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2012年2月22日 (水)

竹中平蔵さんの『絶対こうなる!日本経済』を読んでみた

竹中平蔵/榊原英資さんの『絶対こうなる!日本経済
この国は破産なんかしない!?』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、犬猿の仲とされていた竹中平蔵さんと

榊原英資さんをあの田原総一朗さんが上手く結び

つけた本である。

田原さんは2人のことをもっとも信頼するエコノミスト

の二大巨頭であるが、互いに批判しあった経緯が

あるとして、次のように紹介している。

『榊原氏は竹中氏のことを「無免許でスポーツカーを
疾走させている」と批判したことがある。
竹中氏は榊原氏のことを「官僚上がりの学者に何が
わかる」とこき下ろしたことがある』

そんな対立する二人が、デフレ、景気、為替、株、

成長分野、中国と「元」等、日本経済の当面の課題に

ついて意見を交換している。

立場としては、自民党小泉改革の最高責任者と

民主党の最大ブレーンということだが、考え方に

それほどの違いがあるようには思えなかった。

榊原さんが日本はフランス型の大きな政府を

目指すべきだというのに対し、竹中さんは

問題点が3つあると指摘する。

①官尊民卑の日本でさらに官を強くすることは
 社会保険庁みたいなものがいっぱいできて
 コントロールできなくなる。
②日本は人口が多すぎる。
 アメリカは人口規模が大きいので小さな政府。
③高齢者が多く若者や子供が少ない人口構成では
 特定世代の税負担が過大になってしまう。

では、竹中さんはどのような政府を目指すべきと

主張するのかといえば、分配のところは小さな

政府で、民間でできることは民間で、地方で

できることは地方でというもの。

ただし、消費税を上げなければいけないというのは

2人に共通する考え方。

このことは多くの国民も仕方ないとあきらめている。

また、官僚批判や天下りの禁止などの官僚イジメは

やり過ぎだということで2人とも否定的。

政治主導は素人主導であると、手厳しい。

そして、この鼎談の底流に常に流れているものは

英語を勉強しろということ。

日本のメーカーや金融が弱いのも英語が話せない

から、政治が弱いのも英語を話せる人を同じポストで

長く登用しないので人脈が築けないから。

若者に望むことも英語を身に付けて早く海外を

経験すること。

英語が話せない私にとっては耳の痛いことだが

やっぱり日本国内だけで考えていると、なかなか

明るい話題が出てこないのが現実だ。

経済だけでなく、日本の将来を考えるうえでも

とても参考になる1冊。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 アメリカ、中国は、これからどうなる?-「坂の上の雲」の先に何が見えるか?/第2章 日本経済のここが大問題-日本企業のビジネスモデルをこう変革しよう!/第3章 技術で勝って商売で負ける日本-勝つために何をすべきか?/第4章 これから儲かる、成長するビジネスとは?-製造業から本格的なサービス産業の時代に/第5章 日本は破産なんかしない!?-目指すはアメリカ型競争社会か、ヨーロッパ型福祉社会か?/第6章 絶対こうなる!日本の政治-民主党の“脱官僚”は大間違いだ!/第7章 絶対こうなる!10年後の日本-日本を明るくするために

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