« 勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』を再び読んでみた | トップページ | 高橋源一郎さんの『ぼくらの民主主義なんだぜ』を読んでみた »

2015年9月10日 (木)

柄谷行人さんの『脱原発とデモ そして、民主主義』を読んでみた

 (5つが最高)

この本は、様々な人が脱原発に関して意見を述べている

ものであるが、その中でも、特に柄谷さんの「デモで社会は

変わる」に注目してみた。

『私はデモに行くようになってから、デモに関していろいろ
質問を受けるようになりました。それらはほとんど否定的
な疑問です。たとえば、「デモをして社会を変えられるのか」
というような質問です。それに対して、私はこのように答え
ます。デモをすることによって社会を変えることは、確実に
できる。なぜなら、デモをすることによって日本の社会は、
人がデモをする社会に変わるからです。』

もちろん、禅問答でもなければ、ふざけているのでもない。

誰かがデモをしなければ、いつまでたってもデモは起き

ないし、そもそも社会を変えるということは、その誰かを

自分が買って出るしかないのである。

そして、デモをすることによって、デモに参加した人々が

変わり、確実に社会は変わるのである。

『デモは主権者である国民にとっての権利です。デモが
できないなら、国民は主権者ではない、といってもいい。』

『私が受けるもう一つの質問は、デモ以外にも手段がある
のではないか、というものです。確かに、デモ以外にも手段
があります。そもそも選挙がある。その他、さまざまな手段
がある。しかし、デモが根本的です。デモがあるかぎり、
その他の方法も有効である。デモがなければ、それらは
機能しません。今までと同じことになる。』

『だから、私はこう信じています。第一に、反原発運動は
長く続くということ、です。第二に、それは原発にとどまらず、
日本の社会を根本的に変える力となるだろう、ということです。
皆さん、ねばり強く戦いを続けましょう。』

柄谷さんが言うように、日本はデモをする社会になった。

実際に、安保法制に関するデモもあちこちで起きている。

デモで社会は変わりつつある。

ねばり強く戦うために、ぜひ読んでおきたい1冊である。

【目次】(「BOOK」データベースより) 全部の原発を止めるまで(2011年5月7日)(松本哉)/原発をなくす有効な方法ー落選運動と不買運動(5月7日)(宮台真司)/多大な犠牲を必要とする原発(6月11日)(雨宮処凛)/デモジャンキーが見たこの1年半(雨宮処凛)/俺たちが新しいエネルギーだ(6月11日)(山下陽光)/抵抗の発明者の発見(山下陽光)/経済のために生きてるわけじゃない(8月6日)(鶴見済)/デモに行けば無力感がやわらぐ(鶴見済)/原爆が投下された日に…(8月6日)(毛利嘉孝)/民主主義を救い出すこと(毛利嘉孝)〔ほか〕

|

« 勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』を再び読んでみた | トップページ | 高橋源一郎さんの『ぼくらの民主主義なんだぜ』を読んでみた »

政治」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 柄谷行人さんの『脱原発とデモ そして、民主主義』を読んでみた:

« 勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』を再び読んでみた | トップページ | 高橋源一郎さんの『ぼくらの民主主義なんだぜ』を読んでみた »