する。

3つ目は「ブレーン・ワーク、ネットワーク、
フットワーク」。
 頭を働かせること。
 いろいろな人とつながりをつくること。
 自ら動いて現場をとらえること。

これらを実現するためには、お金も少しいる。

『ご両親が健在だったら、骨の髄までしゃぶり抜け。
学生時代はフットワークがある時期だから、
できるだけ自分で仕事しないで、それを使いまくれ。
もちろん、できる範囲ということです。そうすると、
問題意識は広がり、遊びは広がって、好奇心で
行動する。それで将来大きな花が咲きますね。
自分が儲けた金は使いにくいが、人が稼いだ金は
使いやすい。痛みがわかっていないからこそ
どんどん使える。それでいいんですよ。
 とにかく気取らない、建前で生きないということが
人生だろうと思います。そういう自由奔放な生き方を
君たちにしてもらいたい。そうしたら、将来、輝くような
まさに宝石人間になります。それが私のみなさまへの
お墨付きであります。お墨付きを与えたからには、
何かやってほしい。お墨付きを裏切らないでほしいと
思います。』

こんなことが言える人が、今の大学にどれくらい

いるんだろうか。

マーケティングのノウハウだけではない、ゼミの良さを

十分に伝えてくれる1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
ドリブン・マイセルフ/マーケティングの着想/二十一世紀のグランドデザイン/変革への意欲は価値創造/さわやかさ-若さ、知性、美を求める時/ソーシャル・マーケティング/シェア競争と「居心地」のライフスタイル/いま、人も企業もチャームの時代/クオリティーとは何か/企業経営に人間が問われている〔ほか〕

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