スティーブ・ウォズニアックさんの『アップルを創った怪物』を読んでみた
スティーブ・ウォズニアックさんの『アップルを創った怪物
もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、スティーブ・ジョブズとともにアップルを
創った、もう一人のスティーブの自伝である。
しゃべり口調の読みやすい本であるが、ジョブズの
伝記等と違い、技術的なことも多く書かれている。
ただし、専門的な細かいことが書いてあるという
のではないので、特に知識がなくても大丈夫。
私のようにパソコンにカセットテープのデータを
読み込ませていたような古い世代には懐かしい
記述も多い。
(今の若い人には、8インチや5.25インチの
フロッピーなんて分からないだろうし、3.5インチの
フロッピーディスクも、使ってる人は少ないだろう)
この本の少し残念な点は、スティーブ・ジョブズとの
関係があまり語られていないこと。
もちろん、ウォズニアックの子供の頃からの考え方
などを読むことで、ジョブズとどのような関係であった
かは、うかがい知ることができるが、もっと直接的に
どのように2人が仕事をしたのかが書かれてあると
良かったのにと思う。
ただ、分かったことも多く、ウォズニアックもジョブズも、
シンプルさへのこだわりが共通している。
いたずら好きな点やお互いを尊敬していることも同じ。
2人が影響を与え合ったことは間違いなく、特に
アップル製品のデザインやイノベーションなどには
そのことが現れているように思う。
見た目をスマートにすればよいというようなことだけ
ではなく、同じ機能なら使う部品の数を少しでも
減らすほうがシンプルで優れているという考えや、
目に見えない部分の基盤さえもスマートにしようという
こだわりが、結局のところ、いかに使いやすくするか
というユーザー目線のデザインにつながっている。
また、この本を読んでいて面白かったのは、ウォズ
ニアックがアップルとは別の会社を始めるときに、
ジョブズたち経営陣に、そのことを伝えるのではなく、
エンジニアとしての上司にだけ伝えたりするところ。
ウォズニアックがエンジニア部門のトップでない
ところも、現場でものづくりだけをしていたいという
ウォズニアックらしい。
あとは最初の奥さんと一緒の時間がもちたくて、奥さん
が関係していたフリーメーソンに入会し、幹部にまで
なってしまったり、奥さんのために映画館を買ってあげ
たり、ちょっとやりすぎな一面もある。
ジョブズも面白いがウォズニアックも負けずに面白い。
アップルファンでなくても、読んでみるといいと思う。
【目次】(「BOOK」データベースより)
僕たち電気少年/論理ゲーム/コンピュータとの出合い/テレビ妨害機/僕のクリームソーダ・コンピュータ/はらはらどきどき電話フリーク/スティーブとめちゃくちゃした日々/ヒューレット・パッカード時代/いかしたプロジェクト/僕のすごいアイデア/アップル1/僕らの会社/アップル2/フォード以来、最大の株式公開/ウォズ・プラン/不思議な飛行機事故/僕の「ウッドストック」/アップルからCL9へ/子どもたちに教える/人生の法則
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