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2012年2月 2日 (木)

ロバート・B・ライシュさんの『勝者の代償』を読んでみた

ロバート・B・ライシュさんの『勝者の代償
ニューエコノミーの深淵と未来』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、日本より一足早くグローバルな競争を

勝ち抜いてきたアメリカ市民社会が支払ってきた

代償についての分析と、今後グローバル社会の

市民としてどういう選択をしていけば良いのかを

問う内容となっている。

具体的には、以下の3つについて。

①ニューエコノミーの驚異について(脅威ではない)
②解き放たれた資本主義の危険性と略奪性、
 世界的企業や国際金融資本の力と貪欲さ、
 あるいは移民、外国人、少数民族の侵食など
 について
③この新しい時代にバランスのよい生活を
 達成することの難しさについて

また、ニューエコノミーのある側面として、

次のようなことが書かれている。

『要するに、アメリカ人が典型的なヨーロッパ人や
日本人よりもより一生懸命に働くことの主たる理由
は、ある意味でアメリカにおける仕事のあり方や
その仕事への報酬の支払われ方が人々をそうさせ
ているからだといえる。つまり不確実性の増大、
不平等の拡大、選別の強化、競争の激化が起こって
いるのである。誰もが以前よりも一生懸命働くのは、
これらのすべての面が、一生懸命に働くことで得られ
るものをより大きなものにしているからである。
大学生の若者がかつてよりも金銭的な豊かさに
関心を持つようになったのは、金銭的な報酬から
得られる全体的な価値が何年も前に比べるとずっと
大きくなっているからであり、したがって金銭的豊かさ
を追求しないことで失うものもより大きくなっている
からである』

市場競争の激化ということでいえば、次のようなことも

指摘されている。

『多くの現代社会において、言論の自由にとって
最大の脅威は、圧制政治による公然たる統制では
なく、買い手がより満足するために簡単に切り替え
ることのできる、より激しくなる市場競争なのである』

私たちは暗黙の統制には、抵抗感があるものの

実際には市場が求めることに応じるだけで、

本当には言論の自由など存在していないのかも

しれないということを考えてみる必要がある。

また、金銭的豊かさに対するワークライフバランス

などということも真剣に考えなければならない

時期に来ているのかもしれない。

考えさせてくれる本が良い本という私の基準から

すると、とても良い本であった。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 ニューワーク(すばらしい取引の時代/技術革新の精神/変人と精神分析家/忠誠心の消滅/雇用の終焉)/2 ニューライフ(人々を一生懸命働かせるもの/自分を売り込む/ものすごく縮んでいく家族/気配りへの支払い/商品としてのコミュニティ)/3 選択(個人の選択/社会の選択)

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