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2012年3月30日 (金)

渋沢栄一さんの『論語と算盤』を読んでみた

渋沢さんの『論語と算盤 現代語訳』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、渋沢さんの論語の注釈と思って読むと少し

がっかりするかもしれない。

守屋淳さんによる現代語の抄訳なので、実際に全体を

読むと感じ方が違うかもしれないが、あまりにも『論語』や

孔子について触れている箇所が少なく、拍子抜けする。

ただ、人間は算盤だけではいけないということは、

文章の中に色濃く表現されていて、現代の拝金主義に

まみれた人には、ぜひとも読んでいただきたいものだ。

たとえば、常識とは、智、情、意(知恵、情愛、意志)の

3つがそれぞれバランスを保って、均等に成長したもの

である、というような表現は古くて新しい。

昨今では、常識とは、「利益を上げなかったら会社は

倒産するんだから、リストラするのが常識」などと

まったくとんでもない使われ方が平気でされている。

赤字が続いても役員報酬をカットすることを考えない

ような人たちにこそ「リストラなんて言わずに、常識を

もって行動してください」と言いたいものだ。

まあ、日本実業界の父が生涯を通じて貫いた経営

哲学と、そんじょそこいらの経営者を較べるほうが

酷なことかもしれないが。

何より「利潤と道徳を調和させる」という考えは、

この本の中にしっかりと示されている。

そして、それこそが今の日本人が帰るべき原点である。

確かに論語の詳細な分析ではないが、論語の大局を

誤っていないという意味では、論語に関する名著である

と言ってもいいだろう。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 処世と信条/第2章 立志と学問/第3章 常識と習慣/第4章 仁義と富貴/第5章 理想と迷信/第6章 人格と修養/第7章 算盤と権利/第8章 実業と士道/第9章 教育と情誼/第10章 成敗と運命

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