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2012年3月 1日 (木)

ジャネット・ロウさんの『ビル・ミラーの株式投資戦略』を読んでみた

ジャネット・ロウさんの『ビル・ミラーの株式投資戦略
S&P 500に15年連勝した全米最強の投資家』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチと

共に3大投資家と呼ばれるビル・ミラーのバリュー

投資について、なぜ激変する経済環境の中で勝ち

続けることができたのかということが書かれている。

特にバフェットなどと比較して面白いと思うのは、

ハイテク企業にバリュー投資手法を応用した点である。

これこそがこの本の中心をなす投資の秘訣であり、

最も興味深い点でもある。

できるかどうかは別問題だが、次のような「投資原則」

は参考にすべきものであるように思う。

①バリュー投資を基本とし、環境変化に応じて
 投資戦略を進化させる
②競争力のあるものを伸ばし、ないものは除いていく
③経済と株式市場について、観察はするが、
 予想は行わない
④優れたビジネスモデルを持ち、長期間にわたって
 投資利益率の高い企業を選び出す
⑤心理的要素によって動かされる誤った考え方に
 翻弄されることなく、それを利用する
⑥本質的な価値の中心値と比べて大幅に割安な
 価格で事業を買う
⑦最も低い平均購入コストで勝ちを得る
⑧15~50銘柄に絞り込んだポートフォリオを育成する
⑨銘柄選択の正解率を上げるのではなく、
 ポートフォリオの予想利回りの最大化を目指す
⑩株を売却するのは、(1)株価が本質的価値に到達
 したとき(ただし、バリュー評価は見直しされることが
 ある)、(2)よりよい買い物を見つけたとき、
 (3)投資の根本的な考え方を変えたとき

本質的にはバリュー投資を行っているバフェットと

考え方が非常によく似ていると思うが、決定的な

違いはハイテク株への取り組みの有無である。

ハイテク銘柄が増えてきている現状では、バフェットの

投資方針に物足りなさを感じている人もいると思う。

そんな人にはぜひ読んでいただきたい1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 バリュー投資の新しいスター/第2章 ビル・ミラーの思考方法-投資以外の分野からアイデアをもらう/第3章 価値評価の方法-シナリオ分析で将来の価値を測る/第4章 ポートフォリオ・マネジメント-割安であれば持ち続ける/第5章 IT産業のバリュー評価-バフェットの知恵をハイテクに活かす/第6章 ハイテクへの規制/第7章 オールド・エコノミーの評価-みんなが嫌っている銘柄が成長する

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