マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた
マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、産業組織論というミクロ経済学の理論を
応用して経営学の競争戦略の構造を解明するという
経営戦略論の古典的名著である。
新訂版の表紙にもあるように、この「5つの競争要因」
の図が構造分析法の要旨を表している。
日本語訳の図はP18に載っているが、そこから導き
出される競争要因は次のとおり。
1.新規参入の脅威
(参入障壁が低い場合は新規参入が容易)
2.既存競争業者の間の敵対関係の強さ
(同業者の数、規模、戦略の違い等により変化)
3.代替製品からの圧力
(価格対性能比が良い製品、高収益業界の生産
している製品には特に注意)
4.買い手の交渉力
(買い手の交渉力は戦略によって変えられる)
5.売り手の交渉力
(川上統合による戦略によって無効化できる)
この本は、「和民」の会長の渡邊美樹さんの愛読書
として最近では有名だが、むしろ私が最近気になって
いるユニクロを考えるときに役立ちそうである。
分厚いだけのことはあると思わせる、詳細な分析と
明快な戦略論は、現在でもなお有効だと思われる。
企業経営を考える際には必読の1冊である。
【目次】
1. 競争戦略のための分析技法
1 業界の構造分析法
2 競争の基本戦略
3 競争業者分析のフレームワーク
4 マーケット・シグナル
5 競争行動
6 買い手と供給業者に対する戦略
7 業界内部の構造分析
8 業界の進展・変化
2. 業界環境のタイプ別競争戦略
9 多数乱戦業界の競争戦略
10 先端業界の競争戦略
11 成熟期へ移行する業界の競争戦略
12 衰退業界の競争戦略
13 グローバル了解の競争戦略
3. 戦略デシジョンのタイプ
14 垂直統合の戦略的分析
15 キャパシティ拡大戦略
16 新事業への参入戦略
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