白川方明(マサアキ)さんの『現代の金融政策 理論と実際』を読んでみた
白川さんの『現代の金融政策 理論と実際』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、分かりやすい。
どうしてこんなに良い本が書ける人が、きちんとした
中央銀行の仕事をしないのか不思議で仕方がない。
たとえば、中央銀行の役割のまとめは次のとおり。
1.決済サービスを提供するという役割
2.「最後の貸し手」として流動性(資金)を供給する
ことにより、金融システムの安定を維持する役割
3.物価の安定を実現する役割、すなわち金融政策を
運営するという役割
4.金融機関に対する規制・監督を行う役割
5.「政府の銀行」としての役割
そして、金融政策による影響力の評価については、
次のとおり。
1.金利の変更を通じて需給ギャップの水準を左右し、
これによって物価上昇率に影響を与える手段を
有している。
2.金融政策の物価に対する影響力は短期的には
限られている。
3.経済に加わる供給ショックを考えた場合、厳格な
物価安定を短期間に目指すことは適当でないと
判断するケースもある。また、バブル発生の危険を
意識する場合も、短期間のうちに物価上昇率の
引き上げを目指す政策は適当でない。
4.予想物価上昇率は重要な役割を果たす。
そうなのである、「予想物価上昇率は重要な役割を
果たす」のである。
デフレを終わらせるのは、中央銀行の務めである。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 金融政策の目的は何か?/第2部 誰が金融政策を決定するか?/第3部 金利の誘導とは何か?/第4部 金融政策をどのように運営するか?/第5部 適切な金融政策運営には何が必要か?/第6部 近年の金融政策運営をめぐる論点
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