望月護さんの『ドラッカーの実践経営哲学』を読んでみた
望月さんの『ドラッカーの実践経営哲学
〔新版〕ビジネスの基本がすべてわかる!』を読んでみた
(5つが最高)
この本は、ドラッカーの著作の重要性は何となく感じて
いるが難解で意味が分からないという人のための
解説本である。
翻訳書の要点を分かりやすい事例をもとに短時間で
読みたいという人のための要約本でもある。
ドラッカーの主要なメッセージについては当然のことだが
他の解説本と変わるところがない。
この本の独自の魅力としては、著者の望月さんが
ビジネスマンとして感じたことをドラッカーの言葉に
乗せて語っている部分だろう。
そして、望月さんの想いとして、ダメになっていく
日本企業と若い人への期待ということがあるのだろう。
特に日本企業の批判については、興味深い。
ドラッカーは組織の病状を次のように挙げている。
1.管理職の階層が多い。
2.調整のための会議や打合せが多い
3.機能別部門が細分化されている
4.人間が多すぎて人間関係に気をつかい合っている
5.役員の年齢層が偏っている
ドラッカーも日本の企業の経営がまったくダメである
ことを厳しく指摘していたこともある。
『日本でトップクラスの企業の経営陣のやっていることは
経営と呼べるものではない。会長と社長は政府と労働
組合の対応に頭を悩まし、副社長は人事に忙しい。
きちんとした方向付けというものがなされていないのだ』
これを受けて、望月さんは経済合理性とは無縁だった
「日本型経営」の3つの特徴を挙げている。
1.政官業の持たれあいで、競争原理が働かない経営
2.地価と株価の値上がりを前提にした含み益による経営
3.株式の持ち合いによる、チェックが働かない経営
2002年に発行された本の新書版での復刊ということも
あって、少し古い感じもあるが、ドラッカーと望月さんの
考え方が上手くミックスされていて、面白い本になって
いると言える。
最初から翻訳書に直接当たることに抵抗がある人は
ぜひ1度読んでみるといいと思う。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 間違いだらけのマネジメント/第2章 お客軽視が不況を招いた/第3章 ビジネスの基本/第4章 販売前のマーケティング/第5章 お客は満足していない/第6章 お客本位へ/第7章 お客軽視の犯人/第8章 棄てる決断・やめる勇気/第9章 選手交代の時代の主役はあなただ
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