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2012年1月 4日 (水)

小宮一慶さんの『ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。』を読んでみた

小宮さんの『ドラッカーが『マネジメント』でいちばん
伝えたかったこと。』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、20年以上もドラッカーの本を読み続けている

というコンサルタントの小宮さんが、『マネジメント

[エッセンシャル版]』でドラッカーがいちばん読者に

伝えたかったことは何かということを分かりやすく

解説してくれている。

まず、マネジメントにおけるキーワードは2つ。

それは「マーケティング」と「イノベーション」。

また、マネジメントの3つの役割は次のとおり。

1.自らの組織に特有の使命を果たす
2.仕事を通じて働く人たちを生かす
3.自らが社会に与える影響を処理するとともに
  社会の問題について貢献する

そして、この役割を担うためにやらなければ

ならないことは次の3つ。

1.事業を定義する
2.目標を設定する
3.人を動かす

全体として経営者へ向けた本であると小宮さんも

書いているとおり、この3つは経営者の仕事である。

しかし、ここでは特に「人を動かす」というところから、

動かされる私たち多くの一般社員もどのようなことを

考えて行動しなければならないかを考えてみると

いいだろう。

たとえば、ドラッカーの次のような言葉。

『目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりを
マネジメントできるようになることにある』

そのためには、目標は自分で立てる必要がある。

他人の立てた目標をやらされるのでは駄目で、

自分たちで目標を立てる仕組みを作ることが

マネジャーの大切な仕事になるということ。

もし、目標を会社に勝手に決められてしまうなら、

私がオススメするのは、その目標を超えるために

自分なりの目標を作ってしまうこと。

もっと余裕があるなら、与えられた目標以外に

自分なりの目標も作ること。

こうすると、シンドイながらも自分の能力が高まる。

また、組織についてのドラッカーの次のような言葉。

『組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせる
ことにある』

ようするに、誰がやってもできる仕組みを作ることが

マネジャーの大切な仕事になるということ。

では、私たちは何をすればよいかといえば、まず

自らが凡人であるということを知ること。

そして次に、その凡人でも非凡なことができるような

仕組みを利用すること。

できれば、その非凡なことができるような仕組みを

自分の中に取り込んでしまうこと。

たとえば大企業の役職という肩書きは、凡人にも

非凡な仕事をさせてくれるだろう。

そのときに肩書きがなくても通用するところまで

自分を持っていけるかどうかが勝負である。

最後に、組織の4つの役目と資質について。

1.組織の焦点は、成果に合わせなければならない。
2.組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせ
  なければならない。
3.配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる
  意思決定は、組織の信条と価値観に沿って行わ
  なければならない。これらの決定こそ真の管理
  手段となる。
4.これら人事に関わる決定は、真摯さこそ唯一絶対
  の条件であり、すでに身につけていなければなら
  ない資質であることを明らかにするものでなければ
  ならない。

『学ぶことのできない資質、後天的に獲得することの
できない資質、始めから身についていなければなら
ない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さ
である。』

私たち組織に属する人間にとって、自分自身に問わ

なければならない質問は、たった一つしかないという

ことだ。

それは真摯さを身につけているかどうかということ。

ドラッカーの重要性には、何となく気付いているが、

それ以上前に進めない人にも、オススメの1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 外部からの視点を徹底する(企業の使命は「社会が関心をもっていること」をまっとうすること(自らの組織に特有の使命を果たす/仕事を通じて働く人たちを生かす/社会に与える影響を処理し、社会の問題について貢献する) ほか)/第2章 自らの事業を定義する(事業の三つの定義/事業の目的 ほか)/第3章 目標を設定する(マネジャーの二つの役割/目標設定の考え方 ほか)/第4章 人を生かす(仕事と労働/仕事を生産的なものにする四つのポイント ほか)

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