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2012年2月 1日 (水)

マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた

マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、産業組織論というミクロ経済学の理論を

応用して経営学の競争戦略の構造を解明するという

経営戦略論の古典的名著である。

新訂版の表紙にもあるように、この「5つの競争要因」

の図が構造分析法の要旨を表している。

日本語訳の図はP18に載っているが、そこから導き

出される競争要因は次のとおり。

1.新規参入の脅威
 (参入障壁が低い場合は新規参入が容易)
2.既存競争業者の間の敵対関係の強さ
 (同業者の数、規模、戦略の違い等により変化)
3.代替製品からの圧力
 (価格対性能比が良い製品、高収益業界の生産
  している製品には特に注意)
4.買い手の交渉力
 (買い手の交渉力は戦略によって変えられる)
5.売り手の交渉力
 (川上統合による戦略によって無効化できる)

この本は、「和民」の会長の渡邊美樹さんの愛読書

として最近では有名だが、むしろ私が最近気になって

いるユニクロを考えるときに役立ちそうである。

分厚いだけのことはあると思わせる、詳細な分析と

明快な戦略論は、現在でもなお有効だと思われる。

企業経営を考える際には必読の1冊である。

【目次】
1. 競争戦略のための分析技法
1 業界の構造分析法
2 競争の基本戦略
3 競争業者分析のフレームワーク
4 マーケット・シグナル
5 競争行動
6 買い手と供給業者に対する戦略
7 業界内部の構造分析
8 業界の進展・変化

2. 業界環境のタイプ別競争戦略
9 多数乱戦業界の競争戦略
10 先端業界の競争戦略
11 成熟期へ移行する業界の競争戦略
12 衰退業界の競争戦略
13 グローバル了解の競争戦略

3. 戦略デシジョンのタイプ
14 垂直統合の戦略的分析
15 キャパシティ拡大戦略
16 新事業への参入戦略

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