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2012年2月28日 (火)

ゲーリー・S・ベッカーさんの『ベッカー教授の経済学ではこう考える』を読んでみた

ゲーリー・S・ベッカー/ギティ・N・ベッカーさんの
『ベッカー教授の経済学ではこう考える
教育・結婚から税金・通貨問題まで』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、1992年にノーベル経済学賞を受賞した

ゲーリー・ベッカーさんが『ビジネス・ウィーク』誌に

連載したエッセイの日本語版である。

アメリカ経済躍進の基礎である“経済学的な考え方”

の本質をとらえるとともに、“資本主義の哲学”を学ぶ

ことができるエッセイ集である。

ただし、残念ながら内容的には少し古くなってしまって

おり、ちょっと物足りない感じは否めない。

そんな中でも印象に残った点が2つあった。

それは、大きな政府批判と市場競争礼賛である。

『過去一年のあいだに、私が訪問したいくつかの国
では、著名な政治家や実業家に対する汚職容疑が、
主要なスキャンダルの中心を占めていた。どこへ
行っても、その国の実業界の指導者たちが特別に
堕落しており、政治体制がとくに汚職にまみれやすい
のだとの説明を受けた。だが、汚職というものは、
政治や実業界の体制がどのようなものであれ、
大きな政府が経済生活のあらゆる局面に浸透している
ところでは、一般的に見受けられる現象なのである』

『マイクロソフト社がメーカーに対して、同社のインター
ネット用閲覧ソフトを搭載するのでなければウィンドウズ
95のライセンス供与を取り消すとおどすとき、それは
一九九五年独禁法“同意審決”に違反することになる
との解釈は、難解な言葉の訓練を受けた法律家のみが
下しうるものであろう。しかし、そうした解釈が産業の
進歩を促進するものでないのは明らかだ。(略)
コンピュータ産業の製品や基本ソフトは、競争の苛烈さ
と新会社参入の容易さによって、急速な変化を続ける
ことを強いられる。法廷や官僚は動きが遅く、あるシス
テムや標準規格が競争促進的であるか反競争的で
あるかを決定するのに必要な最先端の知識をもち
合わせていない。競争のほうがより迅速かつ効果的に、
コストの高い非効率な製品や標準規格を顧客に押し
付けようとする会社を処罰するだろう』

最近の日本が大きな政府を目指し、市場競争を忌避

しているかのように感じるのは私だけだろうか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
象牙の塔からコラムニストへ/規制と民営化/労働市場と移民/人的資本と学校教育/家族/差別/犯罪と中毒/反トラストとカルテル/特殊利益と政治/政府と税金〔ほか〕

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