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2012年2月 8日 (水)

土居丈朗さんの『財政学から見た日本経済』を読んでみた

土居さんの『財政学から見た日本経済』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、財政学という私が今まであまり読んだことが

ない分野について土居さんがうまくまとめてくれている。

残念なのは、この本が2002年10月の出版と、

やや古いため、出版時よりさらに深刻さを増す

現状には当然のことながら話が及ばないところ。

ただ、これまでの財政の悪化の理由や歴史などは

リアルタイムでニュースなどを見てきた者にも

とても興味深く、頭が整理されていい本である。

たとえば、国鉄の民営化などはよく知っていることの

ように思っていたが、1987年の民営化時に負った

債務約14兆円が、1998年の国鉄清算事業団の

解散時には約28兆円に膨らんでしまっていたこと

などは、当時話題になっていたのかさえ思い出せない。

さらに、その理由が利払い分の売却資産や収入源を

清算事業団に用意しなかったというお粗末な理由で

あったことや、当時のバブル絶頂期に政府が「投機を

煽ることになるから、土地を売るな」と決めたことで

絶好の売却時期を逃すにいたってはバカバカしくて

話にならない。

また、地方の財政と国の財政の関係や特殊法人の

杜撰な制度などは、よく話題にされることではあるが

あらためてまとめて読んでみると、どうしてこのような

酷い制度を続けてきたのか理解に苦しむ。

一部は現在では改革されていることになっているが

本当に健全化の方向で進められているのか

何だか怪しい気がしてくる。

そこで、土居さんの破局を避ける提案は次のとおり。

①特殊法人の全廃
②補助金(地方交付税)制度を廃止し、地方分権化
③国政選挙の定数是正による定数格差解消

一般に財政の詳しい知識は、一部の人に専有されて

いて、特に官僚が自分たちに都合のよいように国民を

誘導している感じがあるので、このような本は有難い。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 税金はどこへ消えた?/第2章 景気対策はなぜ失敗し続けるのか/第3章 地方が自立できない真の理由/第4章 なぜ破綻せずに借金をし続けられたのか/第5章 財政破綻、そのとき国民は/第6章 破局を避ける道

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