勝間和代さんの『猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、少子化問題のことが分かるだけでなく、
その現象に映し出されている「近代」の本質と、
ポストモダンとしての21世紀型価値観にまで
話が及んでいて後半は特に面白い。
韓国や日本など出生率が回復しない国を
スーパーモダンに行きつつある国とし、
ヨーロッパのように出生率が回復している国を
ポストモダンに移行した国とする考察は
考えてみるべき視点であると思う。
そして、日本がスーパーモダンに行ってしまう
理由を自信がないから、特にアイデンティティに
対する自信を失ったままだからという意見は
興味深かった。
もちろん前半の少子化に対する直接の考察も
いろいろなことを考えさせられる。
特に次のような記述は心に残った。
『電車などでは、そこに、「周りのお客様にご迷惑に
ならないように、ベビーカーを折りたたんでください」
という放送が、かなり最近まで入っていました。
つまり、赤ん坊を連れているのは、「ご迷惑」な存在
だということなんですね。
その種の放送は、逆だと思うんです。むしろ、赤ちゃん
を連れている保護者に、周りの方はご迷惑にならない
ようにお気をつけくださいと言うぐらいの発想の転換が
必要です』
確かに、経済優先、効率優先の社会は、私たちに
幸福をもたらしはしなかった。
やはり、私たちは何か考え違いをしてきたのでは
ないだろうか。
不況が少子化の原因ではなく、少子化が原因の
長期的不況が近い将来やってくるかもしれないことを
私たちは覚悟しなければならないのかもしれない。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 猪口さん、なぜ、少子化対策が必要なのですか?―猪口×勝間/第2章 なぜ、少子化になっているんでしょうか?―猪口×勝間/第3章 勝間さん、ワーキングマザーって、そんなにたいへんなんですか?―勝間/第4章 で、猪口さん、具体的には、どんな政策をとるんですか?―猪口/第5章 二十一世紀のワーク・ライフ・バランスに向けて―猪口×勝間
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