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2012年3月 7日 (水)

小倉昌男さんの『経営学』を読んでみた

小倉さんの『小倉昌男経営学』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、「儲からない」といわれた個人宅配の市場を

切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた

ヤマト運輸元社長の小倉昌男さんの経営論である。

まず、印象的なのは「サービスが先、利益は後」という

考え方に現れている経営姿勢である。

これは、サービスとコストは、二律背反の関係にあるが、

サービス向上によるプラス効果が売上高の増加として

つかめたとしても、売上を左右する要因が様々である

ため、効果が測りにくいのに対して、コストの増加は

数値として正確に把握できる。

しかし、把握するためにデータを揃える社員の給料

などを考えると、かえってコスト高を招くだろうと、

分かりやすく「サービスが先、利益は後」という

モットーを掲げるのが経営者のなすべき事だと

はっきりと宣言してみせるところが小倉流なのだ。

また、「全員経営」という考え方も印象的である。

これは経営の目的や目標を明確にしたうえで、

仕事のやり方を細かく規定せずに社員に任せ、

自分の仕事を責任をもって遂行してもらうものである。

そのため、第一線の社員の能力を重視し、年功序列

といった旧態の人事を排除することにより、社内の

コミュニケーションを図ることに重きを置くのである。

その一方で、正確で公正な人事考課の制度を確立

するのは至難の業であるとして、部下の目で見た

「下からの評価」と同僚による「横からの評価」を

取り入れて、社員の「人柄」を評価するとしている。

実力主義ではあるが、その実力は「人柄」として

評価されるという古いようでいて新しいものである。

最後に、小倉さんの「経営リーダー10の条件」を

紹介させていただくことにする。

①論理的思考
 経営者にとって1番必要なもの
②時代の風を読む
 企業は社会的な存在である
③戦略的思考
 戦術レベルの発想に止まっていてはいけない
④攻めの経営
 神髄は需要を作り出すところにある
⑤行政に頼らぬ自立の精神
 結果に責任を持たなければならない
⑥政治家に頼るな、自助努力あるのみ
 中途半端な解決は百年の悔いを残す
⑦マスコミとの良い関係
 宣伝ではなく、優れた広報マインドが要求されている
⑧明るい性格
 「ねあか」で「謙虚」なら、さらに良い
⑨身銭を切ること
 会社から報酬をもらい、社員のために身銭を切る
⑩高い倫理観
 人格者に人徳があるように、会社にも「社徳」が必要

尊敬すべき経営者の1人である。

本物の経営者というものに出会ったことがない人に

ぜひおススメの1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 牛丼とマンハッタン-宅急便前史(宅急便前史/私の学習時代/市場の転換-商業貨物から個人宅配へ ほか)/第2部 サービスは市場を創造する-宅急便の経営学(宅急便の開発/サービスの差別化/サービスとコストの問題 ほか)/第3部 私の経営哲学(組織の活性化/経営リーダー10の条件)

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