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2012年2月29日 (水)

小山龍介さんの『IDEA HACKS!』を読んでみた

小山龍介/原尻淳一さんの『IDEA HACKS!アイデア ハック!
今日スグ役立つ仕事のコツと習慣』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、アイデアを生み出すための時間管理や情報

収集など、仕事上役立つコツが89も紹介されている。

さらに、メルマガに登録すれば、残りの11を送ってくれる

ので全部で100のHACKSとなる。

私としては、ひとつひとつのHACKは目にしたことがある

ものだったが、数多くのHACKが上手くまとめられている

点では、なかなか良い本だと思う。

もう少し独創的な内容であれば更に高評価を付けられ

るが、そもそもコンセプトが違う感じがする。

読みやすさと、いろいろな本に載っている仕事のコツを

コンパクトにまとめて紹介することには成功しているので

参考文献がまとめられていればなお良かった。

個人的には63番目に紹介されている、『話すときに

「結論を先にいわない」』というHACKは、うなずけた。

特に私のように法律の相談を受ける者などは

先に簡単に結論を言うことを求められるが、それを

やってしまうと誰もが思考停止に陥ってしまい、

それ以上先に話が進まなくなってしまうことが多い。

これを「前提条件を確認して」理由から話すと

リスクを回避したり、他の可能性に考えが及ぶことも

あるので、何でも結論から先に言ってわかりやすく

するというのは、弊害も多いことに気付いてもらいたい。

細かいことであるが、大切なことが結構詰まっている。

とくに新人にもかかわらずアイデアを数多く出すことが

求められる部署の人には、おススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 情報ハック-メモとノート/2 時間管理ハック-習慣と隠し味/3 整理ハック-物語とデータベース/4 五感ハック-モードとスタイル/5 思考ハック-出会いと別れ/6 発想ハック-方法と視点/7 意思決定ハック-プライオリティとセレンディピティ

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2012年2月28日 (火)

ゲーリー・S・ベッカーさんの『ベッカー教授の経済学ではこう考える』を読んでみた

ゲーリー・S・ベッカー/ギティ・N・ベッカーさんの
『ベッカー教授の経済学ではこう考える
教育・結婚から税金・通貨問題まで』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1992年にノーベル経済学賞を受賞した

ゲーリー・ベッカーさんが『ビジネス・ウィーク』誌に

連載したエッセイの日本語版である。

アメリカ経済躍進の基礎である“経済学的な考え方”

の本質をとらえるとともに、“資本主義の哲学”を学ぶ

ことができるエッセイ集である。

ただし、残念ながら内容的には少し古くなってしまって

おり、ちょっと物足りない感じは否めない。

そんな中でも印象に残った点が2つあった。

それは、大きな政府批判と市場競争礼賛である。

『過去一年のあいだに、私が訪問したいくつかの国
では、著名な政治家や実業家に対する汚職容疑が、
主要なスキャンダルの中心を占めていた。どこへ
行っても、その国の実業界の指導者たちが特別に
堕落しており、政治体制がとくに汚職にまみれやすい
のだとの説明を受けた。だが、汚職というものは、
政治や実業界の体制がどのようなものであれ、
大きな政府が経済生活のあらゆる局面に浸透している
ところでは、一般的に見受けられる現象なのである』

『マイクロソフト社がメーカーに対して、同社のインター
ネット用閲覧ソフトを搭載するのでなければウィンドウズ
95のライセンス供与を取り消すとおどすとき、それは
一九九五年独禁法“同意審決”に違反することになる
との解釈は、難解な言葉の訓練を受けた法律家のみが
下しうるものであろう。しかし、そうした解釈が産業の
進歩を促進するものでないのは明らかだ。(略)
コンピュータ産業の製品や基本ソフトは、競争の苛烈さ
と新会社参入の容易さによって、急速な変化を続ける
ことを強いられる。法廷や官僚は動きが遅く、あるシス
テムや標準規格が競争促進的であるか反競争的で
あるかを決定するのに必要な最先端の知識をもち
合わせていない。競争のほうがより迅速かつ効果的に、
コストの高い非効率な製品や標準規格を顧客に押し
付けようとする会社を処罰するだろう』

最近の日本が大きな政府を目指し、市場競争を忌避

しているかのように感じるのは私だけだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
象牙の塔からコラムニストへ/規制と民営化/労働市場と移民/人的資本と学校教育/家族/差別/犯罪と中毒/反トラストとカルテル/特殊利益と政治/政府と税金〔ほか〕

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2012年2月27日 (月)

朝倉智也さんの『30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと』を読んでみた

朝倉さんの『30代からはじめる投資信託
選びでいちばん知りたいこと』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、第三者投信評価機関のモーニングスター

株式会社の代表取締役COOである朝倉さんが、

自宅にいながらにして簡単に資産運用に取り組む

ことができるよう、投信の選び方を丁寧に解説して

くれている本です。

まず、この本の自分年金運用のキーワードは、

「新興国」と「金」ということである。

なぜ金に投資すべきなのか、その理由は、

主に次の6つ。

①基軸通貨である米ドルが失墜し、ヨーロッパの
 経済危機によりユーロの信頼性も低下した。
②世界的な財政・金融刺激策によってお金が
 過剰に供給され、インフレリスクが上昇した。
③長引く景気後退により先進国でデフレ懸念が
 台頭、国自体の信用力が低下した。
④中国、ロシア、インドなどが外貨準備高に
 占める金の割合を増やしつつある。
⑤機関投資家やヘッジファンドの金への投資
 需要が高まっている。
⑥新興諸国は、もともと宝飾品としての金の
 需要が多い。

しかし、私は個人的には金への投資はしないほうが

無難だと思っている。

理由は簡単で、金は利息や利益を生まないだけでは

なく、実物資産としても必需品とは考えられないから

である。

せいぜいが、宝飾品としての価値というのでは、

怖くて手が出せない。

しかも、金はすでに値上がりしており、今後儲かる

可能性はあるものの、いまさら手を出すものでは

ないように思う。

それに比べて、新興国への投資というのは賛成である。

資産運用の世界では、「個別の金融商品の選定が投資

パフォーマンスの良し悪しに与える影響は2割。残りの

8割は資産配分で決まる」と言われているという。

一般的には、新興国への投資は「ポートフォリオの

10~15%にとどめるべきだ」とされているが、この本では

20年後を見据えた新しい資産配分として新興国への

投資を積極的にすべきとしている。

そこでこの本では、「6割を外国株式に、3割を外国債券に、

1割を金に振り向け、株式と債券のうち半分を新興国に

投資する」という資産配分を提案している。

また、為替のヘッジもしないほうが良いとのことだが、

これも個人的には賛成である。

私としては、「6割を外国株式に、4割を普通預金に、

株式の半分以上を新興国に投資する」というのが

デフレの日本の現状では、良いのではないかと思う。

そして、外国株式は個別銘柄ではなく、投資信託で

買おうとするなら、この本のモーニングスターの

ホームページの使い方は参考になると思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 私たちの不安の正体ーこのままでは、国と共倒れ!?(やっぱり危ない、私たちの年金/私たちは、知らない間に国債まみれになっている ほか)/第2章 “自分年金”運用のキーワード、「新興国」と「金」(これからの資産運用を考える際のキーワード1-新興国/これからの資産運用を考える際のキーワード2-金 ほか)/第3章 失敗しない投信選び(投信を「しっかり選ぶ」ことが大切な理由1-人気商品の落とし穴/投信を「しっかり選ぶ」ことが大切な理由2-同じ「アジア」でも中身はさまざま ほか)/第4章 運用期間中のポートフォリオのメンテナンス(チェックは年1度。運用報告書を読み込む必要はない/ポートフォリオのバランスが崩れたらリバランスしよう ほか)

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2012年2月26日 (日)

橘由子さんの『ほんとうに、このままでいいの?』を読んでみた

橘さんの『ほんとうに、このままでいいの?
セックスレスと夫婦の関係』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、セックスレスの夫婦ということについて

実に真面目に女性側からアプローチした本である。

普段は女性の書く文章を敬遠している私だが、

やはりこの手の話題では知りたいのは女性からの

コメントである。

『「生物学的にいって愛は四年で終わるものだから、
離婚も不倫も当たり前」と言われて「はいそうですか、
それじゃ」と気軽に自分の欲望を優先させるなんて
現実では考えられない。そうだ、飽きたくらいじゃ
離婚などできるはずがないんだ。それはわかって
いるのだけど、やっぱりこのままじゃいけないような
気がするし・・・・・・そんな煮え切らないことをあれこれ
思い悩んでいる人が、この国にはさぞかしたくさん
いるんだろうね』

『私は「予防」「練習」の甲斐もなくセックスレスになって
しまったカップルがとるべき道(というより、とれる道、
というほうが正しいだろう)は、本当はふたつしかない
と思っている。
ひとつはセックスの相手を現在の配偶者以外に求める。
あとひとつは、人生からセックスそのものを排除する。
このふたつだ。
前者の具体的な方法は「不倫」あるいは「離婚」。
後者はたとえば「昇華」しながら「諦観」する。
つまり性を超越して生きる。
夫婦がセックスレスの状態になった以上、もう性的には
ほとんど修復不可能であるから、それを大前提にして
解決の道を探れば、これまでとはまたちがった景色が
見えてくるのではないだろうか。努力さえすれば何も
かも満足のいく夫婦関係がもてるはずだ、というのは、
おそらく幻想にすぎない』

しかし、このことは実は性に限ったことではない。

私たちは様々なことに幻想を抱いて生きている。

そして、努力さえすれば何もかも満足のいくことなど

例外的なことであると知っている。

それでも人は努力し、悩むものなのである。

『こうして悩んだ結果、あるいは生物学的な自然に
反して、再び夫婦のエロスが燃え上がるかもしれない。
しかし、不幸にしてそうはならなかったとき、人は
おそらく深い諦観を経験するだろう。そしてそこがまた
新たな出発点になるはずだ』

人は何度でも出発する。

本当に嫌になるくらい何度でも。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 今なぜ、セックスレスが問題なのか/第1章 配偶者に欲情しなくなったら/第2章 セックスレスって何だろう/第3章 百年の恋がさめるとき/第4章 出産とセックスレス/第5章 家族の宿命/第6章 欲情消滅のメカニズム/第7章 ころばぬ先の杖/第8章 いよいよとなったら

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2012年2月25日 (土)

横須賀てるひささんの『もう、資格だけでは食べていけない』を読んでみた

横須賀さんの『もう、資格だけでは食べていけない
本気で年収激増させたい人必読の“資格起業虎の巻”』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、行政書士の横須賀さんが士業ビジネスの

「真実」と「本当に結果が出る方法」を丁寧に解説して

くれている。

横須賀さんの本を読むのは『行列のできる行政書士

事務所の作り方』に続いて2冊目になる。

今回、印象的だったのは、これまでの士業のあり方を

変えていくことにより「士業ジリ貧時代」にも通用する

タフなメンタルや考え方を伝えているところ。

たとえば、次のような点。

①「先生」と呼ばれるに値する実力を持つ
 士業は実務ができることが「最低ライン」
②資格起業家はお金のリテラシーを身に付けよう
 企業経営や個人の資産運用に必要となる
 ひととおりのお金の知識は、士業であれば
 必ず身に付けておきたい
③株式会社をつくり、経営者としての意識を持とう
 早い段階でセミナーや教材販売、コンサルティング
 などの派生事業を行うための会社を、士業事務所
 とは別につくってほしい
④士業はゼネラリストになってほしい
 専門家は「代えが効く存在」なので、お客様にとって
 「ただの士業」ではなく、代えがたいほど優秀な人材
 になっていくしか、生き残る方法はない

他にも今までの士業のイメージとは異なる戦略も

前著同様に盛りだくさんである。

①稼ぐための「ビジネスモデル」を構築する
②一番成功率が高いのは「コンテンツ型資格起業家」
③マーケティングに本気で取り組む
④「所長」として組織を大きくし、チームで勝ち抜く

ITを利用することは、最近の成功している士業の

共通点のようだが、横須賀さんはメルマガが

セミナーの集客や教材販売にはもっとも効果が

あるとしている。

そして、ブログやTwitterなどは補助の補助に

過ぎないとしている。

書かれていることはとても興味深いが、相変わらず

私には、かなり難易度が高い戦略だと思える。

けれど、楽して稼げる商売はないということを

教えてくれる良い本ではある。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「資格起業家」で新しい時代を生き抜こう!/第2章 「士業ジリ貧時代」には、タフなメンタルが求められる!/第3章 稼げる“資格起業家”になる「ビジネスモデル構築法」/第4章 一番成功率が高い!「コンテンツ型資格起業家」のはじめ方/第5章 マーケティングに本気で取り組むだけで、ライバルに大きく差を付けられる!/第6章 「所長」として組織を大きくし、チームで勝ち抜く意識を持て!

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2012年2月24日 (金)

望月護さんの『ドラッカーの実践経営哲学』を読んでみた

望月さんの『ドラッカーの実践経営哲学
〔新版〕ビジネスの基本がすべてわかる!』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ドラッカーの著作の重要性は何となく感じて

いるが難解で意味が分からないという人のための

解説本である。

翻訳書の要点を分かりやすい事例をもとに短時間で

読みたいという人のための要約本でもある。

ドラッカーの主要なメッセージについては当然のことだが

他の解説本と変わるところがない。

この本の独自の魅力としては、著者の望月さんが

ビジネスマンとして感じたことをドラッカーの言葉に

乗せて語っている部分だろう。

そして、望月さんの想いとして、ダメになっていく

日本企業と若い人への期待ということがあるのだろう。

特に日本企業の批判については、興味深い。

ドラッカーは組織の病状を次のように挙げている。

1.管理職の階層が多い。
2.調整のための会議や打合せが多い
3.機能別部門が細分化されている
4.人間が多すぎて人間関係に気をつかい合っている
5.役員の年齢層が偏っている

ドラッカーも日本の企業の経営がまったくダメである

ことを厳しく指摘していたこともある。

『日本でトップクラスの企業の経営陣のやっていることは
経営と呼べるものではない。会長と社長は政府と労働
組合の対応に頭を悩まし、副社長は人事に忙しい。
きちんとした方向付けというものがなされていないのだ』

これを受けて、望月さんは経済合理性とは無縁だった

「日本型経営」の3つの特徴を挙げている。

1.政官業の持たれあいで、競争原理が働かない経営
2.地価と株価の値上がりを前提にした含み益による経営
3.株式の持ち合いによる、チェックが働かない経営

2002年に発行された本の新書版での復刊ということも

あって、少し古い感じもあるが、ドラッカーと望月さんの

考え方が上手くミックスされていて、面白い本になって

いると言える。

最初から翻訳書に直接当たることに抵抗がある人は

ぜひ1度読んでみるといいと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 間違いだらけのマネジメント/第2章 お客軽視が不況を招いた/第3章 ビジネスの基本/第4章 販売前のマーケティング/第5章 お客は満足していない/第6章 お客本位へ/第7章 お客軽視の犯人/第8章 棄てる決断・やめる勇気/第9章 選手交代の時代の主役はあなただ

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2012年2月23日 (木)

小山龍介さんの『モチベーションを思うまま高める法』を読んでみた

小山さんの『モチベーションを思うまま高める法』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、HACK本の小山さんが考える現代の成功本

と言えるような本です。

しかし、直接「成功」を目指すこれまでの成功本とは

少し趣が異なっている。

『多くのビジネス書は、努力の結果、必ず成功するかの
ように書かれています。残念ながら「努力することで必ず
成功する」ということは、ありません。
 成功が約束されていない時代には、もっと悪いことに、
成功を目指そうとすればするほど、努力が辛いものと
なり、成功から遠ざかってしまうことさえあります』

『もちろん成功している人は、しっかり努力もしています。
その意味では、努力は成功の必要条件です。しかし、
それだけで大丈夫という十分条件ではありません。
とすれば、「成功するために努力しよう」という目的の
設定が間違っているのです』

『成功は直接の目的ではなく、あくまで副産物として
考えることが重要なのです』

自分も努力は必要だと思うが、それが必要条件かと

聞かれれば、素直にうなずけない。

世の中には努力なしに成功してしまう人がいるからだ。

では、なぜ私は努力するのかと聞かれれば、

そういった努力なしで成功できる側の人間でないことを

自分自身が知っているからだと答える以外にない。

そこには、やはり努力して成功したいという気持ちも

少なからず入っている。

なかなか小山さんのように潔くはなれない。

努力が報われず成功しないような時代であったとしても

努力する以外にできることもないのが現実だ。

それをひっくり返して、小宮さんは目的を次のように

人間の「尊厳」に置くべきだとしている。

『最終的ゴールは、自分の尊厳を守るための生き方
にあるのです』

『決して「成功」を目指してはいけない。
これは、尊厳を守るためでもあります。
他人の評価を前提とした「勝ち組」を目指す方法は、
あなたを卑屈にするでしょう。「他人の失敗」を前提
とした「勝ち組」という目標設定は、あなたを傲慢な
人間に変えてしまうかもしれません。尊厳を求める
生き方をするためには、「成功」というワナにはまって
はいけないのです。
お金や名誉といったものは、やる気の導火線に火を
つけるところだけで十分です』

お金や名誉のために頑張るといったことは、

私には若い頃から無縁だったけれど、

その時々の成功のための努力が今は家族の

ために頑張ることへと私も変わってきたように思う。

小山さんはそれを他人のために働くということに

まで拡張している。

『人は他人も含めた共同体のために働くときに、
驚くほどのモチベーションを発揮するのです』

ここでは当然のように会社などの共同体が

想定されているが、それ以外の家族を含む

多様な共同体を想定しても良いと思う。

引用が多いことがやや気になるが、全体としては

なかなか良い本ではないかと思う。

最近何となくモチベーションが下がっているという

ような人に、ぜひおススメの1冊です。

【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ 今後一〇年、あなたの人生から「すべての後悔」を消去!/1章 モチベーションを高める-新しい時代の「新しい成功法則」/2章 仕事をハックする-「圧倒的アウトプット」がなぜ可能?/3章 集中力を磨く-大切なところで「確実にヒットを打つ」法/4章 「ひらめく」技術-モチベーションを成果につなげる!/5章 さらなる効果-人生を「思うままコントロールする!」

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2012年2月22日 (水)

竹中平蔵さんの『絶対こうなる!日本経済』を読んでみた

竹中平蔵/榊原英資さんの『絶対こうなる!日本経済
この国は破産なんかしない!?』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、犬猿の仲とされていた竹中平蔵さんと

榊原英資さんをあの田原総一朗さんが上手く結び

つけた本である。

田原さんは2人のことをもっとも信頼するエコノミスト

の二大巨頭であるが、互いに批判しあった経緯が

あるとして、次のように紹介している。

『榊原氏は竹中氏のことを「無免許でスポーツカーを
疾走させている」と批判したことがある。
竹中氏は榊原氏のことを「官僚上がりの学者に何が
わかる」とこき下ろしたことがある』

そんな対立する二人が、デフレ、景気、為替、株、

成長分野、中国と「元」等、日本経済の当面の課題に

ついて意見を交換している。

立場としては、自民党小泉改革の最高責任者と

民主党の最大ブレーンということだが、考え方に

それほどの違いがあるようには思えなかった。

榊原さんが日本はフランス型の大きな政府を

目指すべきだというのに対し、竹中さんは

問題点が3つあると指摘する。

①官尊民卑の日本でさらに官を強くすることは
 社会保険庁みたいなものがいっぱいできて
 コントロールできなくなる。
②日本は人口が多すぎる。
 アメリカは人口規模が大きいので小さな政府。
③高齢者が多く若者や子供が少ない人口構成では
 特定世代の税負担が過大になってしまう。

では、竹中さんはどのような政府を目指すべきと

主張するのかといえば、分配のところは小さな

政府で、民間でできることは民間で、地方で

できることは地方でというもの。

ただし、消費税を上げなければいけないというのは

2人に共通する考え方。

このことは多くの国民も仕方ないとあきらめている。

また、官僚批判や天下りの禁止などの官僚イジメは

やり過ぎだということで2人とも否定的。

政治主導は素人主導であると、手厳しい。

そして、この鼎談の底流に常に流れているものは

英語を勉強しろということ。

日本のメーカーや金融が弱いのも英語が話せない

から、政治が弱いのも英語を話せる人を同じポストで

長く登用しないので人脈が築けないから。

若者に望むことも英語を身に付けて早く海外を

経験すること。

英語が話せない私にとっては耳の痛いことだが

やっぱり日本国内だけで考えていると、なかなか

明るい話題が出てこないのが現実だ。

経済だけでなく、日本の将来を考えるうえでも

とても参考になる1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 アメリカ、中国は、これからどうなる?-「坂の上の雲」の先に何が見えるか?/第2章 日本経済のここが大問題-日本企業のビジネスモデルをこう変革しよう!/第3章 技術で勝って商売で負ける日本-勝つために何をすべきか?/第4章 これから儲かる、成長するビジネスとは?-製造業から本格的なサービス産業の時代に/第5章 日本は破産なんかしない!?-目指すはアメリカ型競争社会か、ヨーロッパ型福祉社会か?/第6章 絶対こうなる!日本の政治-民主党の“脱官僚”は大間違いだ!/第7章 絶対こうなる!10年後の日本-日本を明るくするために

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2012年2月21日 (火)

辛坊治郎さんの『中国この腹立たしい隣人』を読んでみた

辛坊治郎/孔健さんの『中国この腹立たしい隣人』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、現代の強国となった中国について辛坊さんが

孔子の第75代直系子孫である孔さんに様々な質問を

ぶつける形で構成されていて、とても面白い。

ただ、多民族国家であり国土も広い13億人の人口を

抱える国について、チャイニーズドラゴン新聞編集主幹

であるとはいえ、孔子の子孫というだけで、たった一人の

中国人に聞いただけで今の中国についてすべて正しい

情報が得られるとは考えないほうがいいのかもしれない。

けれど、実態の分からない隣の強国について考える際

の材料としては、とても優れた1冊である。

内容としては、各種メディアで報道されているようなこと

から、まったく知らないことまで盛りだくさんだ。

たとえば、尖閣諸島問題に関連して、「沖縄は中国の

領土である。今すぐ、中国に沖縄を返せ!」というような

驚きの主張もある。

また、沿海部の「海の中国」と内陸部の「山の中国」の

違いや、反日感情などの記述は興味深い。

さらに、次期国家主席の争いに関しての記述では、

日本のマスコミが「李克強を次期主席に押した胡錦濤」

VS「習近平を主席にしたかった江沢民」という構図を

描くのに対して、孔さんは「習近平が一番感謝している

のは江沢民ではなく曾慶紅だ」と言っている。

そして、その曾慶紅は日本とアメリカが大好きで、政治

よりもお金であり、日本の技術に対する関心が非常に

高い政治家だということだ。

孔さんの話からすると、胡錦濤自身が習近平を選んだ

のであり、反日政策を推し進めた江沢民は関係ないと

いうことらしい。

その意味では、習近平体制になったときの中国と日本

の関係は、今より期待が持てるかもしれない。

ただ、日本側の政治があまりにも貧弱なのが気がかり

だけど。

分かりにくい中国を考えるうえでは、ぜひ参考にして

もらいたいオススメの1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 世界中にケンカを売りまくる暴走大国の本音(尖閣問題の真実(1)中国政府は日本の政局を読み間違えた?/尖閣問題の真実(2)そもそも尖閣諸島は日本の領土のはず ほか)/第1章 中国の「人」-金と色恋、かくもたくましき民族性!?(「海の中国」は親日派、「山の中国」は反日派/アニメ・日本文化大好き!でも、日本人は嫌い ほか)/第2章 中国の「社会」-格差・無秩序が理解のキーワード(拡大するさまざまな格差/好景気なのに、エリート層に職がない不思議 ほか)/第3章 中国の「政治」-国内外どこもかしこも揉め事だらけ!?(日本人には複雑怪奇な中国の政治システム/中国共産党内での序列はどう決まる? ほか)/第4章 中国の「経済」-どこまでもKY国家の自分ルール!?(「中国経済は早晩に失速」説の真相/国のモノは僕のモノ。国有企業を私物化する仕組み ほか)

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2012年2月20日 (月)

スティーブ・ウォズニアックさんの『アップルを創った怪物』を読んでみた

スティーブ・ウォズニアックさんの『アップルを創った怪物
もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、スティーブ・ジョブズとともにアップルを

創った、もう一人のスティーブの自伝である。

しゃべり口調の読みやすい本であるが、ジョブズの

伝記等と違い、技術的なことも多く書かれている。

ただし、専門的な細かいことが書いてあるという

のではないので、特に知識がなくても大丈夫。

私のようにパソコンにカセットテープのデータを

読み込ませていたような古い世代には懐かしい

記述も多い。

(今の若い人には、8インチや5.25インチの
フロッピーなんて分からないだろうし、3.5インチの
フロッピーディスクも、使ってる人は少ないだろう)

この本の少し残念な点は、スティーブ・ジョブズとの

関係があまり語られていないこと。

もちろん、ウォズニアックの子供の頃からの考え方

などを読むことで、ジョブズとどのような関係であった

かは、うかがい知ることができるが、もっと直接的に

どのように2人が仕事をしたのかが書かれてあると

良かったのにと思う。

ただ、分かったことも多く、ウォズニアックもジョブズも、

シンプルさへのこだわりが共通している。

いたずら好きな点やお互いを尊敬していることも同じ。

2人が影響を与え合ったことは間違いなく、特に

アップル製品のデザインやイノベーションなどには

そのことが現れているように思う。

見た目をスマートにすればよいというようなことだけ

ではなく、同じ機能なら使う部品の数を少しでも

減らすほうがシンプルで優れているという考えや、

目に見えない部分の基盤さえもスマートにしようという

こだわりが、結局のところ、いかに使いやすくするか

というユーザー目線のデザインにつながっている。

また、この本を読んでいて面白かったのは、ウォズ

ニアックがアップルとは別の会社を始めるときに、

ジョブズたち経営陣に、そのことを伝えるのではなく、

エンジニアとしての上司にだけ伝えたりするところ。

ウォズニアックがエンジニア部門のトップでない

ところも、現場でものづくりだけをしていたいという

ウォズニアックらしい。

あとは最初の奥さんと一緒の時間がもちたくて、奥さん

が関係していたフリーメーソンに入会し、幹部にまで

なってしまったり、奥さんのために映画館を買ってあげ

たり、ちょっとやりすぎな一面もある。

ジョブズも面白いがウォズニアックも負けずに面白い。

アップルファンでなくても、読んでみるといいと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
僕たち電気少年/論理ゲーム/コンピュータとの出合い/テレビ妨害機/僕のクリームソーダ・コンピュータ/はらはらどきどき電話フリーク/スティーブとめちゃくちゃした日々/ヒューレット・パッカード時代/いかしたプロジェクト/僕のすごいアイデア/アップル1/僕らの会社/アップル2/フォード以来、最大の株式公開/ウォズ・プラン/不思議な飛行機事故/僕の「ウッドストック」/アップルからCL9へ/子どもたちに教える/人生の法則

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2012年2月19日 (日)

池田信夫さんの『希望を捨てる勇気』を読んでみた

池田さんの『希望を捨てる勇気
停滞と成長の経済学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、小泉改革は本当に悪かったのかという

ことや派遣労働は禁止すべきなのかといった話題

などを取り上げながら、現在の経済学の常識に

近い内容をなるべくやさしく解説しようとした本である。

特に、「事後の正義」や「トレードオフ」の考え方は、

とてもよく理解できた。

また、私が最近気になっているユニクロについて

結果的に日本の産業構造の盲点をついたという

分析をしており、ポイントを次の3つとしている。

1.日本型流通機構からの脱却
2.グローバルな垂直統合
3.自己責任

特に3つ目の自己責任ということに関しては、

柳井さんはユニクロ以外のほとんどについて

失敗したが、すべての責任を自分で取った点を

自己責任に基づいていると評価している。

この本は、通常の経済学のテキストのような解説の

順序ではないので、ある程度の知識があったほうが

楽しめることは間違いないが、経済学の知識が

ない人でも新聞に書かれていることをある程度

追っている人であれば問題ないだろう。

考え方のすべてに同意できるわけではないが、

違和感を覚える内容であっても作者の考え方が

シンプルで、自分の意見を持ちやすい良書である。

最後に書かれた次の言葉が示唆に富んでいる。

『今の日本に足りないのは希望ではなく、
変えなければ未来がないという絶望ではないか』

とにかく、私にとってはとても興味深い話が

たくさん詰まっていて、読みごたえがあった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 格差の正体/第2章 ノンワーキング・リッチ/第3章 終身雇用の神話/第4章 長期停滞への道/第5章 失われた20年/第6章 景気対策の限界/第7章 日本株式会社の終焉/第8章 「ものづくり立国」の神話/第9章 イノベーションと成長戦略

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2012年2月18日 (土)

勝間和代さんの『ズルい仕事術』を読んでみた

勝間さんの『ズルい仕事術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、前著の『まじめの罠』の実践編(続編)。

前著では、「まじめ」だけでは通用しないということで

次のように「非まじめ」を薦めていた。

『でも、勘違いしないでください。では、ただ単に
「ふまじめ」でいいのかというと、それは間違いです。
「ふまじめ」と「努力しない」というのはまた別の話
です。また、怠惰であることを「ふまじめ」だと勝手に
解釈する人も多いのですが、それも間違いです。
この場合の「ふまじめ」というのは、「非まじめ」と
表現したほうが正確かもしれません』

そして、この本では「まじめの罠」にはまらないために

どのような努力をして、どのような技術(スキル)を

身に付ければ良いのかということが書かれている。

1.自己分析力
2.論理思考力
3.レバレッジ力

必要なのは3つの力と、そのバランスということである。

いたってシンプルな主張だが、少しわかりにくいのは

3つ目のレバレッジ力だろうか。

これは「自分以外の人の力を活用する」方法で、

特に「市場」「人脈」「IT」を利用すべきとされている。

ここで市場というのは、分かりやすく言えば「お金」

のことである。

『なぜ、お金がある程度あったほうが幸せになれる
確率が高いかというと、お金を使って、自分の人生
だけではなく、ほかの人の人生の成果も同時に楽しむ
ことができるというレバレッジをかけられるからです』

勝間さんらしい挑戦的タイトルではあるが、内容は

当たり前のことをきちんとやるべきということ。

『ズルい仕事術とは、限られた時間や能力を付加価値
のあるアウトプットに効果的につなげる仕事術』

ここには努力の否定もなければ、効率重視で全てを

犠牲にしてしまっても良いというような発想はない。

私たちが努力を認めてもらいたいと主張するときの

ほとんどが結果が悪かったときではないだろうか。

だから結果に対して責任を問われない公務員は、

初めから努力賞狙いで長時間労働になってしまう

のかもしれない。

現在まじめに頑張って上手くいっているならそれで

良いが、頑張っても報われずに悩んでいる人は

少し肩の力を抜いて自分の得意なことに集中して

みるといいのではないだろうかと思われる。

今悩んでいる人にこそ、この本を読んでみることを

オススメする。

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめに(なぜズルさが必要なのか?/あなたの生産性を阻む5つの病状 ほか)/第1章 「ズルい仕事術」を支える3つの柱(3つの力のかけ算とバランスが大事/ズルい人とズルくない人のいちばんの違いは? ほか)/第2章 ズルい仕事術を支える柱1・自己分析力(気づきその1・自分の判断はあてにならないということを徹底して知ろう/気づきその2・「しょせん、自分ができることなんて限られている」 ほか)/第3章 ズルい仕事術を支える柱2・論理思考力(論理思考力を構成する3つの力その1・正しく課題を設定する能力/論理思考力を構成する3つの力その2・課題に対して仮説をしっかりとつくる能力 ほか)/第4章 ズルい仕事術を支える柱3・レバレッジ力(レバレッジ力その1・市場をレバレッジする/レバレッジ力その2・人脈をレバレッジする ほか)/おわりに ズルい仕事術とは、「自分をいつも見つめ直し」「常識を疑い」「運のいい人になる」こと

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2012年2月17日 (金)

レイ・クロックさんの『成功はゴミ箱の中に』を読んでみた

レイ・クロックさんの『成功はゴミ箱の中に
レイ・クロック自伝』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、マクドナルドをチェーン店として成功させた

レイ・クロックさんの自伝である。

52歳からの遅いスタートにもかかわらず大成功を

収めた強靭な精神は、参考にすべき点が多かった。

もちろん、52歳までの経験がマクドナルドを成功させた

原動力であることも見逃せないが、マクドナルドに

出会ってからの奮闘振りは、とても興味深い。

また、レイ・クロックさんの言葉が生き生きと表現され

ていて、どこを読んでも面白かった。

中でも印象的だったのは、レイ・クロックさんが

「マクドナルドのハンバーガーレストランを4000店

建てた精神」として紹介している次の言葉である。

やり遂げろ――
この世界で継続ほど価値のあるものはない。
才能は違う――
才能があっても失敗している人はたくさんいる。
天才も違う――
恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世界にいる。
教育も違う――
世界には教育を受けた落伍者があふれている。
信念と継続だけが全能である。

他にも、ユニクロの柳井さんやソフトバンクの孫さんの

解説がそれぞれの人柄が出ていて面白かった。

巻末の付録2は、特に私がファンである柳井さんの

「レイ・クロックの金言、私はこう読む 事業の作り方・

市場の捉えかた法則7」となっていて、読みごたえ充分。

【目次】(「BOOK」データベースより)
チャンスを逃すな/仕事はハンバーガーの肉だ/セールスの極意/売上げを伸ばす/ストレスに打ち勝つ!/契約の落とし穴/フランチャイズシステム/成功の方程式/知りたいことはゴミ箱の中に/キャッシュフロー/取引先とともに成長する/理想の組織/トップは孤独である/ヒット商品の作り方/球団買収/やり遂げろ!

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2012年2月16日 (木)

小宮一慶さんの『コンサルタントの仕事力』を読んでみた

小宮さんの『コンサルタントの仕事力』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、コンサルティング力は、およそどんな職種の

人にも必要なものであるということで、ベテランコンサル

タントの小宮さんがこれまでにその著書の中で語って

きたことを上手くまとめてくれている本である。

まず、コンサルティング力に必要な6つのスキルは次の

とおり。

1.話を聞く
2.理解する
3.関連づける
4.話す力
5.書く力
6.説得する力

そして、一歩先を行くためのコツは、次のとおり。

1.自分の専門分野を勉強する
2.本質を勉強する
3.本を読んで原理原則を知り論理的思考力を高める
4.毎日の積み重ねがモノをいう
5.一歩踏み込む(メモをする習慣をつける)
6.人生(生き方)の勉強をする

さらに、時間力を高める2つのコツは次のとおり。

1.「やる気の出る時間帯」を把握する
  集中力を保てて、自分の能力をフルに出せる
  時間を見つけること
  やるべきことを把握し、事前準備を怠らない
2.自分にしかできない仕事に集中する
  まず「やらされている感覚」を追放する
  月初めに仕事とプライベートの目標を立てる

最後に、コンサル力を高める5つの習慣は次のとおり。

1.早起きする
2.日記をつける
3.座右の書を繰り返し読む
4.約束を守る
5.関心のあることを人に話す

相変わらずコンパクトにまとめられていて、参考になる

ことが盛りだくさんである。

他の本との重複を考えても、これはオススメである。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 コンサルティング力とは何か(話を聞く/理解する/「話す力」「書く力」「説得する力」)/第2章 コンサルタントの勉強法(マクロ経済は難しくない/成功事例と失敗事例の活用法/会計・財務は読み方が分かればよい/一歩先を行くためのコツ)/第3章 経営コンサルタントの行動力(まず自分がやってみる/お客さまに会いに行こう/いろいろなところに行って、「仮説→検証」/行動するときのポイント)/第4章 経営コンサルタントの時間力(時間力を高めよう/時間力を高めるコツ1 「やる気の出る時間帯」を把握する/時間力を高めるコツ2 自分にしかできない仕事に集中する/一流と二流を分けるもの)/第5章 コンサル力を高める5つの習慣(早起きする/日記をつける/座右の書を繰り返し読む/約束を守る/関心のあることを人に話す)

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2012年2月15日 (水)

平野敦士カールさんの『プラットフォーム戦略』を読んでみた

平野敦士カール/アンドレイ・ハギウさんの
『プラットフォーム戦略 21世紀の競争を支配する
「場をつくる」技術』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、昔からある「プラットフォーム戦略」について

解説した本である。

「プラットフォーム戦略」とは、多くのグループを1つの

「場」に乗せて、マッチングや集客などさまざまな機能

を提供することにより、検索や広告など各種のコスト

を減らし、クチコミなどの外部ネットワーク効果を創造

することで、新しいシステムを構築する戦略である。

具体的には、楽天やアップルのとっている戦略という

ことだが、少しまとめてみる。

プラットフォームの5つの機能は次のとおり。

1.マッチング機能
2.コスト削減機能
3.検索コストの低減機能(ブランディング・集客機能)
4.コミュニティ形成による外部ネットワーク効果・機能
5.三角プリズム機能(通常直接相互作用の及ばない
  2つ以上のグループを結びつける機能)

勝てるプラットフォームの3つの特徴は次のとおり。

1.自らの存在価値を創出すること
  (検索コストと取引コストを下げる)
2.対象となるグループ間の交流を刺激すること
  (情報と検索)
3.統治すること
  (ルールと規範を作りクオリティをコントロール
  すること)

では、プラットフォーム戦略が重要だとすると、

日本企業は何をすべきかということであるが、

まず、「はじめからグローバル市場を視野に入れた」

ビジネスを展開することが何よりも重要だということ

である。

そのためには、ITと経営双方に精通した、語学も

堪能な国際的人材の育成が重要になってくると

いうことである。

プラットフォーム戦略では、必ずしも最初にできた

ものが最後まで残るわけではないということなので、

まだまだ日本にも可能性があるという話は、読んで

いてとても興味深かった。

戦略の構築を考えている人には、参考になる1冊

だと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 世界最先端のプラットフォーム戦略とは?(合コンでは幹事が一番得をする/世界最古のクレジットカードは食事のクラブ ほか)/2 ケースで学ぶ勝つプラットフォーム構築のための9つのフレームワーク(勝てるプラットフォームの3つの特徴/プラットフォーム構築の9つのフレームワーク ほか)/3 プラットフォームの横暴にどう対処するべきか(プラットフォームの横暴/戦略的プレーヤーの場合の対処方法 ほか)/4 フリー、オープン化という「負けない」戦略(フリーミアムはプラットフォームの横暴?/ソーシャルメディアでのアプリケーションはなぜ儲からないか ほか)/5 日本企業復活への処方箋(日本の産業再生に欠かせないプラットフォーム戦略思考/日本企業は何をすべきか-「はじめからグローバル」への転換が急務 ほか)

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2012年2月14日 (火)

レスター・C・サローさんの『知識資本主義』を読んでみた

レスター・C・サローさんの『知識資本主義』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、グローバリゼーションが格差をもたらした

のではないことや、知識集約型経済がこれまでの

経済とどこが違っているのかに関して解説している。

後者については多くの知識人が指摘していること

なので今更という感もあるが、前者については

分かりやすい解説が少ないので参考になる。

そして、9.11以後のアメリカとグローバリゼーション

については、受け入れるか拒否するか以外の

第三の選択として、マイナス面を排除した新たな

グローバル経済の構築を提唱していて興味深い。

また、この本は2004年に出版された本なのだが、

次の記述は3.11以後の日本の読者としては

心が痛い。

『日本人は豊かな国に住む貧しい人々である。
日本の住宅は、より貧しい国々の平米数より狭い。
オランダのように人口密度が高い国でも、一人
当たりの住宅面積は日本よりも広いのである。
この問題を未解決のままに放置しておくことに
対する言い訳など存在しない。しかし、日本は
これまで住宅建設ブームを起こすだろう税制、
日照、地震などに関する法律を改正してこなかった。
 もし「政府」の役割が、景気を回復させることである
のなら、日本には政府など存在しないといえる。
日本の政府は喋り、議論し、約束するが、行動は
しない』

政府の役割は、景気を回復させることのみに

あるのではない。

しかし、景気対策として作られた無駄な箱物の

数々を目にすると、なぜこの予算を地震対策へ

回さなかったのかと思わずにはいられない。

日本で大地震が起きたのは今回が初めてではない。

しかも、ほぼ全国的に対策は必要とされている。

地方選出の国会議員が地元にお金をばら撒くにも

格好の材料だったはずなのに。

とにかくいろいろなことを考えさせられる良書である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 バベルの塔/第2章 アメリカ・日本・ヨーロッパ/第3章 資本主義の本質/第4章 反グローバリゼーションの声/第5章 真の脅威/第6章 資本主義を建て直す/第7章 CKO(最高知識責任者)/第8章 知識資本主義-成功の条件

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2012年2月13日 (月)

ロバート・B・ライシュさんの『暴走する資本主義』を読んでみた

ロバート・B・ライシュさんの『暴走する資本主義』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、現代の超資本主義では、民主主義がうまく

機能しなくなっていることが問題であると指摘している。

まず、第1章と第2章で超資本主義に至る歴史を描き

第3章と第4章で我々の中にある二面性と超資本主義が

もたらす社会的な負の面として、民主主義が侵食されて

いる事例を紹介している。

そして、第5章で企業のCSRでは、民主主義が回復され

ないことを指摘し、最終章で超資本主義に対する処方箋

を書いてみせている。

では、この本が問題視している我々の中にある二面性

とは何かといえば、次のような相反する立場である。

たとえば、私たちは企業のリストラや人件費の抑制に

よって、「消費者」や「投資家」として超資本主義から

利益を得ている。

しかし、その一方で「市民」や「労働者」としては、まさに

そのリストラや人件費抑制の犠牲者となっている。

超資本主義以前と比べて、私たちは、よりよき社会を

作っていく責務を担えているのだろうか。

個別の企業をやり玉に上げるような運動で満足するの

ではなく、現代の資本主義のルールそのものを変えて

いく必要があるのではないだろうか。

それは「消費者」や「投資家」としての利益が減ずること

になろうとも、決断していかなければならないことである。

そういった方法でしか、この超資本主義に対抗する軸を

私たちは持つことができないということだ。

労働者としては、すでに私たちはこの本を読む前から

グローバルな資本主義の問題点を実感している。

それを具体的に考えさせてくれるという意味では、

間違いなく良書である。

処方箋がもっとしっかりとしていれば、なお良かった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序 パラドックス/第1章 「黄金時代」のようなもの/第2章 超資本主義への道/第3章 我々の中にある二面性/第4章 飲み込まれる民主主義/第5章 民主主義とCSR/第6章 超資本主義への処方箋

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2012年2月12日 (日)

牛越博文さんの『これだけは知っておきたいドラッカー』を読んでみた

牛越さんの『これだけは知っておきたいドラッカー』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、正直言っていまだにドラッカーの著作が

きちんと読めない私にも、その全体像と見取り図を

教えてくれる、とても参考になる本である。

何度もやって来るドラッカーブームにもかかわらず

まったくその著作の面白さが分からず、何が言いたい

のか疑問に思っているような人には、必ず読んで

欲しい1冊である。

ドラッカーを読む上でのポイントになる箇所を

私なりに抜き出してみると次のとおり。

①「企業の目的は、顧客の創造にある」

②「企業は、自らの社会に与える影響について
 できるだけ広く捉え、その影響について責任を
 持つべきだ」

③組織を動かす際の自由と責任、その方法論を
 徹底して考え抜いたのが、ドラッカーです。

④ドラッカーの主張を極限まで要約し、二段階に
 分けて言うと、以下のようになります。
 1.本当の経営者はイノベーションを起こす。
 2.イノベーションを起こすには、組織を
   マネジメントする必要がある。

⑤ドラッカーがベースにしたシュンペーターの
 イノベーションは次の5つ
 1.新しい製品を生産すること
 2.新しい生産方法を導入すること
 3.新しい販売先を開拓すること
 4.新しい仕入先を獲得すること
 5.新しい組織を実現すること

⑥ドラッカーのイノベーションの目的はあくまでも
 「顧客の満足度を上げる」ことにある

⑦コスト削減のためにリストラをすることは間違っている
 赤字であっても社員の給与を下げなければ乗り切れ
 ないような経営者は、まず自分が去るべきである。

⑧イノベーションのチャンスは次の7つ
 1.予想しなかったことが起こったとき
 2.なんらかの差がわかったとき
 3.プロセスのニーズが現れたとき
 4.産業と市場の構造が変化したとき
 5.人口の構成が変化したとき
 6.ものの考え方・見方や気持ちが変化したとき
 7.新しい知識が生まれたとき

⑨「本当の経営者は、よく考えずに行動する」
 自分の見たままに、感じたままに行動する。

⑩未来は誰にもわからないが、自己実現に
 成功した人はある〈方法〉をとっている、
 その方法こそマネジメントです。
 マネジメントは、絶対真理ではなく一つの
 方法論に過ぎません。

⑪経営者が何の価値観も持たずにあるがままを
 見るだけでは、やがて道に迷ってしまいます。
 かといって、未来を予測しようとすると、それは
 誰にもわからないので、やっぱり道に迷って
 しまいます。だから、組織の目指す目的地が
 必要です。その目的地が「顧客の創造」であり、
 これは「便宜上」打ち立てられたものなのである。
 なぜなら「絶対真理」はないからです。

⑫知識社会とはどのようなものか。
 1.自由放任の時代から福祉国家の時代へと変わり、
  価値観は個人的なものから社会的なものに変わった。
 2.資本主義社会から知識社会へと変わり、資源が
  資本・労働・土地から知識に変わった。

⑬経営者への5つの質問
 組織のマネジメントについて経営者が自らを
 評価するための問い
 1.我々のミッション(使命)は何か
 2.我々の顧客は誰か
 3.顧客は何に価値を感じているのか
 4.我々にとっての成果は何か
 5.我々のプランは何か

⑭経営者は、専門知識を使って成果を上げる人を
 評価します。
 知識労働者が働く理由は自己実現なので、
 仕事で成果を上げたかどうかは、自己実現
 したかどうか、とイコールになります。
 自己実現はミッションへの貢献によってなされ
 るので、どのくらいミッションに貢献したかが、
 成果の評価になります。
 ミッションは売上や利益ではありません。

⑮経営者が成果を評価するのは、賃金を決める
 ためではなく、社員と組織がどれだけ自分の
 強みを発揮しているかを知るためである。

⑯経営者が初めから持っていなければならない
 資質が一つだけある。それがintegrityです。
 integrityは「真摯さ」「誠実さ」「邪心がない」
 「汚れがない」という意味です。

この本を読んでようやく、ドラッカーが本当は

何を言いたかったのかが分かった気がした。

ドラッカーの読みにくさは、「これだけは知って

おきたい」ことをまとめて提示してくれない点にある。

それが、何度読んでも新しい発見がある

ドラッカー本の人気の秘密でもあるのだろうが、

私のようなものには、こういう本こそ有難い。

ドラッカーブームに何度も乗り損ねた人にこそ

ぜひおススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめに いま、なぜドラッカーなのか/第1章 イノベーションとは何か(イノベーションとは-/まやかしのイノベーション ほか)/第2章 どのようにイノベーションを起こすのか(経営者は全体を「直観」する/方法にはうまいコツがある(「組織のマネジメント」) ほか)/第3章 マネジメント(我々のミッション(使命)は何か/我々の顧客は誰か ほか)/第4章 知識労働者

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2012年2月11日 (土)

青野慶久さんの『ちょいデキ!』を読んでみた

青野さんの『ちょいデキ!』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、小飼弾さんの『新書がベスト』で紹介されて

いたので読んでみたのだが、少しの工夫で、ちょっと

デキるビジネスパーソンになれる方法というコンセプト

からは、かなりかけ離れた王道を行く方法が書かれて

いるように思う。

また、青野さんの輝かしい経歴を見てもわかるとおり、

明らかに「ちょいデキ」の域を超えてしまっている。

たとえば、簡単な経歴を見るだけでも、大阪大学の

工学部情報システム工学科を卒業後、松下電工に入社、

BA・セキュリティシステム事業部営業企画部に在籍後、

1997年、サイボウズ株式会社を設立、取締役副社長に

就任し、マーケティング担当としてウェブ・グループウェア

市場を切り開くことに成功。

現在はサイボウズの社長として活躍されている。

では、私たちデキの悪い者たちはどうすればいいかと

いうことであるが、そこはデキル人の本だけあって

親切に面接の受け方、話し方、読書の方法など、

事細かに語ってくれている。

中でも、次のマーケティングの7カ条は参考になる。

1.すべては顧客を中心に、シンプルに考えよ
2.顧客と長いつき合いを!
3.顧客に教えてもらえ
4.まず、目の前の顧客を喜ばせよ
5.目立て!
6.ITを研究し、大衆化せよ
7.データ狂になれ

マーケティング担当だった人だけに、納得させられる。

自分はデキルと思っている人にこそおススメの1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 大企業に溶け込めず、起業へ/第2章 こんな私でもなんとかやってます/第3章 Q&A基礎編/第4章 Q&A役に立つ実践編/第5章 Q&Aビジネス情報収集術編/第6章 Q&A健康管理編/第7章 では、現場へ「行ってらっしゃい!」

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2012年2月10日 (金)

白田秀彰さんの『インターネットの法と慣習』を読んでみた

白田さんの『インターネットの法と慣習
かなり奇妙な法学入門』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、インターネット時代の法律についての入門書

であるが、特に個別の法律について論じたものではない。

サブタイトルに「かなり奇妙な法学入門」とある割には

第1章では、まず法そのもに対する考察や、大陸法と

英米法の考え方の違いといったオーソドックスな始まり

である。

第2章では、ネット社会においては、一般社会では認め

られていない自力救済が一部で行われていることや、

「複製=善」の「慣習」がもともとあり、これを事物の

本性と人間の合理性から発する行動であるとして、

教育だけで「著作権違反(複製)=悪」という概念を

慣習化していくことは難しいとしている。

第3章では、思考実験として著作権を法律で保護など

しなくてもいいのではないかということを考えることに

よって、逆に著作権の守るべき本質を考えさせてくれる。

ただ、インターネット社会で問題となる法律について

これから勉強しようという人には、期待はずれに

終わるかもしれない。

この本は、変化の激しいインターネット社会において、

後追いになってしまっている法をどのように捉えれば

いいのかを解説するとともに、インターネットの世界に

現行の法律を適用することの限界も示している。

そこで最後に奇妙な結論として、政治家はネットの

世界を理解しないので、ネット世界に適した法整備を

行わない、あるいはその必要性さえ感じていない。

であれば、このような状況を打破するためには、

法整備よりもまずネット上で好ましい慣習を作り出し、

最終的にはネットの世界の意見を代表する議員を

議会に送り込んだらどうだろうかというものである。

このことは、慣習から法にいたる道筋と、法が常に

政治的であることを知っているものには馴染み

やすいかもしれないが、今ある法を学びたかった人

には、なんとも唐突な感じなのではないだろうか。

1冊目にしてはハードルが高いかもしれないが、

法学そのものの入門書としては面白い。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 法の根っこを考える(そろそろ真面目に「法」について考えよう/法と法則/大陸法と英米法の考え方/イングランド法についてちょっと補足)/第2章 権利をしっかり知っておく(自力救済と紛争解決/名誉と自力救済、そして法/知的財産権制度と封建制について/権威と典礼)/第3章 これからの法と社会を模索する(政治的であることについて/メンドウな事態とポリシー・ロンダリング)

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2012年2月 9日 (木)

村上憲郎(ムラカミノリオ)さんの『村上式シンプル英語勉強法』を読んでみた

村上さんの『村上式シンプル英語勉強法
使える英語を、本気で身につける』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、Google米副社長兼日本法人社長の著者が

初公開する、30歳から独学で身につけた使える英語の

シンプルな学習方法についての本である

まず、その勉強法の特徴は、次のとおり。

①必要なことしか、やらない
②スクール、高額教材、勉強机はいらない
③英語は「お勉強」ではない

では、必要なこととは何かといえば、次の5分野の強化。

【読む】
・英語を英語のまま「内容を英語で読む」
・意味が分からなくても後ろへ戻らない
・パラグラフの途中で息継ぎをしない
・『学校で絶対に教えてくれない超・英文解釈マニュアル』

【単語を覚える】
・目標3000語レベル 『英絵辞典』 The Oxford Picture Dictionary
・目標6000語レベル 『英単語ピーナツほどおいしいものはない』 銅・銀・金メダルコース
・目標1万語レベル 『発信型英語10000語レベルスーパーボキャビル』

【聴く】
・英語が聴こえるようになるには、耳を鍛えて
 高周波を聞き取る力をつけるしかない
・トータルして1000時間聴けば、誰でも英語を
 聴き取れるようになる(1日1時間×3年)

【書く】
・日本人に英作文は無理
・あきらめて「英借文」する
・おすすめのウェブサイトはDocstoc.com

【話す】
・英会話の基本5パターンを身に付ける
 『これで話せる英会話の基本文型87』
・自分自身に関する100の文章を作る
 『1分間英語で自分のことを話してみる』

参考書が古いことがあるが、手には入る。

やるべきことと、あきらめることが明確で、

私のように苦手意識のある者にも取り組みやすい。

もう一度、英語をやり直したい人にもおすすめである。

【目次】(「BOOK」データベースより)
Prologue 英語が出来なきゃ話にならない/1 英語を読む/2 単語を覚える/3 英語を聴く/4 英語を書く/5 英語を話す/Epilogue 英語の勉強に終わりはない

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2012年2月 8日 (水)

土居丈朗さんの『財政学から見た日本経済』を読んでみた

土居さんの『財政学から見た日本経済』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、財政学という私が今まであまり読んだことが

ない分野について土居さんがうまくまとめてくれている。

残念なのは、この本が2002年10月の出版と、

やや古いため、出版時よりさらに深刻さを増す

現状には当然のことながら話が及ばないところ。

ただ、これまでの財政の悪化の理由や歴史などは

リアルタイムでニュースなどを見てきた者にも

とても興味深く、頭が整理されていい本である。

たとえば、国鉄の民営化などはよく知っていることの

ように思っていたが、1987年の民営化時に負った

債務約14兆円が、1998年の国鉄清算事業団の

解散時には約28兆円に膨らんでしまっていたこと

などは、当時話題になっていたのかさえ思い出せない。

さらに、その理由が利払い分の売却資産や収入源を

清算事業団に用意しなかったというお粗末な理由で

あったことや、当時のバブル絶頂期に政府が「投機を

煽ることになるから、土地を売るな」と決めたことで

絶好の売却時期を逃すにいたってはバカバカしくて

話にならない。

また、地方の財政と国の財政の関係や特殊法人の

杜撰な制度などは、よく話題にされることではあるが

あらためてまとめて読んでみると、どうしてこのような

酷い制度を続けてきたのか理解に苦しむ。

一部は現在では改革されていることになっているが

本当に健全化の方向で進められているのか

何だか怪しい気がしてくる。

そこで、土居さんの破局を避ける提案は次のとおり。

①特殊法人の全廃
②補助金(地方交付税)制度を廃止し、地方分権化
③国政選挙の定数是正による定数格差解消

一般に財政の詳しい知識は、一部の人に専有されて

いて、特に官僚が自分たちに都合のよいように国民を

誘導している感じがあるので、このような本は有難い。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 税金はどこへ消えた?/第2章 景気対策はなぜ失敗し続けるのか/第3章 地方が自立できない真の理由/第4章 なぜ破綻せずに借金をし続けられたのか/第5章 財政破綻、そのとき国民は/第6章 破局を避ける道

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2012年2月 7日 (火)

門倉貴史さんの『中国経済の正体』を読んでみた

門倉さんの『中国経済の正体』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、中国市場の特殊性、米中関係、環境問題、

地下経済の闇など興味深い内容をデータ満載で

紹介してくれている。

特に中国独自の1人っ子政策などは、今後どうなって

いくのか関心をもって読んだ。

ただ、最も注目したのは、やはりこの時期だけに

中国の原発の状況である。

この本の中では、原発の建設ラッシュが取り上げ

られているが、沿岸部を中心に、すでに11基が

建設されており、21基が建設中ということだ。

中国と言えば08年5月の四川大地震が思い出さ

れるように、大規模地震の危険性がある。

また、正直言って今回の高速鉄道のようなことも

あるので、人災などの不安もある。

日本でも、今回の震災前までは世界に原発を

輸出して外貨を稼ごうとしていたくらいなので、

安全なものだと言われてきたし、危険性を指摘する

人の声を取り上げてこなかった。

本当は、誰もが今回のような地震は想定できたし、

人災の危険性は感じていたのだが、経済を優先する

あまり、積極的にだまされることを選んだのだ。

また、都市部の人間には私も含めて地方の他人事と

思いたい気持ちもあったのだ。

では、中国の原発は大丈夫なのか。

今、放射能を世界にばら撒き続けている日本人が

危険性というだけで他国の原発政策を非難できる

筋合いではまったくないが、心配なことではある。

中国が、対日だけでなく対米でも強硬な姿勢を

とり続けることとあわせて、大きな問題だろう。

中国経済の実態を知りたいと思っている人には

おススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 中国経済最前線-なぜ中国経済は最強と言えるのか?/第2章 G2時代の米中関係/第3章 地球温暖化問題と中国経済/第4章 「人口ボーナス」と中国経済/第5章 中国の経済統計は信用できるか/第6章 日本は中国とどう付き合っていくのか

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2012年2月 6日 (月)

常見陽平(ツネミヨウヘイ)さんの『「キャリアアップ」のバカヤロー』を読んでみた

常見さんの『「キャリアアップ」のバカヤロー
自己啓発と転職の“罠”にはまらないために』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、リクルート出身の人材コンサルタントが

「キャリアアップ」にまつわる自己啓発や転職を含めた

多くの罠にはまらないようにと警告を発している。

内容的には、常見さんの転職体験やリクルート社への

想いなど広範にわたる話題は面白いが、参考になる

事は少ない。

なぜなら、この本のコンセプトが、「キャリアアップ」と

いうものは、世の中には存在しないというものであり、

人々が「キャリアアップ」につながると思って取り組んで

いることにはあまり意味がないと、言い切ってしまって

いるためである。

たしかに、「キャリアアップ」を目指して転職し、失敗

する人は多いのかもしれないが、「キャリアアップ」

そのものに興味がある人には役に立たない。

キャリアにはアップもダウンもないというのは、

一面では真実かもしれないが、「キャリアアップ」が

求められていることも、また見過ごせない事実だ。

この世間と常見さんとのギャップは、私個人の偏見で

あることを承知で言えば、リクルート出身者の多くが

リクルート時代には「キャリアアップ」をするが

リクルート退社後は年収をダウンさせていくだけの

存在になってしまうことに起因しているように思う。

常見さん自身も「元リクルート」は優秀かという問を

立てているが、そこで紹介されている人たちが

ベンチャー企業の経営者になれれば良い方だと

いうことを示しており、私たちが実際に目にする

組織の中に入ってくる「元リクルート」は明らかに

質が悪く、すぐに退職していく人たちばかりである。

それでも経営者や人事はいまだにリクルートを

人材輩出企業だと誤解し、高い報酬を払っているが、

それはもう過去の話だと言う以外にない。

リクルート出身の人材コンサルタントという肩書きで

「キャリアアップ」を語るには、この本のような体裁か

リクルート内での「キャリアアップ」を語る以外方法が

ないのだろうが、であれば、「キャリアアップ」の仕方

を語ったほうが良かったのではないだろうか。

まあ、そういったことが嫌なので、「バカヤロー」と

いうことなのだろうが、私としては残念だった。

できれば「バカヤロー」と言っておきながら、

本当の「キャリアアップ」の仕方を語ってくれる

というような内容であったら、参考になっただろう。

そのような視点が常見さんにもあったであろうことは

最終章の「20代のとき私が知りたかった12の

ルール」からも窺うことができる。

①多様な視点と広い視野を持つ
②成長が自分も周りも変える
③「名刺がわりの仕事」をする
④仕事が磨かれる原則を知る
⑤仕事は「量」のち「大きさ」
⑥「オカズの仕事」をする
⑦「謙虚」でいこう
⑧大切な人を、大切にしよう
⑨自分を安売りしない
⑩次の時代の空気を読め
⑪無駄な経験はひとつもない
⑫主張する勇気を持とう

「キャリアアップ」の仕方ではなく、転職や自己啓発の

注意点を学びたい人には、一読する価値はある。

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめにー「キャリアアップ」という曖昧な不安/第1章 なぜ、「キャリアアップ」に脅迫されるのか?/第2章 転職のバカヤロー/第3章 私の「キャリアアップ」漂流記/第4章 自分磨きのバカヤロー/第5章 20代のとき私が知りたかった12のルール

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2012年2月 5日 (日)

田中秀臣さんの『雇用大崩壊』を読んでみた

田中さんの『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、「リフレ派」経済学の代表的な論客である

田中さんが雇用の面から日本経済を分析している。

ただ、この本の面白さは雇用の分析には限られない。

たとえば、次のような解説は、対立軸を明確にして

いてとても分かりやすい。

田中さんと同様に「リフレ派」でもある東洋大学の

高橋洋一教授によると、日本には「上げ潮派」は

ご自身を含んで、中川秀直衆議院議員と竹中平蔵

慶応大学教授の3人しかいないということらしい。

そして3者に共通しているのが、「小さな政府」の

実現ということで、公務員制度改革、財政再建、

地方分権などがそのための手段ということになる。

日本風にいえば構造改革、要するにサプライ

サイド(供給側)の改革ということになる。

これに対して、田中さんは「リフレ派」ではあるが

「大きな政府」でいいと主張している。

しかし、それは財務省が常に言い続けている

財政再建のための消費税の増税によってでは

ないというところが重要なところである。

『消費税の負担は高齢者の方が現役世代に
比べてかなり少なく、それと同時に消費税は、
年金の国庫負担分に充当されるということで
やはり高齢者にとっての利益になるという二重
のメリットを高齢者に対して生み出すのです』

そして、高齢者の投票率が高いため、選挙対策

としても、政治家は財務省の提案を受け入れ

やすいということらしい。

『これが世界でも珍しい不況の中での増税議論
の実体です』

最近でこそ、消費税の増税もやむなしという声が

聞かれるようになったが、ここら辺の記述は

少し疑問のあるところである。

けれども、田中さんの主張は増税反対なので、

細かいことにこだわらないが、結局のところ

田中さんは日銀による金融政策により

有効需要を創出すべきだという主張である。

具体的には、インフレターゲット政策である。

『本書では一貫して、現役で働いている人たちの
環境をよくすることが政府の果たす務めであること
を強調してきました。現役世代、特に若い世代の
経済的貧困を解消することが、彼ら彼女らだけでは
なく、その後の世代にも、そして現在の高齢者に
とっても利益になることなのです。その意味で、
不況を克服する積極的な財政・金融政策を行う
政府の役割は「大きい」のです。これが本当の意味
での「大きな政府」の重要性だと私は思っています』

これほどデフレが長く続いている現状ではインフレ

ターゲット政策は、試みる価値があると思うが、

「大きな政府」がいいのか、「小さな政府」がいい

のかは、難しい問題だと思う。

少子高齢化によって、社会保障費をどのように

まかなうかという問題からすれば「大きな政府」

ということは避けられそうもないが、公務員制度

改革が必要であるということも間違いないこと

なので「小さな政府」も捨てがたい。

いろいろと考えてみるには面白い本である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「二段階不況」の日本/第2章 経済の現状に対する、五つの誤解を解く/第3章 漂流する若者時代/第4章 正社員の憂鬱/第5章 今こそ金融・財政政策の総動員を/第6章 雇用回復への処方箋

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2012年2月 4日 (土)

奥野宣之さんの『人生は1冊のノートにまとめなさい』を読んでみた

奥野さんの『人生は1冊のノートにまとめなさい』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、『情報は1冊のノートにまとめなさい』などの

著書のある奥野さんのライフログノートに関する本。

デジタルでは残せない世界でただ一つの体験記を

100円ノート整理術の第3弾として紹介している。

コンセプトは面白いと思うが、本当に行動を記録する

だけで、そんなに全てが上手くいくものだろうか。

索引だけはパソコンを使って作成するが、それ以外は

すべてノートに記録していくだけという簡単さは

続けられるかも知れないが、頻繁に書き取ることが

できるかは疑問。

本の中にも書かれているように、いかに習慣化して

効果を発揮するかがポイントのような気がする。

あまり反省の言葉ばかりを書き込まないようにする

など、陥りがちな悪いパターンを事前に指摘して

くれているところや、補助ツールの紹介などがある

点はとても親切。

プリンタ付きデジカメの「ポラロイドTWO」は使って

みたいと思った。

ただ、全体的な感想としては、色々なものを貼り

付けたりスタンプを押したりと、自分の子供が

夏休みなどに体験記としてノートを作っている

感覚に近いような気がした。

デジタルでやるとするなら、ツイッターのつぶやきを

ブログにまとめていく感じだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 ライフログノートで体験を「資産」にする/第1章 ただ行動を記録することの意外な効果/第2章 ノートを自分の分身にする/第3章 どうやってノートに残すか/第4章 何をノートに残すか/第5章 どう継続し、読み返し、活用するか/付録 ライフログノートを補助するツール23

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2012年2月 3日 (金)

上田惇生さんの『ドラッカー入門』を読んでみた

上田さんの『ドラッカー入門
万人のための帝王学を求めて』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ドラッカーのその主要作品のすべてを

長年にわたり翻訳してきた著者による解説である。

ドラッカーの分かりにくさを丁寧に解体して見せる

さまはさすがだが、予備知識なしに飛び込むと

ドラッカーの著書の難しさそのままに、面白さが

分からずに終わってしまうので、牛越博文さんの

『これだけは知っておきたいドラッカー』とあわせて

読むと理解が深まる1冊であると思う。

ドラッカーを読む上でのポイントになる箇所を

私なりに抜き出してみると次のとおり。

①社会的存在としての人は、社会として機能する
 社会を必要とする。それでは、社会が機能する
 ための条件は何か。第一に、そこにいる人たち
 全員に位置づけがあることである。第二に、
 全員に役割があることである。第三に、そこに
 ある権力に正統性があることである。

②未来について言えることは二つしかない。
 第一に、未来はわからない。第二に、未来は
 現在とは違う。
 従って未来を知る方法も、二つしかない。
 一つは、すでに起こったことの帰結を見ること
 である。彼独自の予測にしても、すでに起こった
 ことの帰結、つまりすでに起こった未来を知らせる
 に過ぎない。
 未来を知るもう一つの方法は、自ら未来をつくる
 ことである。

③ポストモダンのための方法論をまとめるならば、
 次の7つの作法になる。
 1.見ること
 2.わかったもの使うこと
 3.基本あるいは原則となるものを知って使うこと
 4.かけたものを探すことです
 5.自らが陳腐化の主導権を握ることである
 6.仕掛けを作っておくこと
 7.限界をわきまえつつ、モダンの方法を使うこと

④マネジメントについての3つの役割
 1.それぞれの組織に特有の社会的機能を
 まっとうすること
 2.組織に関わりをもつ人たちが生き生きと生産的に
 働き、仕事を通じて自己実現できるようにすること
 3.社会的責任を果たすこと

⑤マネジメントが目標を設定するべきは、
 1.マーケティング
 2.イノベーション
 3.生産性
 4.人材
 5.物的資源
 6.資金
 7.社会的責任
 そして、「条件」としての利益である。

⑥チェンジ・リーダーたるための4つの条件。
 1.既存のものの廃棄
 2.日々のカイゼン
 3.成功の新展開
 4.価値を創造するためのイノベーション

⑦イノベーションの7つの種
 1.予期しなかったことが起こったとき
 2.ギャップがわかったとき
 3.ニーズが現れたとき
 4.産業構造が変化したとき
 5.人口構造が変化したとき
 6.意識が変化したとき
 7.発明発見が生まれたとき

⑧人事の手順としての5つのステップ。
 1.仕事の中身をつめること
 2.候補者を複数用意すること
 3.候補者の強みを見ること
 4.上司や同僚など複数の意見を聞くこと
 5.発令の数ヵ月後、仕事の中身を理解
 しているかを確認すること

⑨仕事をする能力として習慣化すべきこと。
 1.時間の使い方
 2.貢献に焦点を合わせる
 3.強みの上に築く
 4.集中する
 5.成果をあげるように意思決定を行う

この本も、ドラッカーの著作同様に、何度も

読み込んで楽しむためのものである。

そして、私には、こういう本こそ本当に有難い。

遅れてきたドラッカリアンにはおススメの

1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
はじめにードラッカーとは何者か/第1章 人が幸せであるためには何が必要かードラッカーの問題意識/第2章 転換期のクライマックスはこれからだードラッカーの時代認識/第3章 論理ですべてがわかるとしてはならないー社会生態学者ドラッカー/第4章 万人のための帝王学を求めてーマネジメントの父ドラッカー/第5章 何をもって憶えられたいかーセルフマネジメントの方法論/第6章 世界のモデルとなりうるかードラッカーが恋した日本/おわりにードラッカーとの出会い

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2012年2月 2日 (木)

ロバート・B・ライシュさんの『勝者の代償』を読んでみた

ロバート・B・ライシュさんの『勝者の代償
ニューエコノミーの深淵と未来』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、日本より一足早くグローバルな競争を

勝ち抜いてきたアメリカ市民社会が支払ってきた

代償についての分析と、今後グローバル社会の

市民としてどういう選択をしていけば良いのかを

問う内容となっている。

具体的には、以下の3つについて。

①ニューエコノミーの驚異について(脅威ではない)
②解き放たれた資本主義の危険性と略奪性、
 世界的企業や国際金融資本の力と貪欲さ、
 あるいは移民、外国人、少数民族の侵食など
 について
③この新しい時代にバランスのよい生活を
 達成することの難しさについて

また、ニューエコノミーのある側面として、

次のようなことが書かれている。

『要するに、アメリカ人が典型的なヨーロッパ人や
日本人よりもより一生懸命に働くことの主たる理由
は、ある意味でアメリカにおける仕事のあり方や
その仕事への報酬の支払われ方が人々をそうさせ
ているからだといえる。つまり不確実性の増大、
不平等の拡大、選別の強化、競争の激化が起こって
いるのである。誰もが以前よりも一生懸命働くのは、
これらのすべての面が、一生懸命に働くことで得られ
るものをより大きなものにしているからである。
大学生の若者がかつてよりも金銭的な豊かさに
関心を持つようになったのは、金銭的な報酬から
得られる全体的な価値が何年も前に比べるとずっと
大きくなっているからであり、したがって金銭的豊かさ
を追求しないことで失うものもより大きくなっている
からである』

市場競争の激化ということでいえば、次のようなことも

指摘されている。

『多くの現代社会において、言論の自由にとって
最大の脅威は、圧制政治による公然たる統制では
なく、買い手がより満足するために簡単に切り替え
ることのできる、より激しくなる市場競争なのである』

私たちは暗黙の統制には、抵抗感があるものの

実際には市場が求めることに応じるだけで、

本当には言論の自由など存在していないのかも

しれないということを考えてみる必要がある。

また、金銭的豊かさに対するワークライフバランス

などということも真剣に考えなければならない

時期に来ているのかもしれない。

考えさせてくれる本が良い本という私の基準から

すると、とても良い本であった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 ニューワーク(すばらしい取引の時代/技術革新の精神/変人と精神分析家/忠誠心の消滅/雇用の終焉)/2 ニューライフ(人々を一生懸命働かせるもの/自分を売り込む/ものすごく縮んでいく家族/気配りへの支払い/商品としてのコミュニティ)/3 選択(個人の選択/社会の選択)

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2012年2月 1日 (水)

マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた

マイケル・E・ポーターさんの『競争の戦略』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、産業組織論というミクロ経済学の理論を

応用して経営学の競争戦略の構造を解明するという

経営戦略論の古典的名著である。

新訂版の表紙にもあるように、この「5つの競争要因」

の図が構造分析法の要旨を表している。

日本語訳の図はP18に載っているが、そこから導き

出される競争要因は次のとおり。

1.新規参入の脅威
 (参入障壁が低い場合は新規参入が容易)
2.既存競争業者の間の敵対関係の強さ
 (同業者の数、規模、戦略の違い等により変化)
3.代替製品からの圧力
 (価格対性能比が良い製品、高収益業界の生産
  している製品には特に注意)
4.買い手の交渉力
 (買い手の交渉力は戦略によって変えられる)
5.売り手の交渉力
 (川上統合による戦略によって無効化できる)

この本は、「和民」の会長の渡邊美樹さんの愛読書

として最近では有名だが、むしろ私が最近気になって

いるユニクロを考えるときに役立ちそうである。

分厚いだけのことはあると思わせる、詳細な分析と

明快な戦略論は、現在でもなお有効だと思われる。

企業経営を考える際には必読の1冊である。

【目次】
1. 競争戦略のための分析技法
1 業界の構造分析法
2 競争の基本戦略
3 競争業者分析のフレームワーク
4 マーケット・シグナル
5 競争行動
6 買い手と供給業者に対する戦略
7 業界内部の構造分析
8 業界の進展・変化

2. 業界環境のタイプ別競争戦略
9 多数乱戦業界の競争戦略
10 先端業界の競争戦略
11 成熟期へ移行する業界の競争戦略
12 衰退業界の競争戦略
13 グローバル了解の競争戦略

3. 戦略デシジョンのタイプ
14 垂直統合の戦略的分析
15 キャパシティ拡大戦略
16 新事業への参入戦略

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