松田さんの『1勝9敗でも勝てる松田式FX!
大きく動くこれからが儲けドキ!』を読んでみた



(5つが最高)
最初に1つ言わせてもらうと、この本は「てにをは」の
間違いが多く、脱字もかなりあるのが残念なところ。
ただ、著者の松田さんはプロのFXディーラーだっただけ
あって、とにかくその考え方はシンプルで分かりやすい。
やっぱり実際に稼いでいる人は、その世界の大切なことが
何かをきっちりと理解していて無駄がない。
『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか? 利回り
100%の外貨投資戦略』など松田さんの本は何冊か
読んだことがあり、その考え方に影響を受けてきたので
今回もとても面白く最後まで読ませてもらった。
けれど、最近は「1勝9敗」でも勝つということばかりが
強調されすぎて、松田さんの本来意図していたところから
離れてしまったのではないかという懸念もある。
もともとは「損小利大」で続けていけば、勝率は悪くとも
トータルで儲けることができるので、損をするのを嫌って
下手に粘ることなく、損切りを適切に行うべき、という
発想法を伝えたかったのではないかと思う。
このことは、結局、FXでは損をすることは必ずあり、
大切なのは勝率ではなく、儲けられるときに大きく
利を伸ばすことが重要であるという教えだったはず。
ところが最近の松田さんに対するレビューなどを見ると
「1勝9敗」では勝つことは難しいというものが目立ち
実際には松田さんは「1勝9敗」ではないはずなのに
「1勝9敗」ということばかり注目されてしまっている。
この本に興味をもった方は、ぜひ本来の松田さんが
意味していたところをよく理解して、読み進めて
いっていただきたい。
少しだけ、「松田式FX」について私なりにまとめさせて
もらうと次のとおり。
『大負けしないための鉄則
①トレンドには素直に従う
②デイトレードは避ける
③売りと買いの両方で勝とうとしない
④ストップロスは必ず入れる』
これらは「損小利大」のための第一歩だと思うが、
私は、どちらかというと逆張りが好きで、デイトレード
ばかりやって、売りと買いの両方で勝とうとしている。
ストップロスについては、まさにそのとおりだと思うが
成り行きで注文を出したいため、ほとんど入れない。
結局、全部逆にやっているので儲からないのだ。
「損小利大」だけは、常に意識しているつもりだけれど
逆になってしまうことが多いのも、また相場なのだ。
『人民元自由化に伴う円高局面においてFXで勝つ』
『1ドル=65円の極端な円高が進む』
今後のドル円相場の予測は、いつもどおり大胆。
『FXは為替差益だけに的を絞って臨むべき』
『相場に勝つのは天才ではなく「しぶとい奴」』
『利益と損失の比重は2対1が基本中の基本』
利益と損失の比重というのは、利益目標を立てるという
より、ストップロスにより損失をコントロールすること。
『日足のローソク足チャートに基づいたテクニカル分析が
最も分かりやすくて有効』
『世界中の人たちが同じチャートを見て節目となっている
水準が強く意識されることによって、結果的にサポートラ
インやレジスタンスラインなどが機能しやすくなっている』
『頻繁にオーバーシュートするユーロ・ドルと比べて、
ドル・円は比較的チャートポイントに対して律儀に反応
する傾向が強い通貨ペアです』
『チャート上の「だまし」が少ないという意味では、ドル・
円はキャリアの浅い個人投資家でも比較的トレード
しやすい通貨ペアだと言える』
どの通貨ペアがいいと感じるかは、動きが大きいほど
儲けるチャンスが大きいと考える人もいるので
人それぞれの見解があると思うが、私もドル・円が
比較的素直な動きをするように感じる。
FX初心者の方は、ぜひ一度、松田さんの本を手にして
みて、その方法論の是非を検証してみるといいと思う。
やり方が合う合わないはあると思うが、きっと得られる
ものがあるはず。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 人民元の自由化とともに超円高時代が到来する!(瓦解し始めたユーロ/今、目の前にある危機の本質 ほか)/第2章 激動の時代を勝ち抜く「松田式FX!」の基本戦略(外貨売りに抵抗のある日本人/めざすべきは“損小利大” ほか)/第3章 具体的にどう勝つか?「松田式FX!」投資戦術(めざすリターンによって手法は異なってくる/買いと売りの両方で勝とうと思うのは強欲 ほか)/第4章 ドル・円、ドル・ユーロ、豪ドル・円 3大人気通貨ペアはこう攻める!(ドル・円の今日までと明日 一貫して大きな流れはドル安・円高/ドル・ユーロの今日までと明日 下落トレンドはまだまだ続く! ほか)/エピローグ FXトレーダーの存在意義は「相場の均衡点」を探ること
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