勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』を再び読んでみた
(5つが最高)
『 ①源泉徴収・年末調整制度の見直し
②道州制の導入
③終身雇用制の緩和
中でも、さまざまなリスクの根底にあるのが、
「終身雇用制度」であると主張している。
これまで以上にリスクにさられている日本の現状、
特に政治の停滞・経済の停滞・労働問題の
解決策を探れば探るほど、その最大の原因は
「終身雇用制度」に問題の核心があるとする。
どうしてかという部分は、この本の中心をなしているので
各自で読んでいただきたいと思うが、
この主張には明らかなタイミングの悪さと
勝間さんの経歴への嫉妬から来る反発が
強烈な批判を形成してしまっているように思う。
世間では非正規社員の雇用問題をどうするか、
どうしたら正規社員になり下流から抜け出せるか、
リストラされないためにはどうしたらいいのか、
ということが話題になっているのである。
勝間さんの『無理なく続けられる 年収10倍アップ
勉強法』が売れたのも、年収を10倍にするため
というよりは、いかにすればリストラされない優秀な
社員になれるのかという涙ぐましい努力の1つの
指針であったはずなのだ。
確かに『金持ち父さん』シリーズでもサラリーマンの
ままでは金持ちにはなれないので、起業することが
薦められている。
勝間さん自身も起業して雇われない生き方を選択
できているので「終身雇用制度」に諸問題の原因が
あると考えているのだろうが、事実そうだとしても、
サラリーマンにとっての最大のリスクは
やはり目先のリストラなのだ。
社会が良くなる前に自身の生活が改善しなければ
やっていけないというサラリーマンは多いはずだ。
ましてや能力の高くない人間にとって
終身雇用制の緩和は明らかに劇薬だ。
勝間さんが本当に社会を良く変えていこうと考えて
いるのなら、平均からそれ以下の人(要するに社会の
半分の人)に、いかに自説を納得してもらえるかが
課題になってくるように思う。』
私は今、勝間さんに納得のいくような説明を求めない。
理由は簡単で、私自身がリストラされてしまったからだ。
この本を読んだ5年前から、私は自分がリストラされる
危機感と、それでもどこかで自分の能力を過信する
ところがあったのだろう。
しかし、現実は単純であった。
リストラは、能力の高低とは関係なく、誰にでも
訪れる可能性のあるものである。
そのことも5年前から分かっていた気がする。
ただ、自分にだけは訪れないと漠然と考えていた。
勝間さんはエピローグで次のように書いている。
『「リスクは一生の友」、そして「リスクはチャンス」』だと。
「リスクは一生の友」だということは、身にしみている。
「リスクはチャンス」だと言える日が自分にも来るもの
なのか、それはまだ分からない。
この本を読んで、他人事だと思える人は幸せである。
けれど、何かを始めようと思える人は、もっと幸せな
人なのかもしれないと、再読して思う。
【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ リスク・リテラシーと終身雇用制
第1章 会社に人生を預けるな(終身雇用制は現代の小作農、または奴隷制/終身雇用制とワーク・ライフ・バランス/さまざまな歪みの原因/女性は働きにくく、若者は報われない)
第2章 リスク・リテラシーを磨く(なぜ、貯蓄から投資が進まないのか/日常生活に潜むリスク/リスクは常に偏在する)
第3章 「お上」に人生を預けるな(「お上」中心主義/日本の巧みな支配構造/現代資本主義が抱えるリスク/リスクを予見する能力)
第4章 21世紀のパラダイムシフト(人生はコントロールするもの/日本が導入すべき三つのもの/よりよく生きるために/問題解決の鍵)
エピローグ リスクを取る自由 ※参考文献、及び推薦図書
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