森信三さんの『修身教授録』を読んでみた
森さんの『修身教授録』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、大阪天王寺師範学校(現・大阪教育大学)
本科での森信三先生の講義をまとめた『修身教授録』
(全5巻)の中から、昭和12年3月~昭和14年3月
までの2年間の講義を編集したもので、各章の前後に
先生の教室での様子まで書き込まれたライブ版の
体裁をとっている。
どの章を読んでも、教育者らしい深みのある言葉に
あふれているが、特に印象的な記述は次のとおり。
『人間は、四十までは迷いがちだと言っても、それなら
四十まではいくら迷っても差し支えない、というような
意味ではありません。
だが同時にまた、よほどの人でない限り、四十近くまで
は、お互いに迷いやすいということです。同時にまた
人間も、四十の声を聞いて人生の秋風に身を曝し
ながら、人生の道について迷っているようでは困ると
思うのです。』
『人生における深刻な経験は、たしかに読書以上に
優れた心の養分と言えましょう。だが同時にここで
注意を要することは、われわれの日常の生活の中に
宿る意味の深さは、主として読書の光に照らして、
初めてこれを見出すことができるのであって、もし
読書をしなかったら、いかに切実な人生経験といえ
ども、真の深さは容易に気付きがたいと言えましょう。
否、気付かないだけですめばまだしもで、かような
重大な意味を持つ深刻な人生経験というものは、
もしその意味を見出してこれを生かすことができなけ
れば、時には自他を傷つける結果にもなると言えま
しょう。』
40歳を越えてもなお迷い続け、人生の道どころか
日々の生活もままならないような者にとっては、
かなり厳しい言葉であるが、困ってばかりもいられ
ないので、努力する以外にない。
また、読書の大切さについては、オバマの賢人と
言われる投資家のバフェットも何度も強調している
ところである。
何をするにも、その道で事をなそうとするなら、
まず読書によって学ばなければならないというのは
共通する認識なのであろう。
そして、身を修めるというのは、決して一日でできる
ことではない。
迂遠な方法に思えても日々の読書から始めるしか
ないと気持ちを新たにするにはいい1冊だった。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 修身教授録〈1〉(学年始めの挨拶/人間と生まれて/生をこの国土にうけて/生を教育に求めて/教育者の道/人生の始終/志学/学問・修養の目標/読書/尚友/人と禽獣と異なるゆえん/捨欲即大欲/使命の道/真実の生活/諸君らの将来 ほか)/第2部 修身教授録〈2〉(挨拶/立志/人生二度なし/生命の愛惜/一つの目標/意地と凝り性/大志を抱け/気品/情熱/30年/長所と短所/偉人のいろいろ/伝記を読む時期/人生の深さ/一時一事 ほか)
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