朝倉智也さんの『30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと』を読んでみた
朝倉さんの『30代からはじめる投資信託
選びでいちばん知りたいこと』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、第三者投信評価機関のモーニングスター
株式会社の代表取締役COOである朝倉さんが、
自宅にいながらにして簡単に資産運用に取り組む
ことができるよう、投信の選び方を丁寧に解説して
くれている本です。
まず、この本の自分年金運用のキーワードは、
「新興国」と「金」ということである。
なぜ金に投資すべきなのか、その理由は、
主に次の6つ。
①基軸通貨である米ドルが失墜し、ヨーロッパの
経済危機によりユーロの信頼性も低下した。
②世界的な財政・金融刺激策によってお金が
過剰に供給され、インフレリスクが上昇した。
③長引く景気後退により先進国でデフレ懸念が
台頭、国自体の信用力が低下した。
④中国、ロシア、インドなどが外貨準備高に
占める金の割合を増やしつつある。
⑤機関投資家やヘッジファンドの金への投資
需要が高まっている。
⑥新興諸国は、もともと宝飾品としての金の
需要が多い。
しかし、私は個人的には金への投資はしないほうが
無難だと思っている。
理由は簡単で、金は利息や利益を生まないだけでは
なく、実物資産としても必需品とは考えられないから
である。
せいぜいが、宝飾品としての価値というのでは、
怖くて手が出せない。
しかも、金はすでに値上がりしており、今後儲かる
可能性はあるものの、いまさら手を出すものでは
ないように思う。
それに比べて、新興国への投資というのは賛成である。
資産運用の世界では、「個別の金融商品の選定が投資
パフォーマンスの良し悪しに与える影響は2割。残りの
8割は資産配分で決まる」と言われているという。
一般的には、新興国への投資は「ポートフォリオの
10~15%にとどめるべきだ」とされているが、この本では
20年後を見据えた新しい資産配分として新興国への
投資を積極的にすべきとしている。
そこでこの本では、「6割を外国株式に、3割を外国債券に、
1割を金に振り向け、株式と債券のうち半分を新興国に
投資する」という資産配分を提案している。
また、為替のヘッジもしないほうが良いとのことだが、
これも個人的には賛成である。
私としては、「6割を外国株式に、4割を普通預金に、
株式の半分以上を新興国に投資する」というのが
デフレの日本の現状では、良いのではないかと思う。
そして、外国株式は個別銘柄ではなく、投資信託で
買おうとするなら、この本のモーニングスターの
ホームページの使い方は参考になると思う。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 私たちの不安の正体ーこのままでは、国と共倒れ!?(やっぱり危ない、私たちの年金/私たちは、知らない間に国債まみれになっている ほか)/第2章 “自分年金”運用のキーワード、「新興国」と「金」(これからの資産運用を考える際のキーワード1-新興国/これからの資産運用を考える際のキーワード2-金 ほか)/第3章 失敗しない投信選び(投信を「しっかり選ぶ」ことが大切な理由1-人気商品の落とし穴/投信を「しっかり選ぶ」ことが大切な理由2-同じ「アジア」でも中身はさまざま ほか)/第4章 運用期間中のポートフォリオのメンテナンス(チェックは年1度。運用報告書を読み込む必要はない/ポートフォリオのバランスが崩れたらリバランスしよう ほか)
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