« 橘玲さんの『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 2015』を読んでみた | トップページ | 山田昌弘さんの『少子社会日本』を読んでみた »

2015年9月17日 (木)

高野誠鮮さんの『ローマ法王に米を食べさせた男』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、TBSテレビの「ナポレオンの村」というドラマの

原案となった本です。

もちろん市長との対立などはなく、一公務員が

限界集落となってしまった地方の再生のために

どのようなことを、どのように行ったかの記録です。

作者の高野さんは、羽咋(はくい)市役所の職員です。

その一方で、代々続く日蓮宗の僧侶でもあるらしく、

羽咋に戻るまでは、テレビ関係の仕事もしていて

UFOの番組を担当していたという、公務員とは思えない

経歴の持ち主でもあります。

基本的には農業を中心とした村おこしですが、

とにかく情報発信能力に優れ、次々に行動を起こし

それを戦略的に発信し続けます。

また、いろいろなことを自分で調べて、コスト削減なども

同時に実現してしまいます。

会議を行わないことや、なんでも事後報告で済ませる

ことは、すぐには真似ができない組織人にも

この行動力は参考になるのではないかと思います。

役人の多くが、この人のような考えを持って仕事を

してくれていれば、もっと日本は良くなったのにと

思う反面、このような人を活躍させないようにする

現在の体制の問題の大きさも考えさせられる本です。

会議や報告が大切なことは分かるけど、そればかり

では、いずれ死を迎えることも組織の常でしょう。

やる気がある人が、要領よく立ち回るというのは

なかなか難しいことではあるけれど、組織って

そういう人を上手く使うためにあるようにも思うけれど

実際には要領のいい人をねたみ、やる気をそぐのが

組織の役割のようになってしまっている。

高野さんのような人と、それを支えて協力する人、

もっともっと増えてくれることを願うばかりです。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 否定する。-そして限界集落の惨状の本質を見抜く(「限界集落:の悲しい現状/「山猿呼ばわりされた」人々 ほか)/第2章 人を動かす。-たった60万円で限界集落から脱却させる(よろ者をどう受け入れるか/“抜魂”で仏壇の不安を解消 ほか)/第3章 伝え、広める。-空前絶後。神子原米のブランド化PR戦略(売りたい商品の長所を徹底調査/ブランドを生む「ロンギング」作戦 ほか)/第4章 人を巻き込む。-「UFOで町おこし」を本当に実現!(560年続く寺の家に生まれて/「町おこし退会」だけでは意味ナシ ほか)/第5章 くつがえす。-“腐らない米”を武器にTPPに勝つ!(JAと組んで、TPPに挑戦!“奇跡の人”木村秋則さんを口説く ほか)/第6章 最後も、やらかす。-定年前に、世界を相手に真剣勝負!(定年前に与えられた無理難題/ど素人だから、わかることがある ほか)

|

« 橘玲さんの『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 2015』を読んでみた | トップページ | 山田昌弘さんの『少子社会日本』を読んでみた »

自己啓発」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 高野誠鮮さんの『ローマ法王に米を食べさせた男』を読んでみた:

« 橘玲さんの『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 2015』を読んでみた | トップページ | 山田昌弘さんの『少子社会日本』を読んでみた »